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まず石を投げよ 久坂部 羊 朝日新聞出版
「汝らのうち罪なきもの、 この女を石にて打て」とのキリストの言葉を下敷きにしています。医療ミスを隠ぺいしようとする医者と、その悪辣な取材方法を隠ぺいしようとするジャーナリストを題材にしています。筆者は医師。結末があまりにきれいごとのような気がする。それにここに書かれているようなスーパーマンのような医者は残念ながら居ない。
細部(主人公の夫婦関係とか、もう一人の主人公であるマスコミの女王様がどうして医療者を憎むようになったのか、とか)、がもう少し書き込んであったら素晴らしい出来だったのに、と思います。こういうことは編集者が誘導すべきでは?と思うのですが、医学論文とは違うのかもしれません。
昔江戸川乱歩賞をとったどこかの医学部の教授が、「一番驚いたのは、原稿を書くと出版社の人が寄ってきて耳元で何やらごにょごにょ囁く。よーく聞いてみると、『お前の原稿はここが不足だから直すように。』ということをものずごく丁寧に控えめに言っている。これが医学雑誌だったら、『ここを直してやったら載せてやっても良いかな。ただし写真は有料だぞ。』という手紙が来るところだ。」と言っていましたが。確かにそう。医療関係以外の出版社はやさしいのかな。

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