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透析患者さんの動脈硬化と腎臓が悪くない方の動脈硬化は少し病態が異なるようです。
通常の動脈硬化では、内膜と言って、動脈の内側が厚くなっていき、狭くなったり、はがれて飛んでいき梗塞を起こすのが普通です。
しかし、骨ミネラル代謝異常のある腎不全の場合では、血管の中膜が石灰化を起こし、弾力性の無い動脈となることが問題となります。
血管は、水分が減っていくとそれに合わせ縮んでいきます。
それが、ガラス管の様な石灰化した血管になると、全く縮まないため、透析で過度の除水を行った場合には、突然の急激な血圧低下を起こします。
一番問題になるのは、心臓の動脈である冠動脈の虚血状態でしょう。
透析中の急激な血圧低下が、冠動脈の虚血より、狭心症や心筋梗塞を起こすことは知られています。
血管の石灰化は、透析導入してからどんどん進んでいくと言われています。
どうしたら石灰化を防ぐことが出来るでしょうか。
一番の予防法は、カルシウムとリンの管理を十分行うことです。
リンの値を3.5〜5.5mg/dl、カルシウムの値を8.4〜9.5mg/dlとして、カルシウムとリンを掛け合わせたCa・P積を55以下にすることが大切と言われています。
そして、一番大切なのはリンが高くならないようにコントロールすることです。
一般的には、十分な透析を行い、リン吸着剤を内服すると書かれています。
そこで、十分な透析とはどのくらいの透析のことなのかと言う話になります。
通常、週3回4時間血流200の透析では、体重が40kg以下の方以外は透析だけでコントロールすることは難しいでしょう。
逆にその程度の透析でコントロールされるなら、栄養不足を疑わなければなりません。
栄養障害は、透析患者さんでは最も危険な状態ですので、リンの値が低いと喜んでいてはいけません。
現在の保険診療の範囲では、透析の回数は月に13回を限度と言われていますので、回数を増やすことは難しいです。
もっとも効果的な方法は透析時間を増やすことです。
透析時間を増やすことで、リンの値は吸着剤を使用しなくても十分にコントロールされると言われています。
そして、透析量を増やすことも重要です。
徐々に透析の時間を延ばし、血流を上げて透析量を増やしていく。そして、ご飯を沢山食べてもらい、それでリンが高くなるようならリン吸着剤を使用することが一番いい方法だと考えています。
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