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そこかしこが薄紅色のに染まっている。
少し前から、もう少し濃いめの桜の端は見かけていたが、
やはり染井吉野の、白に仄かに紅色が乗ったこの色が一番好きだ。
爛漫と咲き誇る様相も良いが、もう少し後、風に舞う桜吹雪もまた捨てがたい。
とはいえ、いわゆる花見に出かける気はない。
以前、病院で働いていた頃は病棟などから声がかかり参加していたものの
桜の下で酒盛りをし、大騒ぎするのは好みに合わない。
どうせなら、一片の花びらがグラスに舞い落ちるのを待ちながら、
桜の下で一人ちびちびやるほうがいい。
桜咲くこの季節、日中はそれなりに暖かいが夜はまだ冷え込む。
屋外で夜桜を見ながら、ビールで乾杯はちいとばかり寒すぎるのではなかろうか。
さすれば、飲み物は熱燗か焼酎お湯割り、桜には少し似合わないがウィスキーのお湯割りか。
料理も、昨今の宴会でよく見かけるオードブル風のものは似合わない。
粗塩を振った焼き鳥かもつの煮込みがベストだろう。
おでんも捨て難いが、つまみというよりがっつり食べるという感が強くなりすぎる。
・・・・花を愛でようと思っても、結局、酒と肴の話になるのか・・・
花より団子とはよくいったものだ。
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