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病気にも流行がある。
今、この時期だったらインフルエンザや感冒(いわゆる風邪)。
これからの季節だったら花粉症がその筆頭だろう。
もちろんこれらの病気は、シーズン毎に流行るなりの根拠があり
流行るべくして流行っているので、何ら不思議はない。
ただこの業界、時として流行るべくはずもないものが流行るという傾向がある。
外科医をやっているときに、
当時いた病院で虫垂炎(いわゆる盲腸)が大流行したことがある。
無論、多少昔の外科だと、右下腹部痛=虫垂炎=手術と
いう一連の流れがあったことは否定しない。
ただ、その病院では点数稼ぎの不要な手術はなく、
術前診断でもそれなりに疑わしい症例ばかりで、
手術をしてみれば破裂寸前というもの少なくなかった。
それが毎日毎日、日によってはダブルヘッダーで2週間ほども続いただろうか。
ところが、ある日を境にその流れがぴたっと止まり、
嘘のように平穏な日々となった。
これだって、季節などによって体力、抵抗力が落ちてそうなりやすかったのだ、とか、
何かしら、炎症性の細菌などが流行っていたのだ、とか
理由をこじつければそれなりの仮説は成り立つ。
ただまったく説明できない流行もある。
さて、そういうわけで(?)今、眼瞼(まぶた)の手術がマイブームである。
といっても特定の疾患ではない。
特定の疾患、仮に眼瞼下垂の患者さんばかりが妙に多いと
マスコミがまたいたらぬ情報を流したかな、と想像がつく。
特に大きくなるほくろ=悪性黒色腫、といった番組があると
2週間はそれに忙殺されることになる。
ところが、今の眼瞼ブームはバラエティーに富んだ疾患で、
眼瞼という場所のみが妙に多いのだ。
眼瞼下垂が2件、そのうち1件は眼瞼挙筋を扱うレベル、
もう1件は皮膚のみの切除で事足りるレベル。
睫毛内反症(逆さまつげ) =ほぼ二重の手術、1件。
眼瞼の腫瘍2件。
1件は明らかな良性、皮膚の切除のみ。
もう1件は悪性の疑いが強く、 まぶたを全層切除し、
結膜側と皮膚側をそれぞれ作り直すような
形成外科医としてはわくわくするような手術。
たかが5件ではあるが、月の手術件数20〜30件の我がクリニックとしては
かなりの割合なのである。
無論、文句があろうはずがない。
普段、ほぼ皮膚科医の生活をしていても元は形成外科医。
こういうときは、若かりし頃からしみこんだ本能が騒ぐ。
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