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Parasellar T2 Dark Sign on MR Imaging in Patients with Lymphocytic Hypophysitis
AJNR 31: 1944-50. 2010
東大からの論文です。
リンパ球性下垂体炎(LYH)は何となくステロイド投与で治る、あるいはself limittingの疾患かと思っていましたが、前後葉の機能廃絶に陥る可能性もある疾患なのだそうですね。
この疾患と下垂体腺腫のMRIによる鑑別についての論文。
それぞれ20例くらいずつを比較していますが、
1)後葉のhigh intensityが保たれているかでは
LYHでは85%でが消失、腺種では14%。
2)下垂体柄の肥厚(35ミリ以上)は
LYHで85%、腺腫では0%で見られ
3)下垂体が左右対称かどうかでは
LYHでは85%、腺腫で9%で左右対称
4)均一な造影を呈するのは
LYHで65%、腺腫で9%
5)Dural tailは
LYHで65%、腺腫で77%
6)T2強調像における辺縁低信号は
LYHで35%であったが残りもgray matterと同程度の信号を示した。下垂体腺腫で低信号を示した物は無かった。
この辺縁低信号は病悩期が長くなるにつれて頻度を増し、おそらくfibrosisを見ているのではないかと考察しています。
この下垂体の辺縁低信号は図を見ていただけると良く分かりますが、なかなか印象的。昔、下垂体腺種の出血後にしては変だが、とおもった下垂体機能不全の患者はこれだったのかしらん。
バイエルのくれた小冊子です。
造影剤 これだけは知っておこう(原題 Everything about Contrast Media)
Hans H. Schild 著、西江昭弘訳。
挿絵のたくさんある楽しい本です。造影剤の構造から、体内における代謝、副作用とその対策までコンパクトにまとまった本。新入医局員には是非配ってほしいものです。
日獨移封 55巻2010年3.4号
特集:緩和ケアにおける放射線治療・IVR
脳・骨転移の外照射や意義からPVPやステント挿入までざっと現在を概観するには良い特集です。私のように一人放射線科で、治療の医者は修に1回か2回しか来ないという状況だと、他科から放射線治療についても質問されることが多いので、ざっとのことはさしあたり知っておく必要があります。そういう立場にある人、そういう出張をする羽目になりそうな人にはお役立ちです。
Medical Imaging in the 21st Century —
Getting the Best Bang for the Rad
David J. Brenner, Ph.D., D.Sc.
n engl j med 362;10 nejm.org march 11, 2010
コロンビアの放射線リサーチセンターからのeditorial。
日曜にカンファレンスで言及されていた記事。他にもどこかで誰かが言及していたがここ30年間で米国国民の放射線被ばく量は6倍になり、その要因は医療被曝だということ。(アメリカでは特に心カテによるものが多い。)
シンチが正しく使用されれば心カテの件数も減るだろう(ゲートキーパーと表現している)と書いている。(心臓CTにも期待しているようだが、結構あれは被曝多くないかい?)
外傷後の頭部CTは、臨床的に必要と判断される以外に、訴訟を恐れるあるいは儲けようという意識が働いて濫用されているらしい。これは日本でも同じ。
正しい臨床評価がなされ、ガイドラインを適用していれば、3割から5割のCTは本当は不要であったという表を掲げている。
Giant Tumefactive Periascular Spaces Salzman, K.L. et.al. AJNR 26:298-305, 2005
セカンドネームはOsbornです。脳の血管周囲腔で1.5センチを超えるもの37症例の分析。良く分からなかった症例をネットの放射線科医の集まりにずうずうしくも投稿して、この論文の存在を教えられました。
即座に文献まで添えて「これでしょう」と行ってくださる方あり、まだまだ私は勉強が足りないと反省しきりです。
それはともかく、この文献は良くまとまっていて、お勧めです。
日獨医報 Vol 55 (2) 2010
特集 肝臓のEOB・プリモビスト造影MRI 本検査を有効に活用するための理解すべき課題
このところ肝臓の検査と言うとダイナミックCTではなくてダイナミックMRIが選択されることが多く、引っ張り出して読んでみました。
特に検診でひっかかった比較的若い人の血管腫疑いなどは被曝検査を嫌ってMRIにする医者が多いので、依頼件数は多いです。
この特集にはプリモビスト造影の仕組みや、撮影方法(注射してからT2撮影して本当に良いの?とか)のアドバイス、血管腫などの良性病変はどう見えるかなど、なかなか実際的なことが書いてあって役に立ちます。まだ入手していない人はバイエルに頼むべし。
そもそもリスクのない若年者の肝臓血管腫疑いにさらなる画像診断が必要か、という問題は別にして…。
本日の産婦人科との勉強会は弛緩出血(ジャーナルは複数使ったので書きませんが)。
分娩後の出血は怖いもの。(まかり間違うと福島県警がやってくる。)内腸骨動脈を止めるなどのややこしい手技ではなくて、吸収糸で子宮の前後壁をぎゅーっと縫い縮めて止める、という方法。
前にも取り上げたことがあったのだが、「ほら、手術室で頭に血が上ると忘れるから、もう一度」ということで。
で、もう一つの文献が、「それをやったら術後子宮溜膿腫になった」というもの…。
本日は産婦人科の先生担当の早朝抄読会でした。
Dienogest is as effective as leuprolide acetate in treating painful symptoms of endometriosis. Strowitzki, T. et.al. Human Reproduction Vol25(3). 633-641、2010
婦人科との合同勉強会、ジェノゲストとリュープリンの比較。前者はプロゲステロン活性がほとんど、後者はGnRHアナログ。
MRIに来る患者のホルモン療法のほとんどはリュープリンで、写真をみると使用中、ということがわかるのだが、ジェノゲストはどうなのだろう。見ているが、気付かないのか??
同席の先生たちからは「ホットフラッシュなんかの副作用でリュープリンが嫌な人には受け入れられるのだけれど、不正出血が出るのがちょっと。」という意見でした。
今回の勉強会で初めて知ったのですが、リュープリンの骨粗鬆症の副作用って、結構あるのですね。
アップし忘れていたので今週の産婦人科との抄読会。
最近出会ったT2でとても黒い卵巣腫瘍。まだ病理が出ていないのだけれど、とても堅かったと。線維腫か、これか、と話題になったので。
lymphomaの人にわけのわからない中枢神経症状が出たので読んでみた
Paraneoplastic limbic encephalitis: neurological symptoms, immunological findings and tumor association in 50 patients. Gultekin SH, et.al Brain (2000), 123, 1481-1494
若干古いけれど、よくまとまった論文。こういうのは「また患者が来たときに読み返せばいいや。」と思っているのでなかなか覚えられないのだが。しかし原疾患の治療によって症状が結構改善するというのにはびっくり。
結局患者さんは辺縁系脳炎ではなさそうだったのだが、腹部のCTを撮影してびっくり。Paraaortaから腸管膜上までりんぱせつだらけ。研修医が「去年の12月にCTとって何もないと言われたそうなんですが。」「それ、きちんとした病院で???」
…とてもきちんとした病院でした。患者さんの思い違いか、研修医の聞き違いか?腫瘍の急激な発育で無いと良いのですが。
患者さんはそのきちんとした病院に転院しました。