開業してすでに15年が経過した。メリハリの無い15年間のような気もするが医療変革期にあって大変な紆余曲折を繰り返してきたと思う。介護保険が始まった事が大きい。今も気持ちだけは15年前の若い気でいる。髪が薄くなり、白髪も増えた。鏡の中の顔を見て初めて年を取ったなと最近になり感じるようになった。数年前より私の卒業した中学校の職場体験学習を受け入れている。今年は6名の女生徒が応募してきた。つい2~3年前まで男子の希望も有ったが、どうしても医療介護は苦手なのか、だんだん少なくなり、今年は1人も居なかった。私のところは有床診療所で今年の3月、19床あるベッドを全て療養型病床に転換した。それを契機に朝8時半から看護師、介護職、栄養士、理学療法士、薬剤師、ケアマネそして私と全職種が集まり短い時間のケア・ミーティングを開いている。狭い病棟詰め所は立錐の余地も無いほどになる。そこに6名の生徒が加わり廊下まであふれた。最近はミーティングの前に教養の本を輪読して職場の理念を唱和する。お陰でことしは5日間の実習中、毎日、生徒さん達と顔を合わせることが出来た。その中にちょっと気になる顔がいた。一人一人に自己紹介をしてもらってはいたが、覚えるまではなかった。生徒さん達が実習も終わり感想文を書いて持ってきた。私は開業当初は小児科も診ていた。その中に何時も熱を出しては父親に抱かれてくる子供が居た。小さくて人形さんみたいな女の子で何時も指を銜えていたので印象に残っている。4~5歳まではよく診察に連れてこられていた。その後は見ないので、すつかり忘れていた。感想文の中にその懐かしい名前を見つけた。そうか赤ちゃんだったのにもう中学2年生になったのか。思えば遠くに来たものだ。故郷の川のにおいを忘れずに帰ってくる鮭の回遊の事をふと思った。地域に根を生やし住民の信頼を得ている事が嬉しい。
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今日は介護保険に関わる医師の立場からケアマネに義務付けられた更新のための専門研修Ⅰ、医療連携の話を始めます。高齢者医療は老年医療と言い換えるとことが出来ます。私が医学生だった大学の授業では小児医療の専門科はありましたが老年医療は無く、高齢者が増えだしてから、少しづつそれを専門にする研究者が出てきました。子どもは大人を小さくしたものではないと良く言われます。発育の点で大人とは違うし特殊性があります。逆に年をとると子どもに帰ると言われますが心身の機能が落ちると言う点で子どもと同じように高齢者は矢張り若いときとは違う部分があるという事でしょう。今日は時間に限りがあります。そして医療連携がテーマですので高齢者は若い時とは何処が違ってくるのか、そのポイントだけを講義します。レジメを作ってきました。最初に高齢者の心身機能、高齢者疾患の特徴とその対応の仕方のについて話をします。総論的な話になります、各論としての個々の病気は夫々教科書を読んでください。私の講義はどうしても単調で眠くなると思いますので、後半はDVDを見ながら認知症の早期発見、治療とケアの仕方、介護サービス体系それに認知症の人に対するケアカンファレンスの実際について学んでいただきます。そのあと時間まで認知症の方の人権擁護に関して成人後見制度と虐待防止についてお話をしたいと思います。認知症の人の尊厳を守り適切なケアを行う為には診断と客観的評価それに応じた適切な対応が大切です。
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私達は移動手段に車を利用している。時々その利便を享受しながら複雑な気持ちになる。まるで人間の数よりも多い車の洪水の中で相当なスピードを出しぶつかりそうになりながら行き会っている。固い金属の塊の中の潰れそうな軟らかい体。ゲームの中のカーレースの世界にも似ている。ゲームなら失敗してもコインを継ぎ足せばリセット出来る。現実は厳しい。一つ間違えば激突が待っている。怪我どころか死さえ覚悟しなければならない。車に乗っていてそれをイメージした途端に耳がツーンとそば立ち頭痛が起こる。途端にアクセルを緩める。車の無かった時代の人々がこの状況を見たらびっくり仰天、腰を抜かすだろう。今後時代が進み人間の行動や思想がよりソフトな自然との共生を大切にする様になったら、土の中に埋まった鉄の塊を見て、野蛮な人間の生きていた時代があった事を悲しむに違いない。今の感覚では最新の車の外観は立派で滅多に故障せずに人間の作った機械の中では最高の傑作であると思う。しかし1台の車が出来上がるまでに気の遠くなる程の多くの人間の手が加わっている。その人間の群れの中に先日、秋葉原で事件を起こした非正規労働者の自動車工も混じって居た。自由で民主的で効率的に見えるが、実は欺瞞に満ちた奴隷制で支えられて出来上がったのにそんなことはおくびにも見せない。完全無欠で立派な車が世の中のどろどろしたあらゆるものを飲み込み昇華させて出来上がった現代のオブジェに見える。寛容の無いプチライトがはびこり、個人が疎外される搾取社会その物である。
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先日、新型インフルエンザ専門家会議・公衆衛生対策ワ-キングチームの会議が厚生労働省で開催された。サーズ流行の行動パターンを踏襲してフーズ1から6までの行動計画を事細かく議論してきた。しかしこれまでの外国での鳥インフルエンザの散発的発生状況と諸外国の対応状況から、今までの計画では意味が無いとの意見もあり、むしろパンデミックに直面したつまりプレパンデミックからのの集中した対応計画に見直す事が決まった。医療機関で医療関係者が感染する確率は1%で、むしろ子どもが家庭に持ち込んだ場合の家庭内感染が最大の問題と予想される。そうなると隔離された家庭での食糧確保や企業の生産性の影響も検討しなければならない。一方、与党の「鳥由来新型インフルエンザ対策に対するプロジェクトチーム」は予防を含めタミフルとリレンザの備蓄量を増やす対策の提言をまとめた。より常識的で現実味のある対応と考える。
今日の昼過ぎ、妻の携帯に横浜に住む義姉からメールが入った。彼女は川崎の高層マンションの2階に住んでいる。今日の早朝、自宅前の階段の踊り場で助けてと叫ぶ声があり、恐る恐る玄関を開けてびっくり、男の子が倒れていた。そばに駆け寄り体を見回しても出血はない。ただ太ももが痛いと訴えていた。受け答えもしっかりしていたので事の次第をたずねた所、11歳になる小学生で11階に住んでいる。昨日、熱発して学校を早退し休んでいた。朝になり自宅の玄関を出て階段を昇り2mの防護用フェンスを乗り越え飛び降りたらしい。その事を何も覚えていないと言う。幸い2階に張ってあった鳩よけのワイヤーに引っかかり止まり地面に落ちなかったと思われた。義姉は急いでマンションの管理人に連絡し救急車を呼んで貰うとともに救急車が来るまで近所の人たち一緒に毛布を掛けて体を暖めてあげた。少年の父親は出張中で母親と妹は義姉に起こされるまで、この大変な事態に気が付いて居なかった。少年はタミフルは飲んでいなかったらしい。インフルエンザの経過中に窓から飛び降りる精神障害が頻繁に報告されてそれが治療として服用したタミフルの所為なのか、それともインフルエンザ自体の1つの症状として起こるのかはまだはっきりした結論は出ていない。この事例はインフルエンザそれ自体で精神症状が起こるとの一つのエビデンスになった。いずれにしろ助かってよかった。
香港でインフルエンザが流行して何人かの子供達が亡くなった。今、分っているのは在来のウイルス株のインフルエンザだとの事だ。新型インフルエンザのパンデミックが危惧された緊張状態下での突出した流行なので世界が驚くのも無理も無い。厳重な監視が肝要ではある。医学の歴史の中で数知れない医学者の群れがその撲滅のために精魂を注いで来た。抗生物質の出現で制御可能とまで言われ、古典的分野と軽く思われがちな感染症である。しかし耐性菌、新興ウイルス、ウイルス変異など困難な壁にぶち当たっている。これまで石を積むような苦闘の末に蓄積されたあらゆる治験を駆使して対応していく以外に方法はない。万が一にも新型インフルエンザが発生したとしても、それはこれぞ新しいインフルエンザであるぞとの顔をして鳴り物入りで現れるわけではない。全世界の医療者が新しいインフルエンザの発生の可能性を常に頭に診療を行って気付きいち早い情報の伝達が大切である。たとえば人が水中でおぼれる時、大概の人がばたばた大声をあげ騒ぎながらおぼれると考えがちである。そうではなく多くは誰にも気付かれずに静かに水中に沈んで行く。新型インフルエンザは世界中の何処でも発生する可能性がある。特定の地域とは限らない。従って、かねてからいつもの風邪と思っても熱があればマスクをしてもらい周りの人から離す事はまず基本である。各県で新型インフルエンザが外国から侵入したことを想定して物々しい訓練をしているようであるが、それよりもまず私達が日常やって来ている流行性疾患対応の手順をきちんと守る事から始めたい。何よりもまず風邪に罹った人は他人に移さないために外出を控えマスクをする事が公衆衛生上のエチケットである。この事の啓蒙が大切である。中国産餃子中毒事件が良い例である。
中央の鳥にポインターを置きクリックしてください。
中国で鳥インフルエンザの鳥を扱い新型インフルエンザに罹った父親から鳥とは接触していない子供に新型インフルエンザが伝染した。非常に恐れていた人から人への感染フェイズ4が現実になった。非常に危険な状況にある。中国への旅行を控え空港、港などでの国内侵入を防ぐために防疫を徹底して封じ込めなければならない。既にフェーズ4に備えた行動計画の策定とそれに沿った訓練が県単位で行なわれてはいる。住民はそのマニュアルに従う事は勿論、まずは手洗い、マスク着用は基本である。
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当初、過剰反応、行き過ぎ等と国民に大きな戸惑いを与えた個人情報保護法の功罪は今どのようになっているのだろう。お上が都合良く勝手に使い分けているのだろうか。この法律は元はと言えばIT時代を迎え国民が便益を享受し且つ個人を守る為の法律である。個人情報を取り扱う際は、その利用目的、取得、適正・安全な管理、第3者提供の制限、開示等・苦情処理について細かく規制されている。国民には未だに守られるべき情報の種類と範囲を分かっていない。事有るたびに法律家の出番である。個人情報保護法が出来てから地域の町内会名簿、学校の自動や保護者名簿、小グループの会員名簿でさえ住所と氏名のみの場合も多く、はっきり言って無意味な物になってしまった。いざと言う時に役に立たない。個人的自宅電話なり携帯電話番号をお互い教え合っていない限り連絡が取り難い。生年月日、出身地、学歴などからコミュニケーションが拡がる事も多い。
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低空を飛ぶ軽飛行機の軽快なプロペラの音で目が醒めた。我が家の上空を朝な夕なに良くこの軽飛行機は飛んでいる。近くを送電線が通っておりその異常を点検しているのだろう。暫くベッドの中でまどろんで妄想が浮かんだ。空からは、私の居る地域の風景はどのように見えるのだろう。住民一人一人は町並みや、街路樹と同じようにその土地の風景の一部である。古来人間は生まれて死ぬまでその土地で泣き笑いして生き、そして皆に看取られながら死んだ。それが自然の人間の営みであった筈だ。お互いが土地の隅々、共に住む全ての隣人の生い立ちや、性格、仕草までを知り尽くしていた。時代が移り、産業構造の変革を経て、何時の時からか若者は土地を離れ街に出て行ってしまい風景は壊れてしまっている。

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5月31日は世界禁煙デーであった。目だったキャンペーン・イべントはなかったが禁煙に向けてのインパクトのあるトピックが2~3あった。その1つがタバコ税を上げて欧米並みの1箱1000円にしようと政府に働き掛ける超党派の議員連盟が出来た。秋の臨時国会に法案を提出する予定である。消費抑制効果を狙うと共に税収を健康・医療目的に使う事が出来る。社会保障費に振り分ければ後期高齢者医療見直しに必要な財源も得られそうである。一石二鳥の効果がある。2つ目は経口禁煙補助薬のチャンピックスが薬価収載された事と禁煙ガムのニコレットに続いてニコチンパッチがOTC医薬品として医師の処方無しに普通に薬局で買える様になった事である。保険が利かないので費用は少し高く付くが希望者にはとっては便利になった。かしこまって医療機関に行かなくてもすむ。これに関して経済財政諮問会議の委員がタバコのみが屯する駅の売店で販売すれば禁煙が進むのではないかと提言しているほどである。禁煙普及効果が最も注目されるニュースが今朝飛び込んだ。神奈川県はすべての公共施設、レストラン、パチンコ店等の娯楽施設までもを禁煙にする条例を制定する。罰則をつける。すでにフランスなど西欧では徹底して居るそうである。やっと受動喫煙防止は常識として認識できる世の中になってきた。
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入梅した南九州は大陸からの梅雨前線が次々に通過し、大雨が続いている。余程具合が悪くないと雨の中を患者さんも訪れない。今日は朝の内に、晴れ間が覗いたお陰で患者さんが多く診療が昼過ぎまでずれ込んだ。私は低気圧にめっぽう弱い。夏には台風が南方海上に発生しただけでも体の芯から根気が失せ無気力に陥る。そして台風が近づく頃にはすっかりダウンし寝込んでしまい、いざと云う時の役に立たない。ここ連日の低気圧の通過で辛い毎日を送っている。朝の外来を終える頃にはエネルギーが底を尽き戦意喪失し無気力になる。午後は往診がある。昼食後、短い休憩を取り気力を奮い立たせて出かける。今日の天気予報では大雨洪水注意報が出ていた。しかし出かけるときは雨は小降りで傘もいらないほどだった。外は梅雨の良く似合う紫陽花が民家の庭先や垣根に競うように咲き誇っていた。最近はいろいろの形や色の品種があり楽しめる。それを眺めていると雨でも苦にならない。ところが途中、空が真黒になったと思うや突風と共に大粒の雨が横殴りに降り出した。土砂降りのたまった雨水が道路に溢れ川のように流れる。車も押し流されそうだ。なかなかやみそうもない。患者さんの門口に着いても車外は水浸しで車から降りれそうもない。仕方が無いのでやむまで車の中で待機する事にした。今日の往診は都合で2日分まとめて行く事にしているので少し焦りがあった。小降りになったところで車を降り玄関に突進した。傘を差してはいたがびしょ濡れになってしまった。皮肉な事に、診療を済ませ玄関に出て見るとほんの短い間なのに雨が止んで、すっかり空が明るくなっていた。庭にめをやると紫陽花が雨に洗われ生き生きと見栄を切る様に微笑んでいるのに気付きホッとした。

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東シナ海の荒波は薩摩半島南端から長く延びた砂洲で堰きとめられ、その内海にカツオで有名な山川の港がある。上空から見ると丁度、鶴が飛び立つ姿に見える。歴史のある山川小学校の校歌に「ああ薩南のよき港、鶴の翼を広げたる、姿も清くもろこしや南の島に通いけん、今に入船出る船の、歌に明けゆく尊さよ」と歌われている。夏の台風の時期になると台風を避けようと大型船がひしめきあう。最近、ひなびたこの町のあちこちで夕方になると鰹工場からの帰りと思われる若い女性の集団が見られる。中国やシンガポールからの鰹節加工の実習生達である。この港は終戦後暫くカツオを中心にした遠洋漁業で賑わった。その後のオイルショック、排他的経済水域、若者の漁船員離れなどで鰹加工も縮小されて今は昔程の面影は無い。室町時代には南蛮貿易の中継基地として栄え、豊臣秀吉の時代には朝鮮出兵の拠点になった。江戸時代の鎖国政策により外国との貿易は廃れ、島津藩の琉球、大島からの砂糖の積み下ろし港となった。幕末には咸臨丸が寄港した。また島津久光の命により奄美大島に遠島に処せられた西郷隆盛はここから出て行った。島津斉彬、西郷は篤姫とは関係が深い。この前の土曜、日曜日の2日間に渡り港祭が行なわれた。私は良く晴れた日曜日の朝、長い岸壁に沿い作られた魚市場の出店に魚を買いに出かけた。港町特有の入り組んだ道と云う道は駐車車両が一杯で車を停める場所が見つからなかった。港の東、少し離れた場所に大きな楠木の森の中にいざなみの尊を祀る熊野神社がある。かってここは大変な賑わいを見せた場所でもある。駐車場所を探しての通りかかりに広い境内をみると参拝の車と思われる車数台だけが停めてあった。ここに停めさせてもらおうと思案中に丁度神社の関係者らしいご婦人がバリケード用のカラーコーンを持って鳥居の石段の向こうに現れた。石段の横には車の通路が作ってあった。てっきり駐車禁止を宣告されると覚悟した。(続く)
http://8.health-life.net/~susa26/natumero/26-30/nangoku.html
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糖尿病とパーキンソン病で私のクリニックの掛かりつけの患者さんが3月頃、山の蜜柑畑で取れた夏みかんだと言って籠に沢山持って来てくれた事がある。4~5日前の夜、遅くなってから、高い熱があるので診て欲しいと外来に訪れた。ここ2~3日暑い中でミカン畑の手入れをしたので体もきついと言う。熱以外にこれと言った他の症状も無い。腰痛もあるが熱の有る所為だろうと考えた。尿を検査すると蛋白と潜血がプラスに出た。白血球数は7000で増えていない。血小板は8万で少し少ない。パーキンソン症の薬のメネシットを服用しているので悪性高熱も考えなければいけない。ちゃんと飲んでいるか聞いたら飲んでいると言う。少し心配はしたが脱水と腎盂膀胱炎と判断して抗生剤のセファメジンαに解熱剤のアミノピリンを輸液と共に点滴した。次の日は日曜日だったが一応、来院するようと話し帰ってもらった。翌日の朝、来院したので体温を測ると39度台であり、昨夜帰宅後の熱はどうだったか聞いた所、少し下がったが矢張り38度台であった。食欲はあり何とか食べられると言う。体に発疹が出て来たが薬疹ではないかと奥さんが心配している。かゆくも痛くも無いとのことで様子を見ることにした。熱が下がらないのが気にはなる。白血球は6000で細菌感染症ではおかしい。段々と気になりだした。2~3年前に近くの人が神社の周りを清掃して高熱が続き皮疹がでて、ダニに咬まれた跡もはっきり確認できてツツガムシ病との診断が出来て回復したのを思い出した。検査センターも休みなのでいずれにしても抗生剤はミノマイシンを使い解熱剤はボルタレン座薬で対応する事にした。3日目に来院した時も38度台の熱であるが幾分凌ぎ易いと言う。四肢から躯幹全体に赤い斑点が拡がり、特に左前腕に暗赤色で中央が黒ずんだ皮疹があった。ここで一応、リケッチア症と考えてツツガムシの血清反応と肝機能検査を検査室に依頼した。検査結果は緊急に昨夜の内に来ていて、GOT,GPT,LDH、CPKが高く、白血球の核左方移動が著明でミエロまで出現している。これはやはりリケッチア感染症で今の治療でよいと確信した。朝来るように話してあったのに来院しない。如何したのだろうと事務に一応、何か連絡が無かったか尋ねた所、皮膚科から検査の内容について問い合わせが昨日あったとの事。そう言えば奥さんは皮膚科紹介を希望したが検査結果を待ってからと考えていたのでそのままにしていた。心配だったのだろう。点滴が済んだその足で皮膚科を受診したらしい。早速、皮膚科に今までの経過と検査結果を報告し、前腕の皮疹は刺し口で日本紅斑熱であろうとの結論になった。その後、暫くしてから皮膚科の昨日書かれた情報提供所を持って患者さんが現れた。解熱して発疹も褪色していた。ミカン畑で作業中にマダニに指されたのだろう。今年は何時もに無く夏みかんをおいしく戴いたがミカン畑がどうもキーワードになりそうな事態である。血清検査が陽性と出たら保健所に4類感染症として報告するように準備している。
以前の関連ブログです。
http://blog.m3.com/den/20060613/4

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