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多くの人は自宅での穏やかな死を望んでいる。
介護施設
看取りと称して治療を安易に中止し倫理的な熟慮なしに漫然と行われている可能性もある。延命治療を望まない事と必要な医療を望まない事とは違う。
医療介護が連携し最後までをどう支えて行くか、尊厳有る死が望まれる。
病院
死は敗北、需要も忌避。訴訟を恐れ無益な延命治療が行われる。精神面のケアが重視されない。安らかな死とは程遠い非人間的処置。
日本の医療の有り方に問題があり、病院勤務医の意識改革が必要である。
有名な看取り場所を表すのに使われるXカーブには社会経済、疾病構造、人口構成、家族構造、医療の進歩、社会保障制度など時代と共に移り変わる多くの影響が映し出されている。現在、多くの人が病院で死ぬのは当たり前と考えるほどに、医療機関で亡くなる人が80%を超え、自宅で亡くなる人が12%である。自宅での死亡は家庭に介護者がいる場合であって独居世帯、老夫婦世帯の場合は老人ホームなど自宅でない居宅サービス施設に入っている場合は含まれない。今でこそ老人ホームでの死亡は6割と増えきているが、介護保険が始まつて3年たった時点の平成15年ですら老人ホームでの死亡は35%であった。老人ホームは生活の場であって医療の関わる看取りの場ではなかった。そして利用者が重度化したり急変した場合は病院に入院して来た。調査が始まった昭和26年では在宅死が82.5%で病院や有床診療所でなくなる人は11.7%であった。日常生活の中に死があったのである。医療技術の発達もあり、何かあったら医療機関に入院する風潮と国民皆保険制度や老人福祉法での老人医療費無料化など社会保障政策が充実して来た1997年頃にはその割合が5割を超え1980年には医療機関死が57%、在宅死は38%と割合は逆転した。在宅死の多かった時代は戦後の混乱期でもあり疾病構造も現在とは違い、死亡する年齢も老小に関係なかった。現在の死亡者の殆どは高齢者である。何かあれば病院に入院し、回復しても自宅に帰れない高齢者が多くなって行った。社会的入院の増加である。解消しようと介護保険や医療提供体制改革による在院日数短縮、病床削減等の影響もあり受皿としての老人ホームなど自宅ではない住まいが必要になると共に、経年による重度化、看取りが問題となり平成18年、施設での重度化・看取り加算が創設された。今年の4月からは介護スタッフの痰吸引など医療行為の容認もあり介護施設での看取りも加速される。Xカーブにも変化が見えてくる。
①本人の状態のきめ細かな観察
②家族の看取りの意向の確認
③家族の看取り環境の整備
④職員の看取りケア体制
(看護・介護の連携)の再確認
⑤看護職と医療機関との連携の強化
看取りケアの視点
1.長い介護関係の暮らしの延長線上に死がある。 医療現場とは異なる長期の介護関係の存在。 2.暮らし全体を支え、暮らしそのものに力を注ぐ。 看護職の健康管理、家族のサポートを得ながら介護中心の暮らしの場作り。 3.医療連携が本人、家族、スタッフの支え。 苦痛を取り除く適切な医療との連携で、医療中心の看取りではなく、その人に相応しい終焉を創造する。 4.家族や身近な人への支援 悔いの無い、納得出来る家族関係をサポートする。 5.日頃の介護関係から生まれた信頼関係にケアの本質がある。 心の救いが芽生え、共に寄り添いながら安らかな死への橋渡し。看取りケアの実際
考え方
1) 残された日々の生活の安定と充実、本人・家族の納得
2) 孤独感を感じさせないコミュニケーション
3) その人らしい安らかな死への橋渡し
求められるケア
Ⅰ. 苦痛の緩和
*身体的
安楽な体位の工夫。
医師の指示を含めた日常的な疼痛緩和ケア
*精神的
死や死後の不安に対する心の支えを家族と共に行う。
スキンシップ、タクティ―ル・ケア、寄り添いケアなど
① 栄養と水分
全職種協働して食事摂取状況、水分摂取量、尿量、排便の状況、浮腫など、全身変化に対応した嗜好も取り入れた食事提供に努める。② 保清
口腔ケア、皮膚の保清で合併症・感染症を防ぐ。可能な限り入浴、清拭。
③ 着衣
肌に優しく、着脱し易い軽い物。体動は少なく手早く行う。
④ 排泄の援助
便の性状の観察、局部の保清は丁寧に負担を掛けない操作。感染予防。排泄時はプライバシーを保つ。
Ⅱ.家族対応
定期的に医師が身体状況を説明する場を設ける。
ケアの内容はその都度、丁寧に説明し家族の意向に沿った対応に努める。
家族が最後を看取れる様に、夜間でも速やかに連絡が取れる態勢を整える。
連絡先の確認、保証人の連絡方法の再確認。家族への精神的援助の継続。相談に対する助言、支援等、心安く応じる。
Ⅲ.死亡後のケア
医師の死亡宣告後に家族など身内との別れの場を作る。
家族の了解のもとエンゼルケアを行う。家族も参加できる状況を作る。
葬儀のため準備すべき書類、手続きなど助言、支援を行う。
Ⅳ.退所後のケア。
葬儀の日に弔電を送る。葬儀に参加するか、施設内で時刻に合わせて全員で黙とう。
1997年 認知症グループホーム制度創設
~共同生活援助事業軽度から中等度の認知症高齢者対象
通過型サービス
2000年 介護保険制度創設、グループホームの制度化
利用者は小人数による共同生活に支障が無い
2006年 介護報酬改定 医療連携体制加算
重度化進行 ターミナル
本人、家族が終の棲家として希望
看取りに対する課題が浮上
医療連携、スタッフ教育、制度の整備
重度化・看取りでのグループホーム
を取り巻く環境・課題
ホーム退去者の受皿としての現状
医療機関に入院 48.3%
特老・老健・療養 21.9%
死亡 18 %
自宅 6.3%
今後はより厳しくなり GH内で看取らざるを得ない
医師、看護師不足
療養型再編でのベッド削減 需要に対応が困難
認知症の特性 病院での看取り減少
グループホーム入居者の特性
受け入れ病院を探すのが困難
リロケーションダメージ:せん妄などBPSD
強制退院
格差の問題と介護スタッフへの処遇
グループホームのケアレベル:株式会社、福祉法人、医療法人、NPO法人
地域:人件費、住居費、介護人材不足 資質・熱意のレベル
介護報酬:一律設定 ケアの質は評価されていない
医療連携の重要性
GH 利用者の重度化が一般化し
医療ニーズの増大
在宅医療の歴史
1981年 在宅自己注射指導管理(指導管理)
1983年 寝たきり老人訪問診療(往診)
1988年 在宅訪問看護(訪問看護)
1992年 老人訪問看護制度
患者の居宅を医療行為を行う場:法的に規定。
訪問看護との交流:本人、家族の医療的不安の解消
主治医との連携
訪問看護指示書~情報確保、指示受け、報告
2000年 介護保険制度スタート
2006年 介護報酬改定
居宅の範囲(意味)を拡大解釈
グループホーム、特定施設も居宅
*医療連携加算
24時間連携体制加算
看護師配置
内部職員、訪問看護ステーションとの連携
*GH側の看取り加算の創設
*在宅療養支援診療所創設
かかりつけ医との連携
訪問診療:24時間連携加算 緊急時往診
グループホーム入所者との個別契約
~
2008年 在宅療養支援病院
② 不動による苦痛の解除
意識のしっかりしている人に不動を強いる事は拘束になる。
意識が無くても、体は不動による苦痛に反応する。
③ 不作為による廃用症候群の予防
④ 関節の変形、拘縮の予防⑤ 呼吸の安楽⑥ 経口摂取の確保
⑦ 尊厳ある排泄手法の確保
⑧ 家族へのケア
介護者にとって周辺症状のある認知症の方とのコミュニケ―ションは、言葉や通常の対応だけで信頼関係を構築する事は難しい。特に経験の浅いスタッフには大変な事で、重度の認知症の方の場合はベテランスタッフでさえ言葉や通常の対応でのコミュニケーションを図れなくなる。そのような状況で、現場スタッフが認知症の方を懸命にケアしようとしても、うまくコミュニケーションが取れず、ジレンマに陥りそれがストレスとなって、ケアでのモラールを無くしてしまう。そしてついつい無意識のうちに認知症の方を敬遠するようになる。
緩和ケア理念
(1)症状コントロール
(2)チームワーク
(3)家族支援
(4)コミュニケーション
高齢者の不安を取り除いてあげることが高齢者介護の基本である。 特に認知症の人に対して認知症の高齢者、家族そして介護スタッフがトライアングルを組み、認知症をしっかり理解し、認知症の高齢者に関わる全ての人のQOLを向上させることが緩和ケアの目的である。その中でタクティールケアは認知症を治すということではないが周辺症状を緩和するのに大いに役立っ。『貴方を大切に想っていますよ・・』という、言葉以外のメッセージであり、「ケアコールを鳴らし続けていた方のコールの回数が減る」、「暴言や暴力の見られる方が多少でも穏やかになる」、「眠れない方が少しでも安眠をされる」、そして『安心』させることで信頼関係を築き、スムーズにコミュニケーションを図ることが出来る。