でんさん
More プロフィール

Search

Calendar

<< 2012/02 >>
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29

トップページ

Doctors Blog

新着コメント

新着トラックバック

< 前のページ

 去年の豚インフルエンザのパンデミックに対する政府の初動対応からこワクチン接種迄のあわてぶりは、日本のこれまでのワクチン政策に対する無策ぶりを露呈した。責任逃れの保身とも言える一時的特別法でお茶を濁した。多くの感染者の健康被害も軽く流行が収まると季節性と変わらないとして感染症法の予防接種法2類に格下げした。輸入を含め使われなかった相当量の余剰ワクチンが廃棄された。ワクチン備蓄に使われた多額の金額は国民は知らされていない。10月からは新型を含む三価のインフルエンザワクチンの接種が始まる。接種対象者への助成費用などの設定を任された各市町村は頭を悩ます。去年の今頃、新型インフルエンザの拡大防止は国家的大問題であったはずだ。昨年の春の大パニックから考えてワクチンは年齢格差や、所得格差にかかわらず全国民に無料接種すべきだ。それにもかかわらず今年は前々度までの通りの国の接種計画がしっかり示された。しかし接種費用に対しては市町村に丸投げし、国として我、関ぜずで腰が引けている。欧米ではインフルエンザワクチン接種費用はすべて公費である。私と同じ意見をネットに見つけたので掲載します。 

 

 

インフルエンザワクチンに対する提言

                         平成102月になって、過去10年間の日本では最高といわれるインフルエンザの流行があり、その間にインフルエンザ関連の多数の高齢者や小児の死亡例があいついで発表され、人々の不安をかき立てたのは記憶に新しいところです。 このようにインフルエンザは毎年必ず流行し、乳幼児から高齢者に至るすべての年齢層に様々な健康被害をもたらしています。特に弱者には牙をむく、危険な疾病であり、欧米では“命のともしびを消す”病気として、恐れられています。日本のように“子どものかかる風邪の一種”というような安易な捉え方をされておりません。また社会経済的活動にも多くの損害を与え、インフルエンザにかかる医療費は2500億円ほどに達するといわれています。 さて、平成101月、厚生省から日本医師会を通じて配布されたインフルエンザワクチン接種に関するアンケートは厚生省がその内容を国民にインフルエンザワクチン接種の情報として提供するというものと私たちは理解しています。ところが、現在、インフルエンザワクチンは国の行う予防接種ではないので、今の所、国は接種に関する情報を提供はするが、費用も出さないし、責任もとらないという態度です。それでもインフルエンザワクチン接種を行うという医師がいるとしたら、それはよほどのお人好しか、無謀な医師でしょう。あえて接種をする場合でも、基礎疾患がある患者さんや高齢者、受験前の学生などわずかの方々だけを対象にしたものになるでしょう。現在、接種を行っている医師の多くは公表を望まないと思われます。何故なら事故後の補償が十分でなければ、接種はできるだけ避けたいと思うのが当然です。私たちの内何人かの医師は接種を行っていますが、できれば接種を避けたいと思っており、さらに接種を行っている機関として公表されたくないと明言しています。公表されると普段かかりつけでない人でワクチンのみを希望する人がきっと来ると予想され、またそのような人に限って、事故後のトラブルの不安が増大するものです。  1997年1月、A香港型インフルエンザが流行した時、各地の老人ホームでインフルエンザによると思われる死亡者が続出し、厚生省は老人へのインフルエンザワクチン接種を勧める通達を出しました。インフルエンザワクチンの効果を認め、勧めておきながら、費用は個人に、実施に当たっては医師にすべての責任を押しつけるという、いかにも無責任な厚生省の姿勢を示しています。 欧米先進国の例を見るまでもなく、国自身が先頭に立ってインフルエンザの感染を予防するための努力をすべきであるのに、このようなお粗末な対処でお茶を濁そうというのなら日本のインフルエンザ対策は極めて貧弱であるといわれても仕方のないことでしょう。厚生省は本当に国民の健康を考えているのでしょうか。 日本は1994年に、学童のインフルエンザワクチンの集団接種を中止して以来、老人、ハイリスク群への接種はほとんど実施されないまま、小児の接種率も大幅に低下してしまいました。新型インフルエンザの出現が予想される状況にありながら、日本はインフルエンザに対して、全くの無防備な状態であります。 インフルエンザワクチンの効果については多くの論議がなされましたが、その問題は現在ほぼ決着しています。A型インフルエンザには、ワクチン株と流行株間の抗原性のずれが少なく、かつタイムリーに接種されていれば80%は罹患することを免れることができ、残りの20%の人々は、罹患しても重症化する事はないといわれています。多くの研究がインフルエンザワクチンの高い予防効果を示し、国際的にも裏付けられています。インフルエンザには死に至る重篤な合併症があり、ワクチン接種がそれらを防ぐ唯一の方法であることは多くの報告より明らかなことです。にも関わらず、インフルエンザワクチンの有効性について有効だ無効だといまだに議論しているのはわが国くらいです。欧米では多くの国で有効性のデータをもとに、インフルエンザワクチンの無料接種を行い積極的に接種を進めています。それらの国々と比べると日本の接種率は異常なほど低くなっています。 このように先進各国のインフルエンザワクチンに対する力の入れ方を見ればわが国の取り組みの遅れがいかにお粗末きわまりないものであるかよくおわかりのはずです。このままインフルエンザ対策が放置されれば、毎年わが国はインフルエンザにかかる膨大な費用を失い、国民は享受すべき健康を、また、下手をすると命を失うことになりかねません。 急がれる対策の中でも最も大きな問題は新型インフルエンザウイルスの出現です。10年から40年周期に新しいウイルスが出現するといわれています。誰もがその抗体を保有していないこのインフルエンザウイルスが出現すれば世界中で何十万人という犠牲者が出る可能性があります。我が国の被害も甚大なものになりましょうインフルエンザの国際会議ではこの新型のウイルスが早ければ数年以内に出現するということで一致しました。欧米各国はすでにこれに対して、専門家を集めて熱心に対策を協議しております。さて日本ではどうなのでしょうか。 昨年、香港で鶏のインフルエンザがなぜか人に感染して、大騒ぎになったのは記憶に新しいことですが、もしもこれが多数の人に感染する新型インフルエンザだったら。それを考えると、本当にぞっとします。多分非常に多くの犠牲者が出たと思われます。この時点で、日本では新しいインフルエンザワクチンを早急に開発する能力はすでにありませんでしたその理由は日本がすでにインフルエンザワクチンを作る体制をほとんど捨て去ってしまっているからです。新型インフルエンザに対するワクチンを作るのは並大抵のことではありません。ワクチンができたとしても、日本では最悪3000万人が感染するといわれていますが、十分な量のワクチンが確保される体制は既にありません。再生産するにしても施設や人員の確保、国民のワクチン接種の優先順位など,行政が解決すべき問題がたくさんあります。現在5つのメーカーの生産体制は50万人分ぐらいだそうです。それはかつての1/40であり、ワクチンの生産に必要な有精卵の生産体制を再び立て直し、増産できるようになるまでに1年はかかるといわれています。国民の健康管理対策として、少なくとも1000万人分のワクチン生産態勢を今から整えておかなければいざというときに間に合わないことは明白であります。行政としてインフルエンザワクチン対策を確実に来るその時のために確立しておかなければなりません。 早急にインフルエンザワクチンを予防接種法に再認定して、接種事故に対する補償制度の確立とワクチンの無料化を断行すべきであります。そして出来るだけ早期に老人とハイリスク群への接種を開始し、毎年の接種率を高め、その結果として、新型インフルエンザウイルスを含めたワクチンの生産能力と接種システムの再構築をはかることが急務と考えます。

固定リンク

  7月31日講演Ⅱ 「社会保障ニューディール政策 桜井 充 

   参議院議員

             適切な医療費を考える議員連盟会長

    医療の評価には3つ有ります。1つ目はいかに医療費が掛っているかのコスト、2つ目が、自分が病気になった時、どの位の時間で診療を受けられるかのアクセス、そして医療の質「クオリティ―」です。日本では良く3時間も待たされると言われます。実は世界の国々は何日も待たされているのです。例えばアメリカでは病気になったら加入の保険会社に電話して症状から「受診出来ます」の答が返って来るのは良い方で、撥ねられる場合さえ有ります。手術の必要な虫垂炎でさえ「6日後に来い」と言われ何日も待たされます。待たされないのは日本だけです。日本の一人あたり外来受診回数は1位で、乳幼児死亡率もアメリカ7.8人に対し日本は3.8人の世界で一番安心して出産が出来ます。健康寿命でも男性・女性ともに世界1位です。日本はコスト、アクセス、クオリティの総合で世界NO1の評価を得ています。日本は医療にGDP比8.1%で1位16%のアメリカの半分です。日本のGDPは500兆で医療の35兆で割ると7%、それに介護の費用を入れて8.1%の世界で21位です。日本より少ないイギリスはドイツ・フランス並の10%まで増やそうとしています。低い医療費を、さらに抑制する日本は世界では異様な国です。アメリカはリーマンショックで日本のバブル崩壊後と同じく経済の減速が始まりました。日本の銀行はバブル崩壊後、不良債権処理で痛みましたがアメリカは表面下で処理しようとして銀行は不良債権を抱え処理は終わっていません。アメリカでは自動車や家電等の3年以上使える耐久財の売上が急激に落ち大変になりました。経済の減速時、耐用材を扱う産業は影響を受けます製薬を含め非耐用材分野は大きな影響を受けません。輸出関連納税額はリーマンショック前は1位が自動車、2位が電気で3位が製薬の順でした。ショック後は自動車産業が1/10,電気業界は1/2以下に落ち込みましたが製薬はわずかで済んでいます。日本はこれから内需拡大が必要と言われています。同時に外需としての外貨を稼ぐ製薬や医療産業も大切にすべきです。政府は自動車でエコカー減税、家電でエコポイントの補助金を出しました。しかし製薬関係に対しては保険点数5千億を減額する為にジェネリック薬の使用を強い製薬産業が生き延びる政策をしていないのは問題です。東海道新幹線、東名高速それに山陽新幹線を作った時の公共事業は経済普及効果が有りました。今の公共事業は経済効果が低いのです。社会保障の充実がなければ産業に与える影響も悪くなります。これからは医療や介護に力を入れて行くべきです。雇用先として公共事業は受け皿になっていない。雇用誘発係数では介護、医療福祉がダントッです。それでは病院が受け皿になるのでしょうか。100床あたりの医師数はアメリカの76人に対して日本は15人で1/5です。看護師の数や無資格の病院の職員数にしても1/5です。有資格者はすぐには増やせませんが、無資格者は簡単に増やせる状況です。日本は病院全職員数さえ少ないのだから、医療費を増やし、ここを雇用の受皿にしたらすべきです。どうすれば職員の数が増えるかと云うと看護師点数と同じように職員点数を置けば簡単です。今の入院基本料は基本的に看護師数だけで決まっている。71にしたら収入は増えます。71にしたいが地方では、看護師が集まらず仕方なく151にしている。私の提案は、看護師数だけで決めるのではなく職員数も含めて患者当り何人なっているかで入院基本料を引き上げる。職員点数を守れば入院基本料を上げる。勿論、看護師数と職員数の割合は定めて置く。医療費を増やしたイギリスでは雇用はどうなっているのかを見ると、最初の5年間は余り増えていないが10年間では、2割増えています。イギリス医療に見切りをつけて海外に行っていた医師が戻ったり旧植民地から引き抜いたりで24%増えている。手本にすべきイギリスは医療費を増やし雇用の受け皿にしているのです。日本でも同じことが可能です。今、日本は国債の発行高から言っても財政再建はしなければなりません。しかし財政破綻したアルゼンチンやギリシャとは構造が違います。借金の数は某大ですが国債は殆ど日本国民が買っています。そんな国が破たんした例はありません。アメリカはドルで借金をしていますが自国民だけで買い支えられず日本や中国が買っています。アルゼンチン国債は自国だて通貨を発行できず他国民が買い破綻しました。借金が増え社会保障費が重くなっているのに医療費を増やすと国の財政は悪くなると言われている。しかしアメリカ、フランスそしてドイツは対GNP比10%を超える医療費を使っています。それでも国家財政は悪くはない。医療費が増えているから国家財政が悪くなるのは嘘です。日本は平成9年に消費税を上げました、翌年どうなかったというと景気が悪くなって国債の発行額が34兆円、その次の年は37兆円必要でした。つまり消費税が本当に財政再建に資するかという事は疑問です。決して医療費が国家財政を悪くしない事実をイギリスのブレア政権が証明しています。サッチャー政権の時代は社会保障費を抑制し過ぎました。その結果、公的な保険で治療を受けている人達、例えば入院待ちの患者さんが100万人を超えたとか、癌と診断され手術を受けるまでに半年以上待たされたとかの問題でブレア政権が誕生した。ある意味、後期高齢者問題で政権交代した日本とよく似ています。ブレア政権が医療費を増やし続けて借金は増えず、むしろ下がるか横這いでした。理由は雇用がちゃんと確保された事と医療が産業として回り始めたからです。ナショナルへルスサービスは、無料ですから患者が殺到、全ての人がナショナルへルスサービスでは十分な医療が受けらない。大部分は料金の高いプライベートホスピタルに行きます。そうした事が医療経済を改善させ国家財政に寄与したのです。日本もイギリスを見習い医療費を増やすべきです。医療は動物実験で治験を行い薬の効果を確かめられます。しかし増税したらどうなるかの社会実験はしてはいけない。社会実験をおこなったのが武中平蔵さんです。政策がいいか悪いかは過去を調べる。消費税も増税も同じです。同じ島国のイギリスが医療費を増やしも借金は増えなかった。時間が無くなりましたので、有床診療所が何故必要かと言う話を致します。今の医療は大きく方向転換しています。私が学生時代に教えられた医療は命が継続する可能性があればとことん戦う事が至上命令でした。今は看取の医療という概念が出来て、患者さんの意向を組む方向に変わりました。私を看取って下さいと言う人達に大病院で治療をするのが果たして良い事ではないと多くの医師が理解しています。資源の無駄遣いだからです。医療の方向性に従い医療体制も大きく方向展開すべきです。患者は掛かりつけ医に最期までみてもらうのが一番と思っています。地域の医療を支えている近くの有床診や小さな病院で最後を診てもらう事が本当の姿ではないでしょうか。それから今の介護も含めて本当に在宅を実現できる環境が整っているとは思えません。在宅が無理になり施設に入って下さいと言われても空きが有りません。有床診の医師に聞いた話ではベッドには比較的余裕があり1週間位の入院なら、有床診を使うのも可能な様です。介護者のレスパイととして介護施設に入れるのも一つですが、医療を必要とするほどの状態ではないけれど有床診を使うのも許されると思います。介護施設は急性期病院からの受け入れ施設とは考えておりません。何時、急変するかも分からないからです。そのような人達は日頃から診てきた掛かり付けの有床診が相応しいと思います。ある先生が有床診はビジネホテルス並と言われました、私はむしろカプセルホテル並みの入院料と言っています。今の様な低い点数でもって3食付で経営して行ける訳が有りません。これは郵便局と通じます。あの郵便局のネットワークは、明治時代に国営でネットワークを作らなければならない時、皆が寄付して出来上がったのです。全国津々浦々に張り巡らされた血脈のネットワークを壊しもう一回ネットワークを作りなおすには本当に多額の税金が必要です。それと同じように有床診を壊して、もう1度、地域の患者をみなければいけないので、再度少しずつベッドをもって下さいと言われても作れません。今の診療報酬の点数では絶対に無理だと思います。有床診療所への診療点数は雀の涙程上がりました。しかし問題は医療提供体制の中の重要項目に地域医療が入っていなかった事です。大学病院には診療報酬点数が1000億行きました。本来、大学病院は文部科学省の病院であって運営交付金で成り立つようにしていかないといけない病院です。大学病院を独立法人にする時に約9000億の借金を抱え稼がなければならないシステムになっている。ここが根本的に間違っています。運営交付金の中から毎年約400億の金を借金の利払いに回している。ここで今9000億円の借金をチャラにしたら病院経営はがらりと変わる。そのうえで大学病院は、特定機能の役割と教育機関の役割を果たせばよいのです。大学病院は三次救急病院であって、そして二次病院がある。どこが手術をしてどこが機能回復を行うかの絵をもう一度、書き直す必要があります。勝負は来年、再来年の介護との一体改革でどうするか。今、介護の現場の状況は悲惨です。療床病床には介護と医療の療床があります。その両者を一緒にするのは良いが、問題は老健の一部に移行させると言う事です。今、療養病床が足りない事を現場で知る必要が有ります。老健は介護と医療の間ですから、手の掛かる人達を老健は経営上も置きたくない。そこで特養と言う事になるが、医療の必要な人を医師もいない特養で見るのは職員にとって大変なストレスです。この様なゆがんだ構図では事は旨く運びません。ここに有床診がどうかかわってくるかがカギになります。診療報酬を上げたり、人員基準を緩和するなどの処置も必要になると考えます。地方には看護師がいないのですから。看護師の数だけで点数をつけるのは大変です。今、私は民主党の中の医療費を考える会の会長をしており、医療の問題をとり上げています。適正な医療を考える議員連盟185人の議員がこの議連に入っています。今チーム分けをして秋にかけて本格的にさまざまな分担を決めて総合的な政策をつくっていきたいと思っています。有床診療所協議会の先生たちにも知恵を出してもらって色々な形でデスカッションをさせて頂きたいと思います。少しは私も現場を踏んでいますが、まだまだ細かい事は分かっておりません。皆さんと供に国民にとって良い医療体制を作って行きたいと思います。

8月1日 

シンポジュウム「地域医療を守る有床診療所に未来を!」   民主党政権と日医が方向づける有床診療所の未来」 

 

 渡辺俊介  東京女子医科大学教授・厚労省社会保障審議会委員

  

 民主党の医療制度改革での有床診との関わり及び重要性についてお話します。民主党政権の医療制度政策は昨年の衆議院選挙と今回の参議院選挙のマニフェストは変わっていません。今年になり仙谷現官房長官を中心に成長戦略としての医療政策をまとめています。これについて述べながら有床診の有り方を考えてみます。民主党のマニフェストには国民医療費を対GDP比で今の8%から、2025年には8.9%まで増やすと有ります。仙谷さんは予算を10%にすべきと言っていましたが問題は財源であるため菅直人首相が消費税アップに触れたことは、ご存じの通りです。財源確保には成長戦略が必要ですが当然消費税率、や法人税率、所得税も上げる必要もある。成長によって国民所得は増えて同じ税率でも、医療費の財源も増えるわけで当然成長することも大切です。その為には3つの道があります。第1の道がかっての自民党政権が行った財政主導による公共事業、つまりゼネコンを中心にして道路、ダム、橋の建築でコンクリートや鉄鋼業界が儲かり経済への波及効果を期待しました。しかし失敗して赤字国債が溜り平成8年をピークに経済成長はマイナスになりました。そこで2001年4月に登場した小泉首相は財政出動による経済成長を放棄し、規制改革による経済成長を目指す第2の道を選択しましたが一部の分野では成功したかにも見えましたが、医療分野での規制改革や社会保障の抑制という大変な、私に言わせますと竹中平蔵と共に大きな間違いを犯して経済格差を生じさせ経済は停滞してしまいました。最近になり菅直人総理大臣が第3の道を模索するとして6月の首相初めての所信表明で雇用に重点を置いた政策を取ると宣言しました。医療、介護、保育は慢性的に人手不足になっている。ここに、重点的にお金を投入して人を集め雇用を増やし社会保障を強化しながら強い経済、強い財政を生み出す。これが第3の道です。民主党政権および厚生労働省も成長戦略として医療、介護、健康関連分野を充実させる事で成長を目指すのだと言っているのです。その方法論として4つ挙げています。1つ目は地域密着で医療、介護を中心に人を集め仕事口を作り成長させる。足立信也厚労政務官は4月に戦略チームのヒアリングで、医療・介護分野の就労人口は今年2月の時点で659万人と史上最高になっており、一年前に比べ42万人も増えた。かなりな雇用吸収が見込まれるのでここにお金をつぎ込むとさらに雇用が増え就業率が改善して経済が成長すると話している。2つ目が、日本の人口は減少している。昨年、生まれた赤ちゃんは107万人、亡くなった人は111万人で1年に4万人減少している。この幅の大きくなるのは間違いない。そうだからといって外国人労働者は大量には雇えない。人口減少、労働力減少社会の中で、GDPを上げて行かないといけない。前述した地域密着型雇用を拡大させる事もだが、特に若い女性、高齢者そして障害者にも働ける場を作り生産性に寄与さる。これは北欧に近い発想でスェーデン、デンマークそしてノルウェーの3国とも25%の高い消費税率でありながら医療、介護を中心に消費を拡大させGDPはベスト10に入っている。昔、日本の国民所得は世界第2位だったが今や17位に落ちた。どうにかしなければなりません。そこで3つ目として生産性のイノベーションが必要です。そこに有床診療所がクローズアップされてくるのです。ここが医療に関わるものにとっては一番重要です。厚生労働省政策最高責任者の生活統括官の言葉に地方都市では若い人の就職先として信用金庫、役場、学校ぐらいしかない。殆どが東京、大阪に行ってしまっている。医療・介護・保育・健康関連分野はこれを変える数少ない事業であるとはっきり明言しています。地元での雇用により高齢者も障害者も働ける。これは具体的なほんの一例です。医療関連政策での厚生労働省の出した文書には地域包括ケアを推進するとあります。目新しくはないが中身にはかなり新しい部分もあります。ポイントだけ言いますと在宅医療と介護サービスの連携強化です。これについては今回の診療報酬改定でも実行されました。2012年の診療・介護報酬同時改定ではさらなる在宅医療と介護サービスの連携強化。急性期医療の充実。川上から川下までのシームレスの在宅医療とリハビリの提供体制の構築です。財源問題は少し不透明になりましたがこれらの事を民主党政権はしっかり具体化していくことは間違い有りません。まとめますと医療に関しては地域医療の推進、創薬、医療機器、介護機器の開発促進、4番目にメディカルツーリズム等が民主党の医療政策です。この政策の中で有床診が、どのような役割を果たせるか、私は十分どころか十二分に可能だと思います。有床診の存在は、きわめて重要です。2年後の介護報酬、医療報酬同時改定を議論する場合に、今村先生、江口先生のすばらしい研究の実績が役立ちます。事実、それは今度の診療報酬でも評価されました。医療課長も2年後をにらんだ場合、有床診が重要な役割を果たしていく事は確かだと明言しています。皆さんはこういった民主党の医療政策に迎合するのではなくて、地域における包括ケアの中で有床診がどんな役割を果たせるかを明確に位置づけ、そしてなにができるか、そのために何が必要か、診療報酬も勿論必要になりますが行政はなにをすべきかを強く訴えて頂きたい。私もまだ厚労省社会保障審議会委員です。有床診の重要性を認識する人間として皆様からお知恵を借りて、医療機関の立場から何かを発言して行きたいと思っています。

 

韓国の有床診療所の現況と展望

 カン ボギョン 大韓医師協会国際課    韓国には日本の有床診療所に似た形態として有床院が有ります。有床院の名称も韓国の医療法上の正式な名称ではありません。ここでは便宜上、病床を保有する医院レベルの医療機関を有床院と表現します。病院が30床以上、総合病院は100床以上のベッドを持てますが有床院は29床迄です。韓国の全病床47万床の約2割の9万108床を2万4千ある有床院が持っています。有床院の約半数が9床以下の小規模施設であり20~29床の中小病院規模の有床院も37%を占めます。大韓医師協会の医療政策研究所が205カ所の医院を対象に調査した結果では、1日平均外来患者が63.6人で入院患者数は10.7人になっています。特に小児科、内科、整形外科での入院患者数は平均以上になっていました。医院の病床稼働率は50%未満です。有床院の病床保有での収益は低く、約3割が近いうちに入院施設の閉鎖または縮小を考えて居ると答えています。1989年に全国民健康保健制度が出来て医療ニーズの増大で病床の需要も増加しました。特に民間医療機関を中心に病床増加、拡充が行われ有床院の病床増加率は、全病床の増加率を上回っています。しかし政府や医療界には病床新設と運用に対する長期的なプランは無く、モニターリング体制も作られていません。病床増加には非効率な部分も多く、明確な機能分担もなされないまま、外来や入院部門で有床院と病院がともに競い合う形で病院は大規模化、先端化、高級化、救急化しています。有床院も対抗するためにこの様な流れに乗らざるを得ないと言う状態になっています。そこで医院によっては郷土会員を募り施設、装備を拡充し病院を上回る高い水準の医療機関も増えています。しかし、病院と競争しなければならない状況は、診療報酬の面で医院に非常に不利です。医院の初診料や再診料は病院に比べ低くまた入院料においても医療機関別制度が適用されて、同じ手術を行っても、医院は不利な立場におかれているからです。医療機関種別加算制度は総合病院、大型病院にとっては外来患者を出来るだけ多く集める動機を与え、軽い病気でも大病院に行く国民の大病院志向もあって医院の経営は日々厳しくなっています。もう1つ医院の経営が厳しくなった背景として2000年の医薬分業と保検産業統合によって発生した健康保険の大規模な赤字に対して健康保険財政安定化政策などがあげられます。診察料、処方料の統合、注射剤の処方・調剤料の廃止、差等報酬制度の導入や夜間加算時間の調整の強行は事実上の診療報酬の引き下げであり医院レベルの医療機関に大きなプレッシャーを与えました。健康保険財政が黒字になった今でも平均物価上昇にスライドしない低い診療報酬と財政安定化政策の中で人件費は上がり、多数の医院が倒産の危機に晒されています。また医院に限って適応されている医師ひとりの一日平均診察件数を基礎として診察料を削減する支払い規制でも年間約200億円の診療報酬が削減されており経営に大きな影響を与えています。今、政府と医療界は、医院は、予防と管理機能の外来中心、病院と総合病院は専門分野での治癒と入院中心、総合専門病院は高度な重傷治療と緊急治療、教育中心に機能分化すると機能分けによる医療提供体制の確立について議論しています。制度的な解決としては今、医院に限って適応されている差等報酬制度を軽い病気で大病院を受診する事を防ぐために、病院等への導入、診療報酬の調整、健康保険税の改善などを考えています。医療連携の確立についてはまだ具体的な案は確立されていません。医院が外来機能中心に大再編されると有床院の病床は段階的に縮小されるとの見方が強い一方では大部分の病床や医療機関がソウルなどの大都市に集中している韓国の現況は地方での医療アクセスとしての有床診院の役割は重要です。規模は縮小されるかもしれませんが、その機能は地域に密着したケアを提供する方向に向かうと思います。医療提供体系の確立が具体的になる時期には韓国でも有床院の重要な役割を探すために、韓国の有床院連絡協議会の組織が出来るものと思われます。 

固定リンク

 第23回 全国有床診療所連絡協議会 

岡山コンベンションセンター 8月1日

  

シンポジュウム「地域医療を守る有床診療所に未来を!」

     

 東京女子医科大学教授  

 厚生労働省社会保障審議会委員                                渡辺俊介   

 

 私は日経新聞社を去り、今は大学で教えています。基本は、ジャーナリストです。民主党政権の医療制度改革での有床診の関わりと重要性について私の考えている事を話したいと思います。民主党政権の医療制度政策は昨年8月の衆議院選挙のマニフェストと今回の参議院選挙のそれとは、はっきりいって変わって居りません。今年になり仙谷現官房長官が中心になり、成長戦略としての医療政策をまとめています。これについて述べながら有床診の有り方を考えてみたいと思います。まず基本的に民主党政権はどう考えているのか、去年のマニフェストには国民医療費を対GDP比で今の8%から、2025年には8.9%まで増やすと書いて有ります。仙谷さんは予算を10%にすべきと頼もしい事を言っていました。問題は財源ですので仙谷さんの親分役の菅直人首相が消費税アップに触れたことは、ご存じの通りです。財源を確保するには成長戦略が必要です。当然消費税率、あるいは法人税率、所得税も上げないといけないが成長すると国民所得が増え同じ税率であっても、医療費の財源は増えるわけですから当然成長することも大切です。成長するにはどんな方法があるかと考えた時に3つの道がある。第1の道は昔の自民党政権が行った財政主導による公共事業、つまりゼネコンを中心に道路、ダム、橋の建築です。それによりコンクリートや鉄鋼企業が儲かり経済への波及効果を期待しました。しかし殆どど失敗して赤字国債がたまりにたまり平成8年をピークに経済成長はマイナスに陥りました。そこで2001年4月に登場した小泉さんはこれでは駄目だと云う事で財政出動による経済成長を放棄し、いわゆる規制改革による経済成長をめざす第2の道を選びました。しかし他の分野では一部、成功したかにも見えましたが、医療に関しての規制改革あるいは社会保障による抑制という大変な、私に言わせますと竹中平蔵と共に大きな間違いを犯し、結局大変な経済格差が生じ平成9年をピークに日本の経済はマイナスに陥りました。そして最近になり第3の道が言われ始めました。菅直人総理大臣は6月の最初の所信表明で雇用に重点を置くと言いました。医療、介護、保育は慢性的に人手不足になっているのでここに、国のお金を重点的に使い人を集める。そうすることにより雇用が増える。これが菅さんの言っている強い社会保障が強い経済、強い財政を生み出す第3の道なのです。民主党政権および厚生労働省事務当局も成長戦略として医療、介護、健康関連分野を充実させ成長するのだと言っています。方法論に4つあります。1つ目は地域に密着した医療、介護を中心にして人を集め仕事口を作り成長させる。この事に関して足立信也厚労政務官が4月29日に戦略チームでのヒアリングを行い、要するに医療・介護については、今年の2月、史上最高となる659万人が就労しており、一年前に比べると、42万も増えた。ものすごい雇用吸収なのでここにお金をつぎ込むとさらに雇用が増え就業率も改善し経済が成長すると話しています。2つ目は、いま日本の人口は減少している。例えば昨年、生まれた赤ちゃんは107万人、亡くなった人は111万人、一年で4万人減です。この幅がますます広がってくることは間違いないがそうだからといって外国人労働者はそんなに大量には雇えません。人口減少社会、労働力減少社会の中で、日本の生産性つまりGDPを上げて行かないといけない。先に述べた様な地域密着型雇用を拡大する事である。若い女性、高齢者そして障害者にも働ける場を作り生産性に寄与させて成長する。これは北欧に近い発想です。スェーデン、デンマーク、あるいはノルウェー3つの国とも25%と言う高い消費税率でも医療、介護を中心にして消費を拡大させ一人あたりの国民所得はベスト10に入っています。かつて日本の国民所得は世界第2位でした。今や17位まで落ちています。どうにかしなければなりません。そこで3つ目として生産性のイノベーション、そこに有床診療所がクローズアップされてくるのです。今ここが医療に関わるものにとって一番重要なのです。厚生労働省の生活統括官、つまり政策の最高責任者の言った言葉ですが地方都市の現状は就職するには信用金庫、あるいは役場、学校ぐらいしかない。殆ど東京、大阪に行ってしまう。これを変えなければいけない。医療・介護・保育・健康関連分野はそれを可能にする数少ない事業であるとはっきり明言しています。地元で雇用される事で若者も高齢者も障害者も働ける。これは具体的なほんの一例です。医療関連の仕方として厚生労働省の文書に地域包括ケアを推進するとあります。目新しさは有りませんが中身はかなり新しい部分もあります。それのポイントだけ言いますと在宅医療と介護サービスの連携強化です。これも言葉だけでは抽象的すぎてわからないのですが、2012年の診療・介護報酬同時改定でのさらなる在宅医療と介護サービスの連携強化、急性期医療の機能のさらなる強化です。これについては今回の診療報酬改定でも実行されています。さらなる地域リハビリ、在宅医療の充実強化、川上から川下までのシームレスの医療、リハビリ、そして在宅の提供体制をきちんと構築する。これから9月に民主党代表選挙があって、誰が総理になるにしても民主党政権の政策として、しっかりこれを具体化していくことは間違い有りません。財源問題は少し不透明になりましたが医療・介護を中心にして地域に若者、高齢者、女性それに障害者も就業してシームレスな地域体制を作って行くという事です。要するにイノベーションでの人材の活用です。労働人口は減りますから、一人あたり1.2~できれば1.5働いてもらいたい。そういった意味で医療に関しては地域医療の推進、創薬、医療機器、介護機器の開発促進、4番目にメディカルツーリズム等が民主党の医療政策です。この政策の中で有床診が、どう云う役割を果たせるか、私は十分どころか十二分に役割を果たせると思います。有床診の存在は、きわめて重要であると思っています。さらに当面民主党政権の医療政策の実行と併行しながら2年後の介護報酬、医療報酬同時改定を議論する場合に、今村先生、江口先生のすばらしい研究の実績が役立ちます。事実、それは今度の診療報酬でも評価されています。医療課長も2年後をにらんだ場合、有床診が重要な役割を果たしていく事は確かだと明言しています。皆さんはこういった民主党の医療政策に迎合するのではなくて、地域における包括ケアの中で有床診がもっとどんな役割を果たせるか明確に位置づけ、そしてなにができるか、そのために何が必要か、診療報酬も必要になります。そのために行政がなにをすべきか、有床診は何をすべきなのかと言う事を強く訴えて頂きたい。私もまだ厚労省社会保障審議会委員ですので最近、厚生労働省課長から9月に審議会を久々に再会するとの連絡がありました。9月の代表戦、つまり新内閣の構成をまってからだと思いますが、いよいよ9月以降具体的な動き出すのかなと思っています。私自身も有床診の重要性を認識する人間として皆様からお知恵を借りて、医療機関の立場から何か発言して行きたいと思っています。

固定リンク

第3回全国有床診療所連絡協議会総会

 岡山コンベンションセンター7月31日 

 講演:社会保障ニューディール政策

参議院議員 桜井 充 

   適切な医療費を考える議員連盟会長   

医療の評価に3つ有り、1つ目がいかに医療費が掛っているかのコスト2つ目が、自分が病気になった時、どの位の時間で診療を受けられるかのアクセス、そして医療の質「クオリティ―」です。日本では良く3時間も待たされると言われます。実は世界の国々は何日も待たされているのです。例えばアメリカでは病気になったら加入の保険会社に電話して症状から「受診出来ます」の答が返って来るのは良い方で、撥ねられる場合さえ有ります。手術の必要な虫垂炎でさえ「6日後に来い」と言われ何日も待たされます。待たされないのは日本だけです。日本の一人あたり外来受診回数は1位で、乳幼児死亡率もアメリカ7.8人に対し日本は3.8人の世界で一番安心して出産が出来ます。健康寿命でも男性・女性ともに世界1位です。日本はコスト、アクセス、クオリティの総合で世界NO1の評価を得ています。日本は医療にいくらお金を使っているかと言うと、GDP比16%で1位のアメリカの半分の8.1%です。今、日本のGDPは500兆で、医療は35兆、それで割ると7%、それに介護の費用も入れて8.1%の世界で21位です。イギリスは日本より少ないにも拘らずドイツ・フランス並の10%位に増やそうとしています。低い医療費にも拘らず、さらに抑制をしようとしている日本は世界から見ると異様な国です。アメリカではリーマンショックで日本のバブル崩壊の時と同じ事が起きて経済の減速が始まりました。日本の銀行はバブル崩壊後、不良債権処理で痛みました。ところがアメリカは事態を表に出さず表面下で処理しようとし不良債権を銀行が抱えて処理は終わっていません。アメリカでは耐久財の売上が急激に落ち大変になりました。耐久財とは3年以上使える自動車や家電等です。日本も耐久財の消費が落ち込み、トヨタ・パナソニック・ソニーが壊滅的打撃を受けトヨター41%パナソニックー28.9% ソニーはー14.3%です。しかし非耐久財は殆ど落ちていない。日本代表をする製薬メーカーの米国での売り上げは武田がー8%、アステラスー2.4%であり第一三共は国内で+1.6%です。経済の減速時、家電や自動車の産業は、大きな影響を受けますが製薬を含め医療分野は大きな影響を受けません。輸出関連の納税額ではリーマンショック前は1位が自動車、2位が電気で3位が製薬の順でした。ショック後は自動車産業が1/10,電気業界は1/2以下に落ち込みました。製薬はわずかで済んでいます。日本はこれから内需拡大が必要と言われていますが同時に外需としての外貨を稼ぐ製薬や医療産業も大切にすべきです。政府は自動車でエコカー減税、家電でエコポイントの補助金を出しました。しかし製薬関係に対しては保険点数5千億を減額する為にジェネリック薬の使用を強いて製薬産業が生き延びる政策を行っていないのは問題です。東海道新幹線、東名高速それに山陽新幹線を作る時期の公共事業は経済普及効果が有りましたが、今やっている公共事業では経済効果は低いのは明らかです。社会保障の充実がなければ産業に与える影響も悪くなります。これからは医療や介護に力を入れて行くべきです。雇用先として公共事業は受け皿になっていない。雇用誘発係数で見ると一番が介護、3番が医療福祉です。それでは病院が受け皿になるのか。100床あたりの医師数はアメリカの76人に対して日本は15人で1/5です。看護師の数や無資格の病院の職員数にしても1/5です。有資格者はすぐには増やせませんが、無資格者は簡単に増やせる状況です。私は世界から見ても病院職員数さえも少ないのだから、医療費を増やし、ここを雇用の受皿にしたら良いと財務省に言っています。どうすれば本当に職員の数が増えるかと言われたので看護師点数と同じように職員点数を置けば簡単な話であり、職員点数を守れば入院基本料を上げる。今の入院基本料は基本的に看護師数だけで決まっている。71にしたら収入は増えます。71にしたいが地方では、看護師が集まらず仕方なく151にしている。私の提案は、看護師数だけで決めるのではなく職員数も含めて患者当り何人なっているかで入院基本料を引き上げる。勿論、看護師が殆どいなくて職員数だけにならない様に看護師数と職員数の割合は定めて置く。イギリスは医療費を増やして来たが雇用はどうなっているのかを見ると、最初の5年間は余り増えていないが10年間では、2割増えています。イギリス医療に見切りをつけて海外に行っていた医師が戻って来たり旧植民地から引き抜いたりで24%増えている。手本にすべきイギリスは医療費を増やし雇用の受け皿にしています。日本も同じことが可能です。今、日本は国債の発行高からも財政再建をしなければならないが財政破綻したアルゼンチンやギリシャとは構造が違います。借金の数は某大ですが国債は殆ど日本国民が買っています。そんな国が破たんした例はありません。アメリカはドルで借金をしていますが自国民だけで買い支えられず日本や中国が買っています。アルゼンチン国債は自国だて通貨を発行できず他国民が買った。それで破たんした。借金が増え社会保障費が重くなっているのに医療費を増やと国の財政は悪くなると言われている。しかしアメリカ、フランスそしてドイツは対GNP比10%を超える医療費を使っています。それでも国家財政は悪くはない。医療費が増えているから国家財政が悪くなるのは嘘です。日本は平成9年に消費税を上げました、翌年どうなかったというと景気が悪くなって国債の発行額が34兆円、その次の年は37兆円必要でした。つまり消費税が本当に財政再建に資するかという事は疑問です。決して医療費が国家財政を悪くしない事実をイギリスのブレア政権が証明しています。サッチャー政権の時代は社会保障費を抑制し過ぎました。その結果、公的な保険で治療を受けている人達、例えば入院待ちの患者さんが100万人を超えたとか、癌と診断され手術を受けるまでに半年以上待たされたとかの問題でブレア政権が誕生した。ある意味、後期高齢者問題で政権交代した日本とよく似ています。ブレア政権が医療費を増やし続けて借金が増えたかと言うと、むしろ下がるか横這いでした。つまり医療費を増やしたからと言って必ずしも国家財政は悪くなっていない。その理由は雇用がちゃんと確保された事と医療産業として国が回り始めたことです。ナショナルへルスサービスは、無料ですから患者が殺到し全ての人がナショナルへルスサービスでは十分な医療が受けらないので大部分が料金の高いプライベートホスピタルに行きます。そうした事が医療経済を改善させ国家財政に寄与したのです。日本もイギリスを見習い医療費は増やしても構わないと考えます。医療は動物実験で治験を行い薬の効果を確かめられます。しかし増税したらどうなるかの社会実験はしてはいけない。社会実験をおこなったのが武中平蔵さんです。政策がいいか悪いかは過去を調べる。消費税も増税も同じです。同じ島国のイギリスが医療費を増やしも借金は増えなかった。医療費を増やしてもなんら問題はないのです。時間が無くなりました。ここで有床診療所が何故必要かと言う話を致します。われわれが学生時代に教えられた医療と今の医療は大きく方向転換しています。以前、私が学んだ頃の医療では命が継続する可能性があればとことん戦えと教えられました。しかし、今は看取の医療という概念が出て来て、患者さんの意向を組む方向に変わってきています。私を看取って下さいと言う人達に大病院で治療をするのが果たして良い事ではないと多くの医師は分かっていると思います。資源の無駄遣いです。そのように医療が方向の展開をして行くのであれば、医療体制も大きく方向展開すべきです。患者にとってみれば掛かりつけ医が最期までみてもらいたいと思うのが一番いい事だと思います。地域の医療を支えている近くの有床診や小さな病院で最後を診てもらう事が本当の姿ではないかと考えます。それから今の介護も含めて本当に在宅を実現できる環境が整っているとは思えません。在宅が無理になり施設に行って下さいと言われても空きがないので難しい。私の知っている有床診の医師仲間に聞いた話ではベットには比較的余裕があり1週間入院させて欲しいと言われた場合、有床診を使うのも可能な様です。介護疲れの人たちに対する対策として介護施設に入れるのも一つですが、医療を必要とするほどの状態ではないけれど有床診を使うのも許されると思います。介護施設は急性期病院からの受け入れ施設とは考えておりません。何時、急変するかも分からないからです。そのような人達は日頃から診てきた掛かり付けの有床診が相応しいと思います。ある先生が有床診はビジネホテルス並と言われました、私はむしろカプセルホテル並みの入院料と言っています。今の様な低い点数でもって3食付で経営して行ける訳が有りません。これは郵便局と通じます。あの郵便局のネットワークは、明治時代に国営でネットワークを作らなければならないず皆に寄付をして貰って出来上がって来たのです。全国津々浦々に張り巡らされた血脈のネットワークを壊しもう一回ネットワークを作りなおすには本当に多額の税金が必要です。それと同じように有床診を壊して、もう1度、地域の患者をみなければいけないので、再度少しずつベッドをもって下さいと言われても作れません。今の診療報酬の点数では絶対無理だと思います。だからいまこそ医療提供体制としてしっかり役割分担を決め、守るべき物は守っていかないといけない。有床診療所への診療点数は確かに雀の涙程上がりましたが最大の問題は重要項目の中に地域医療が入っていなかった事です。大学病院には診療報酬点数で1000億行きました。本来、大学病院は文部科学省の病院であって運営交付金で成り立つようにしていかないといけない病院です。大学病院を独立法人にする時に約9000億の借金を抱え稼がなければならないシステムになっている。ここが根本的に間違っています。運営交付金の中から毎年約400億の金を借金の利払いに回している。ここで今9000億円の借金をチャラにしたら病院経営はがらりと変わる。そのうえで大学病院は、特定機能の役割と教育機関の役割を果たせばよいのです。たとえば東北大学は金を、稼ぐ為にショートスティサージャリ―を始めたのです。盲腸、胆石などの手術をやっています。これは民営圧迫の何物でもない。資源の最大の無駄使いです。大学病院は次のステップで三次救急病院であって、そして二次病院がある。どこが手術をしてどこが機能回復を行うかの絵をもう一度、書き直す必要がある。この点数を少しだけ上げましょうとかでなく、根本的に変わらないと、勝負は来年、再来年の介護との一体改革でどうするか。今、介護の現場の状況は悲惨です。療床病床には介護と医療の療床があります。その両者を一緒にするのは良いが、問題は老健の一部に移行させると言う事です。今、療養病床が足りない事を現場で知る必要が有ります。老健は介護と医療の間ですから、手の掛かる人達を老健は経営上も置きたくない。そこで特養と言う事になるが、医療の必要な人を医師もいない特養で見るのは職員にとって大変なストレスです。この様なゆがんだ構図では事はうまく運びません。この様なところをセットで変えていかなければなりません。ここに有床診がどうかかわってくるかがカギになります。その上で保険点数と人の配置を考えなければならない。特に地方には看護師がいないのですから。看護師の数だけで点数をつけるのは大変です。今、私は民主党の中の医療費を考える会の会長をしており、医療の問題をとり上げています。適正な医療を考える議員連盟185人の議員がこの議連に入っています。今チーム分けをして秋にかけて本格的にさまざまな分担を決めて総合的な政策をつくっていきたいと思っています。有床診療所協議会の先生たちにも知恵を出してもらって色々な形でデスカッションをさせて頂きたいと思います。少しは私も現場を踏んでいますが、まだまだ細かい事は分かっておりません。皆さんと供に国民にとって良い医療体制を作って行きたいと思います。

 

固定リンク

第23回全国有床診療所連絡協議会総会講演より

平成22年7月31日、8月1日 岡山コンベンションセンター

大韓医師協会国際課   姜 ボギョン

 韓国には日本の有床診療所に似た形態として有床院が有ります。有床院の名称も韓国の医療法上の正式な名称ではありません。ここでは便宜上、病床を保有する医院レベルの医療機関を有床院と表現します。病院が30床以上、総合病院は100床以上のベッドを持てますが有床院は29床迄です。韓国の全病床47万床の約2割の9万108床を2万4千ある有床院が持っています。有床院の約半数が9床以下の小規模施設であり20~29床の中小病院規模の有床院も37%を占めます。大韓医師協会の医療政策研究所が205カ所の医院を対象に調査した結果では、1日平均外来患者が63.6人で入院患者数は10.7人になっています。特に小児科、内科、整形外科での入院患者数は平均以上になっていました。医院の病床稼働率は50%未満です。有床院の病床保有での収益は低く、約3割が近いうちに入院施設の閉鎖または縮小を考えて居ると答えています。1989年に全国民健康保健制度が出来て医療ニーズの増大で病床の需要も増加しました。特に民間医療機関を中心に病床増加、拡充が行われ有床院の病床増加率は、全病床の増加率を上回っています。しかし政府や医療界には病床新設と運用に対する長期的なプランは無く、モニターリング体制も作られていません。病床増加には非効率な部分も多く、明確な機能分担もなされないまま、外来や入院部門で有床院と病院がともに競い合う形で病院は大規模化、先端化、高級化、救急化しています。有床院も対抗するためにこの様な流れに乗らざるを得ないと言う状態になっています。そこで医院によっては郷土会員を募り施設、装備を拡充し病院を上回る高い水準の医療機関も増えています。しかし、病院と競争しなければならない状況は、診療報酬の面で医院に非常に不利です。医院の初診料や再診料は病院に比べ低くまた入院料においても医療機関別制度が適用されて、同じ手術を行っても、医院は不利な立場におかれているからです。医療機関種別加算制度は総合病院、大型病院にとっては外来患者を出来るだけ多く集める動機を与え、軽い病気でも大病院に行く国民の大病院志向もあって医院の経営は日々厳しくなっています。もう1つ医院の経営が厳しくなった背景として2000年の医薬分業と保検産業統合によって発生した健康保険の大規模な赤字に対して健康保険財政安定化政策などがあげられます。診察料、処方料の統合、注射剤の処方・調剤料の廃止、差等報酬制度の導入や夜間加算時間の調整の強行は事実上の診療報酬の引き下げであり医院レベルの医療機関に大きなプレッシャーを与えました。健康保険財政が黒字になった今でも平均物価上昇にスライドしない低い診療報酬と財政安定化政策の中で人件費は上がり、多数の医院が倒産の危機に晒されています。また医院に限って適応されている医師ひとりの一日平均診察件数を基礎として診察料を削減する支払い規制でも年間約200億円の診療報酬が削減されており経営に大きな影響を与えています。今、政府と医療界は、医院は、予防と管理機能の外来中心、病院と総合病院は専門分野での治癒と入院中心、総合専門病院は高度な重傷治療と緊急治療、教育中心に機能分化すると機能分けによる医療提供体制の確立について議論しています。制度的な解決としては今、医院に限って適応されている差等報酬制度を軽い病気で大病院を受診する事を防ぐために、病院等へ導入したり診療報酬の調整、健康保険税の改善などを考えています。医療連携の確立についてはまだ具体的な案は確立されていません。医院が外来機能中心に大再編されると有床院の病床は段階的に縮小されるとの見方が強い一方では大部分の病床や医療機関がソウルなどの大都市に集中している韓国の現況は地方での医療アクセスとしての有床診院の役割は重要です。規模は縮小されるかもしれませんが、その機能は地域に密着したケアを提供する方向に向かう思います。医療提供体系の確立が具体的になる時期には韓国でも有床院の重要な役割を探すために、韓国の有床院連絡協議会の組織が出来るものと思われます。

固定リンク

介護保険情報 2009年

介護サービス利用者数  468万74人

                                       昨年比17万人増

    2000年 利用者数  149万人

 訪問看護         117万人   (前年比 9千人増)

 通所介護         133万人   (前年比 7万人増)

 特別養護老人ホーム   53万人

 介護老人保健施設    48万人

 介護療養型医療施設   15万人  (昨年比 1万人減)

介護保険総費用      7.9兆円

1人当り費用平均   15万7300円 (昨年比6100円増)

 介護サービス費    1位  沖縄県 20万9500円

 介護予防サービス費 1位  福井県  4万3600円 

特老待機者 42万人 

 

介護保険料全国平均   41600円

介護職員 124万人 (平成17年) 

介護職員賃金

 平均賃金は前年比0.7%増の月21万6489円。職種別では、ケアマネジャーが月26万712円、介護職員は月19万6013円、訪問介護員が月19万1485円だった。

 

 

 

 

 

固定リンク

B型肝炎訴訟は和解協議へ向けが閣僚合意した。今後は救済範囲などを詰める。乳幼児期の集団予防接種などでB型肝炎に感染したとして患者らが国を訴えた集団訴訟で、鳩山由紀夫首相は9日、和解協議に応じる方向を決めた。救済範囲や賠償額については双方の主張に隔たりがある。集団訴訟は2008年3月の札幌以来、東京、新潟、大阪、広島、福岡など10地裁で計420人が損害賠償を求め提訴した。札幌、福岡両地裁が今年3月に和解を勧告。政権は「いのちを守る政治」をスローガンにする以上は和解のテーブルに着くことは避けられないと判断し担当閣僚が協議を続けていた。鳩山首相の出席のもと長妻厚労相、平野博文官房長官、菅直人副総理兼財務相そして千葉景子法相らが協議、最終的に和解協議に入る方向でまとまった。 厚労省によると、B型肝炎による肝がんや肝硬変、慢性肝炎の患者は9万人。症状が出ていない感染者は100万~130万人と推定される。薬害C型肝炎の被害者の救済法が2008年1月に成立しており、感染原因は違うが、対応に差をつけることは国民の理解が得られにくい。また、夏の参院選を前に、野党から「いのちを守る政治」との整合性を突かれる可能性もあり、政権は協議入りに傾いた。救済の範囲と補償の水準をめぐっては、原告と国との間の溝は深い。調整役の仙谷氏は会合後、記者団に対して「もう少し詰めないといけない問題が多々ある」と述べ、札幌地裁の次回期日の14日まで関係閣僚による話し合いを続ける方針を明らかにした。和解協議の中で大きな論点になるとみられるこれらの点について、協議に入るに当たってどのような姿勢で臨むか最終的な詰めを急ぐ。

昔は痛かった

昔は子どもがぐずると親は「医者どんに注射をしてもらうぞ」と脅したものだ。しかし今は注射針は細く先端が鋭いので、あまり痛くない。脅しも昔ほどは効果が薄れた。私の小学生の頃の注射はものすごく痛かったのを覚えている。医院の窓際には決まって注射器や注射針を入れたケッテルがぐらぐら湯気を立てていた。針にしても注射筒にしても使う度に煮沸消毒しては冷まし、何回も使った。今のようにディスポーザブルの器具は無かった。注射針は何回も使っているうちに先がちびて来る。何人かに使った後は先が大変であった。生徒を並べて同じ注射器と針で次々に流れ作業で注射していく。注射は交換等しない。最初の人は良いが何人目かになると針の先がちびて刺さりにくくなる。ザクッと引っかかる音がするほどに刺さりにくくなりその分、痛みも強かった。その頃注射針の血液汚染を介した感染症が解明されていたはせいぜい梅毒ぐらいで、今のようにウイルス肝炎やエイズの危険も言われていなかった。今から考えるとなんと無謀な事をしていたことか。危険は血糖測定用のディスポーザブル微量採血器具の場合の比では無かったはずだ。国はこのことを充分考えて肝炎対策に取組まなければならない。不公平は許されない。

 

固定リンク

世間でよく終わりよければ全てよしと簡単に口に出すが、様々な状況や条件の中での個々人にとっては人生の終わりを如何に生き、それを家族がどのように支えるかは、なかなか難しい問題である。例えば介護老人施設で脳卒中を起こし食べれなくなった時、どのように栄養を与え生かすかは大きな問題である。医療としては鼻から胃に管を通すか、腹から胃に穴を開け流動食を流し込む方法や大きな静脈から点滴する方法もあるが家族の希望をかなえ医療・介護スタッフが力を合わせ自分で食べられるようにする方法もある。この場合、医療と言うより介護の力が大きくなる。患者家族は少しでも長く生きたい生きて欲しいと願うのは当然の事である。よき終わりを迎えるには医療より介護の力が物を言う。食べたり、トイレに行ったり人間らしい暮らしを手助けするのは介護である。この点をしっかり捉えて死ぬのを待つのではなく毎日を前向きに生きる目標は達成できない。そのような理念を掲げ介護保険制度が出来て10年が過ぎた。日本の高齢化率は25%に達する75歳以上の後期高齢者が急増し一人暮らしのお年よりも470万人になろうとしている。要介護者は470万人で介護サービス給付費も6兆円と当初の2倍に成っている。家族に頼っていた高齢者介護に公的サービスが増え助かったとの声も多いが仕事をしながらの介護には不充分との指摘もある。老々介護や老親の介護での介護離職などから高齢者虐待、殺人や無理心中も後を絶たない。介護保険制度は高齢者ケアの中心であるが保険料や税金負担の問題や介護基盤整備での施設数の問題など限界があり全てを解決できない。誰もが地域で安心して暮らしていけるためには住民らの連携による街づくりも欠かせない。街づくりには有料老人ホームなどの高齢者向け住まいの確保24時間対応の診療所、訪問看護ステーション、通所、訪問、泊まりなど多様なサービスを提供できる小規模多機能介護施設などの介護拠点の整備が必要である。それに高齢者や若者子ども達が集まって交流できるような地域の世代を超えた人間同士の交流や助け合いの場を作る必要もある。一人暮らし老老世帯、認知症の方などハンディのある人への目配り、声掛け訪問などの見守りボランティアや相談窓口など地域の相互援助の仕組みも必要である。

固定リンク

 予防は治療に勝る。医療費節減の面からも費用対効果は抜群である。ワクチンで予防できる病気はワクチンで防ぐ事は今や世界標準である。医学の進歩で人類が享受できる技術を国民が平等に受けられる。医療保険の利かない予防に公費をつぎ込みそれを平等に受ける権利が国民にはある。憲法が保障する基本的人権である。国民の命を経済的格差で区別すべきではない。

 

乳幼児の細菌性髄膜炎を予防するインフルエンザ菌b型(ヒブ)ワクチンや子宮がんを予防する子宮頸がんワクチンが相次いで発売された。しかし、接種費用が高額なため医師や患者団体から公費補助を求める声が上がっている。2月に乳幼児用に発売された肺炎球菌ワクチンと、2008年12月に発売されたインフルエンザ菌b型(ヒブ)のワクチンを接種すれば、8~9割の細菌性髄膜炎を防げる。細菌性髄膜炎は、年間推計で1000人近くが発症し、約5%が死亡、15~25%に脳機能障害などの後遺症が残る。一方、子宮がんの一種、子宮(けい)がんは年間約2500人が死亡し、20歳代の若い女性で増えている。子宮頸がんワクチンは、初めてのがん予防ワクチンで昨年12月に発売された。1回1万5000円~2万円程度で、3回の接種が必要。4万5000円以上になる。いずれも有料の任意接種で肺炎球菌ワクチンは1回9000円~1万円、ヒブワクチンは1回7000円~9000円程度かかる。子宮頸がんワクチンは、初めてのがん予防ワクチンで昨年12月に発売された。1回1万5000円~2万円程度で、3回の接種が必要。4万5000円以上になる。 海外では、細菌性髄膜炎について、ヒブは130以上の国、肺炎球菌は45か国、子宮頸がんワクチンは、アメリカ、イギリスなどで定期接種になっている。

 厚生労働省は、今国会に予防接種法の改正案を提出する予定だが、新型インフルエンザワクチンの接種に関する規定の変更のみにとどまり、これらのワクチンをどう位置づけるかは今後の検討課題としている。

  定期接種 予防接種法で規定される。はしか、ポリオなど集団感染の予防に重点を置き、接種努力義務がある一類と、個人の発病や重症化の防止を主な目的にする二類に分かれる。自治体の補助が出るため、無料または安価で接種を受けることができる。副作用が認定された場合、補償される。

 

19世紀末に始まった細菌学の急速な進歩、予防接種対応などで古典的感染症がコントロール出来る様になり、その後の薬剤の進歩、施設利用などで近代医学はもう成長限界かと錯覚する程に成熟している。そのため公衆衛生はむしろ停滞している印象のある現在、身体はさておき心を含めた健康が課題となって来ている。しかしグローバル化に関係した最近のBSE、サーズ、トリインフルエンザ、エイズ、アスベスト問題を含む感染症、公害、食品衛生など一般住民集団への健康被害に対する脅威は、国の保健医療政策と共に社会医学としての公衆衛生の重要性をクローズアップさせている。①禁煙対策活動、特に小・中学生への「たばこの健康被害」に関する教育②予防接種法改正の情報提供③予防接種のさらなる相互乗り入れの推進④感染症の予防危機管理対策⑤院内感染防止対策⑥医療廃棄物適正対応を挙げた。私の仕事はこの計画実行のために広報、啓蒙を中心に地域医療保健行政、医師会組織、住民等との連携と協働をコージネートする役割と考えている。人を説得するにはまず我が身から。医療従事者の禁煙対策に注意を向けたいと考えている。

固定リンク

タバコの健康問題について

        2009年9月投稿文書

1981年平山論文は受動喫煙と発癌の関連性を警告した。その後の世界各国の膨大な研究は、この事を科学的に証明している。2005年に世界保健機関(WHO)総会はタバコ規制枠組み条約を加盟国の全会一致の賛同を得て制定した。成立に大きく貢献した当時の事務総長ブルントラン女史は、後にノルウエーの首相にもなった人である。現在、多くの国が人々の集まる場所での喫煙は周囲のタバコを吸わない人やそこで働く人に重大な健康被害をもたらすとして、その様な場所での喫煙を禁止する受動喫煙防止法を制定し、タバコ規制に大きな効果を挙げている。未だにタバコ事業法が残っている日本は税収をタバコに頼っている関係もあり諸外国に大きく遅れを取っている。その有様は若者の集まる盛り場やライブハウス、飲食街に少しでも身をおけば窺い知る事が出来る。またホテルやレストランでも禁煙席とは名ばかりで意味の無い分煙や換気装置で済まされている。まだまだ受動喫煙の害に対する意識の低さを痛感する。全面禁煙にすると客の減少で経営面の事を危惧する場合も多い。むしろ欧米での調査によれば逆の報告が多い。日本の特定健診、特定保健指導の中では動脈硬化を促進し血管を傷つける高血圧、肥満、糖尿病、高脂血症などはメタボリック症候群として重要視されている。喫煙は趣味や嗜好ではなくニコチン依存症とタバコ関連疾患の動脈硬化性血管閉塞症、肺がん、慢性閉塞性肺疾患等両者を合わせ持つ疾患と捉えるべきで、喫煙習慣があるにも拘わらず健診結果の報告では健康状態とされる。いま全世界が人類生存に大きな影響を与える温室効果ガスの削減対策に取組んでいる。それと同じ程度に日本は、積極的に国民のタバコの健康問題にも目を向けるべきである。喫煙場所が狭くなればなるほど喫煙人口は減少して来ているのは明らかである。公共の場での禁煙は決して自主同意ではなく法による規制しか無い。

固定リンク