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身の回りの事が自分で出来なくなり介護施設で生活していた人が臨終間際になって医療機関に運ばれ、そこで亡くなると言う事は、本人、家族にとっても大変な負担であり、国民全体で賄っている医療費にも無駄が生じる。病院の医療は逓減制で入院日数が長くなるにつれ一日当たりの報酬は少なくなるが、救急で運び込まれてから所定の期間は出来高で請求できる。必要と判断した医療は全て行える。臨終前の異常を病気と考え、命を助け少しでも延命させるためとして何歳であろうと適応を満たせば検査も出来るし、人工呼吸器を装着するなど高度医療が行える。医療と介護を分けた現在の制度は、終末期にも死を医療に委ねる、不要な医療をせざるを得ない構造になっている。逆に介護療養型医療施設で看取る場合はマルメで有るがゆえに必要の無い薬の投与や処置は制限され看取り期に延命のための過剰な医療はなされない。老いの死に対する医療は無力である。医療の対象にすべきはどこまでかを見極める必要がある。命が小さくなる老後の看取りも介護サービス。これまで具合が悪くなると年齢も考えずにひとくくりに病院に入院させるのが当たり前であり、これが社会的入院と膨大な寝たっリを作りだした。医療を受けさせないと見殺しにしたとの不信感が生じる雰囲気でさえあった。日本の終末期医療が大きい影響を与えて来たのも事実である。
Xカーブグラフ
人間は老により、生きる機能、生きる力そのものが衰える。どうしても駄目な時期が必ず訪れる。自然に老い衰え、努力ではどうしようもなくなった時には、これで良い、ありのままで良いとの柔軟な対応が必要である。介護保険で言う重度介護状態であり、医療で考える重症患者ではない。自然の死の過程では自分の身の始末が出来なくなる時期が来る。人間は生まれて獲得してきた機能を逆の順序で失い衰え死んでいく。そして自分では棺桶には入れない。どうしても介護が必要である。最後は食べる事、排泄する事、清潔に保つ事の介護が要る。介護はこれらの事を徹底して最後まで行う事である。これらは痰の吸引など医行為は必要だが医療そのものの必要な病気状態ではない。
政府が推し進めて来た医療改革での機能別病院の再編、入院日数の短縮、病床の削減など病院運営への圧力は強く、治療の手立てが無くなった患者がこれまでのような永遠に看取りまでの医療を続けられるとの感覚でそのまま病院に留まる訳に行かなくなっている。その受け皿である在宅も高齢者だけの世帯や独居世帯が増え、家族がキーパーソンとなり患者を介護出来なくなっている。家族に囲まれて死ぬと言う患者の最後の望みも断たれかねない。特に都市部では看取りの場所の不足が今後は顕わになる。需要を満たせるだけの充分な介護施設や在宅医療拠点の整備が重要になる。居宅は何も自宅だけではない。老人ホームなど多様な住まいが考えられる。そこをこれまでの病院の病室として、そこに道路が病院の廊下のよう在宅医療の拠点である診療所、訪問看護ステーション等に結ばれる。これが地域包括ケアシステムである。
1960年の年間死亡者数は70万人だった。2010年には119万人で死亡者の80%以上が病院で死んでいる。しかし今後、高齢者の増加で死亡者数は急増し医療機関での看取りが出来なくなる。しかも、介護施設の不足、核家族化による家族構造変化の影響で老夫婦世帯や独居老人の増加など介護力低下で状況は深刻になっている。多死時代到来で看取りをどこで行うかが今後の医療介護の大きな問題となる。特にがんによる死亡者数は現在32万人、その51%が75歳以上であり今後ますます今増え続ける。
本日はせつかくの日曜日にも拘らず御臨席いただき、また励ましのお言葉、お祝いをたまわりまして本当に有り難う御座います。皆さまのご支援のもと「れんげ畑」の開所式の日を迎える事が出来ました。今日朝日に輝き柔らかい木の香の花環で飾られた玄関に立った時、18年前に田畑クリニックを開業した日と同じ、希望に満ちた晴れやかな気分になりました。建築に当たり滞りなく工程を進めて下さいました大輝設計様、事故もなく立派な建物を作り挙げて下さった丸善産業様、また工事の間、御協力下さいました地域の皆様には大変お世話に成りました。心から感謝致します。この建物は平成22年度県の木づかい推進事業の助成を頂いておりますが計画推進や諸手続きに際し、御配慮をして頂きました南薩振興局林務水産課、指宿市行政、鹿児島銀行指宿支店、ライトハンド株式会社様に重ねがさね御礼を申し上げます。有馬たかし管理者以下スタッフ一同、皆さまの期待に報いるべく信頼される運営を目指し、気を引き締めて今日の日を迎えています。当れんげ畑は11人収容の全個室のホームと1日15人が利用できるデイサービスを併設して居ます。デイサービスでは入居の方は勿論、外部からの利用も可能と成っています。お一人お一人の生活様式や好みに合った支援が出来る様に工夫しました。本体である田畑クリニックは日々の暮らしが人生そのものであり、特に高齢期の生活は医療と介護が両輪となって支えなければいけないとの理念を掲げ両者をミックスした体制を整えています。近隣の医療機関、介護施設とも連携して利用者様が安全を第一にした健やかな生活ができるように努めています。れんげ畑も田畑クリニック全職員が手を携えて利用者の第2の我が家として、また御家族が毎日でも来たくなる楽しい場所になり、さらには地域のコミュニティセンターとして近隣の住民の方々にも気軽にお越しいただき可愛がられる所に成ればと願っております。皆様方には今後ますますのご指導、ご支援をお願い申しあげまして私の御挨拶とさせていただきます。
介護保険制度が始まり10年を経過しました。現在では、当初に比べれば対象者の選択と介護サービスの内容については、より利用者のニーズにマッチした的確で且つ合理的なものに成って来ています。今後の課題は、ますますの超高齢化社会に向けての対応です。特に人口構成の中で、三千万人もの最大割合を占める団塊世代が2~3年先には介護保険制度利用対象者として参入します。そして高齢化とともに必然的に認知症は増加します。これに対応した医療、介護を含めた社会基盤整備は待ったなしの状況です。その中の介護保険サービスは制度開始時の単なる身体介護から、今、最大の懸案である認知症対応の介護へとシフトしています。国は認知症対策の切り札として高齢者が住み慣れたなじみの地域でなじみの人に囲まれて生涯を終える様な地域包括ケアシステムの構築を推進しています。地域包括ケアシステムは地域の道路が病院や施設の廊下と同じ働きを持ち、地域に配置された在宅支援診療所や小規模病院および訪問看護ステーション、ヘルパーステーションを大病院、介護施設の中の看護師、介護士詰所として機能させるシステムです。つまり今の病院、施設の機能を地域に展開するのです。そうする事により多くの在宅療養者や要介護者の希望する住み慣れた自宅で医療、介護支援を受けて生活を続けられます。地域密着サービスの中で在宅を基本に通所があり、泊まりのある小規模多機能事業所はグループホームと共に認知症高齢者介護の切り札とされています。ところで認知症対応の第一歩が医療の関わる早期発見とその後の体調管理、介護者指導です。そして第二は医療を基本として、これまで生きて来た場所でなじみの人に囲まれての身体的・心理的介護に地域を巻き込んだ生活支援です。国は地域ケアシステムの中核として地域に根差し小回りの効く在宅支援診療所ないしは有床診療所、小規模病院、保健施設を考えています。当診療所は地域の医療状況を酌み取り取り患者さんの希望も入れて介護保険が開始される前より医療デイケアを始めました。開始後は通所リハビリに移行し、その中で、認知症の難しさを痛感しグループホームを開設しました。また認知症の医療介護技術向上の必要もあり認知症サポート医の認定を受けるよう努力しました。私は介護保険制度開始に備えケアマネージャー資格を取得し、市町村での介護認定審査会モデル事業の審査員を経験、制度開始後も審査会委員として11年間勤めて来ました。また一方では自ら介護サービス事業所を運営し現場の事情も充分に把握しています。その上で市内の介護支援専門員を束ねる協議会の会長として介護保険制度運営の発展維持に携わって居る所です。また24時間対応の在宅支援有床診療所としてクリニックの診察室だけに座することも無く、積極的に地域に出掛け在宅訪問診療を行い訪問看護を含めた医療・介護サービスも行っています。また特定居宅介護支援事業所を併設し、要介護者のケアマネージメントを行い地域の病院、介護施設とも医療・介護の連携に取り組んでいます。また指宿市地域包括支援センターの委託を受けて、必要な有資格者を揃え特定高齢者の地域支援事業にも取り組んでいるところです。グループホーム、通所リハビリ、在宅訪問診療などの地域密着型サービスを行っている中で大変に思う事は在宅療養者が急な病気で入院医療が必要な場合や、介護度が重くなり介護力が追いつかず在宅介護が出来なくなった場合、病院、入所ベッドの不足からスムーズな入院・入所が出来ないもどかしさです。単身世帯、老々介護など在宅介護力は年毎に低下し在宅介護医療限界の敷居は低くなっています。病気が急に悪く高度の医療は必要ないが一時的に入院し状態を改善させ在宅復帰させたり、家族の都合などで介護が出来ない場合などに預かるのに最もふさわしいのが医療と介護をミックスさせた有床診療所であり、24時間対応在宅支援診療所に併設か、そこと連携の取れる小規模多機能事業所であると考えます。
去年の豚インフルエンザのパンデミックに対する政府の初動対応からこワクチン接種迄のあわてぶりは、日本のこれまでのワクチン政策に対する無策ぶりを露呈した。責任逃れの保身とも言える一時的特別法でお茶を濁した。多くの感染者の健康被害も軽く流行が収まると季節性と変わらないとして感染症法の予防接種法2類に格下げした。輸入を含め使われなかった相当量の余剰ワクチンが廃棄された。ワクチン備蓄に使われた多額の金額は国民は知らされていない。10月からは新型を含む三価のインフルエンザワクチンの接種が始まる。接種対象者への助成費用などの設定を任された各市町村は頭を悩ます。去年の今頃、新型インフルエンザの拡大防止は国家的大問題であったはずだ。昨年の春の大パニックから考えてワクチンは年齢格差や、所得格差にかかわらず全国民に無料接種すべきだ。それにもかかわらず今年は前々度までの通りの国の接種計画がしっかり示された。しかし接種費用に対しては市町村に丸投げし、国として我、関ぜずで腰が引けている。欧米ではインフルエンザワクチン接種費用はすべて公費である。私と同じ意見をネットに見つけたので掲載します。
インフルエンザワクチンに対する提言
平成10年2月になって、過去10年間の日本では最高といわれるインフルエンザの流行があり、その間にインフルエンザ関連の多数の高齢者や小児の死亡例があいついで発表され、人々の不安をかき立てたのは記憶に新しいところです。 このようにインフルエンザは毎年必ず流行し、乳幼児から高齢者に至るすべての年齢層に様々な健康被害をもたらしています。特に弱者には牙をむく、危険な疾病であり、欧米では“命のともしびを消す”病気として、恐れられています。日本のように“子どものかかる風邪の一種”というような安易な捉え方をされておりません。また社会経済的活動にも多くの損害を与え、インフルエンザにかかる医療費は2500億円ほどに達するといわれています。 さて、平成10年1月、厚生省から日本医師会を通じて配布されたインフルエンザワクチン接種に関するアンケートは厚生省がその内容を国民にインフルエンザワクチン接種の情報として提供するというものと私たちは理解しています。ところが、現在、インフルエンザワクチンは国の行う予防接種ではないので、今の所、国は接種に関する情報を提供はするが、費用も出さないし、責任もとらないという態度です。それでもインフルエンザワクチン接種を行うという医師がいるとしたら、それはよほどのお人好しか、無謀な医師でしょう。あえて接種をする場合でも、基礎疾患がある患者さんや高齢者、受験前の学生などわずかの方々だけを対象にしたものになるでしょう。現在、接種を行っている医師の多くは公表を望まないと思われます。何故なら事故後の補償が十分でなければ、接種はできるだけ避けたいと思うのが当然です。私たちの内何人かの医師は接種を行っていますが、できれば接種を避けたいと思っており、さらに接種を行っている機関として公表されたくないと明言しています。公表されると普段かかりつけでない人でワクチンのみを希望する人がきっと来ると予想され、またそのような人に限って、事故後のトラブルの不安が増大するものです。 1997年1月、A香港型インフルエンザが流行した時、各地の老人ホームでインフルエンザによると思われる死亡者が続出し、厚生省は老人へのインフルエンザワクチン接種を勧める通達を出しました。インフルエンザワクチンの効果を認め、勧めておきながら、費用は個人に、実施に当たっては医師にすべての責任を押しつけるという、いかにも無責任な厚生省の姿勢を示しています。 欧米先進国の例を見るまでもなく、国自身が先頭に立ってインフルエンザの感染を予防するための努力をすべきであるのに、このようなお粗末な対処でお茶を濁そうというのなら日本のインフルエンザ対策は極めて貧弱であるといわれても仕方のないことでしょう。厚生省は本当に国民の健康を考えているのでしょうか。 日本は1994年に、学童のインフルエンザワクチンの集団接種を中止して以来、老人、ハイリスク群への接種はほとんど実施されないまま、小児の接種率も大幅に低下してしまいました。新型インフルエンザの出現が予想される状況にありながら、日本はインフルエンザに対して、全くの無防備な状態であります。 インフルエンザワクチンの効果については多くの論議がなされましたが、その問題は現在ほぼ決着しています。A型インフルエンザには、ワクチン株と流行株間の抗原性のずれが少なく、かつタイムリーに接種されていれば80%は罹患することを免れることができ、残りの20%の人々は、罹患しても重症化する事はないといわれています。多くの研究がインフルエンザワクチンの高い予防効果を示し、国際的にも裏付けられています。インフルエンザには死に至る重篤な合併症があり、ワクチン接種がそれらを防ぐ唯一の方法であることは多くの報告より明らかなことです。にも関わらず、インフルエンザワクチンの有効性について有効だ無効だといまだに議論しているのはわが国くらいです。欧米では多くの国で有効性のデータをもとに、インフルエンザワクチンの無料接種を行い積極的に接種を進めています。それらの国々と比べると日本の接種率は異常なほど低くなっています。 このように先進各国のインフルエンザワクチンに対する力の入れ方を見ればわが国の取り組みの遅れがいかにお粗末きわまりないものであるかよくおわかりのはずです。このままインフルエンザ対策が放置されれば、毎年わが国はインフルエンザにかかる膨大な費用を失い、国民は享受すべき健康を、また、下手をすると命を失うことになりかねません。 急がれる対策の中でも最も大きな問題は新型インフルエンザウイルスの出現です。10年から40年周期に新しいウイルスが出現するといわれています。誰もがその抗体を保有していないこのインフルエンザウイルスが出現すれば世界中で何十万人という犠牲者が出る可能性があります。我が国の被害も甚大なものになりましょう。インフルエンザの国際会議ではこの新型のウイルスが早ければ数年以内に出現するということで一致しました。欧米各国はすでにこれに対して、専門家を集めて熱心に対策を協議しております。さて日本ではどうなのでしょうか。 昨年、香港で鶏のインフルエンザがなぜか人に感染して、大騒ぎになったのは記憶に新しいことですが、もしもこれが多数の人に感染する新型インフルエンザだったら。それを考えると、本当にぞっとします。多分非常に多くの犠牲者が出たと思われます。この時点で、日本では新しいインフルエンザワクチンを早急に開発する能力はすでにありませんでした。その理由は日本がすでにインフルエンザワクチンを作る体制をほとんど捨て去ってしまっているからです。新型インフルエンザに対するワクチンを作るのは並大抵のことではありません。ワクチンができたとしても、日本では最悪3000万人が感染するといわれていますが、十分な量のワクチンが確保される体制は既にありません。再生産するにしても施設や人員の確保、国民のワクチン接種の優先順位など,行政が解決すべき問題がたくさんあります。現在5つのメーカーの生産体制は50万人分ぐらいだそうです。それはかつての1/40であり、ワクチンの生産に必要な有精卵の生産体制を再び立て直し、増産できるようになるまでに1年はかかるといわれています。国民の健康管理対策として、少なくとも1000万人分のワクチン生産態勢を今から整えておかなければいざというときに間に合わないことは明白であります。行政としてインフルエンザワクチン対策を確実に来るその時のために確立しておかなければなりません。 早急にインフルエンザワクチンを予防接種法に再認定して、接種事故に対する補償制度の確立とワクチンの無料化を断行すべきであります。そして出来るだけ早期に老人とハイリスク群への接種を開始し、毎年の接種率を高め、その結果として、新型インフルエンザウイルスを含めたワクチンの生産能力と接種システムの再構築をはかることが急務と考えます。
第23回 全国有床診療所連絡協議会
岡山コンベンションセンター 8月1日
シンポジュウム「地域医療を守る有床診療所に未来を!」
東京女子医科大学教授
厚生労働省社会保障審議会委員 渡辺俊介
私は日経新聞社を去り、今は大学で教えています。基本は、ジャーナリストです。民主党政権の医療制度改革での有床診の関わりと重要性について私の考えている事を話したいと思います。民主党政権の医療制度政策は昨年8月の衆議院選挙のマニフェストと今回の参議院選挙のそれとは、はっきりいって変わって居りません。今年になり仙谷現官房長官が中心になり、成長戦略としての医療政策をまとめています。これについて述べながら有床診の有り方を考えてみたいと思います。まず基本的に民主党政権はどう考えているのか、去年のマニフェストには国民医療費を対GDP比で今の8%から、2025年には8.9%まで増やすと書いて有ります。仙谷さんは予算を10%にすべきと頼もしい事を言っていました。問題は財源ですので仙谷さんの親分役の菅直人首相が消費税アップに触れたことは、ご存じの通りです。財源を確保するには成長戦略が必要です。当然消費税率、あるいは法人税率、所得税も上げないといけないが成長すると国民所得が増え同じ税率であっても、医療費の財源は増えるわけですから当然成長することも大切です。成長するにはどんな方法があるかと考えた時に3つの道がある。第1の道は昔の自民党政権が行った財政主導による公共事業、つまりゼネコンを中心に道路、ダム、橋の建築です。それによりコンクリートや鉄鋼企業が儲かり経済への波及効果を期待しました。しかし殆どど失敗して赤字国債がたまりにたまり平成8年をピークに経済成長はマイナスに陥りました。そこで2001年4月に登場した小泉さんはこれでは駄目だと云う事で財政出動による経済成長を放棄し、いわゆる規制改革による経済成長をめざす第2の道を選びました。しかし他の分野では一部、成功したかにも見えましたが、医療に関しての規制改革あるいは社会保障による抑制という大変な、私に言わせますと竹中平蔵と共に大きな間違いを犯し、結局大変な経済格差が生じ平成9年をピークに日本の経済はマイナスに陥りました。そして最近になり第3の道が言われ始めました。菅直人総理大臣は6月の最初の所信表明で雇用に重点を置くと言いました。医療、介護、保育は慢性的に人手不足になっているのでここに、国のお金を重点的に使い人を集める。そうすることにより雇用が増える。これが菅さんの言っている強い社会保障が強い経済、強い財政を生み出す第3の道なのです。民主党政権および厚生労働省事務当局も成長戦略として医療、介護、健康関連分野を充実させ成長するのだと言っています。方法論に4つあります。1つ目は地域に密着した医療、介護を中心にして人を集め仕事口を作り成長させる。この事に関して足立信也厚労政務官が4月29日に戦略チームでのヒアリングを行い、要するに医療・介護については、今年の2月、史上最高となる659万人が就労しており、一年前に比べると、42万も増えた。ものすごい雇用吸収なのでここにお金をつぎ込むとさらに雇用が増え就業率も改善し経済が成長すると話しています。2つ目は、いま日本の人口は減少している。例えば昨年、生まれた赤ちゃんは107万人、亡くなった人は111万人、一年で4万人減です。この幅がますます広がってくることは間違いないがそうだからといって外国人労働者はそんなに大量には雇えません。人口減少社会、労働力減少社会の中で、日本の生産性つまりGDPを上げて行かないといけない。先に述べた様な地域密着型雇用を拡大する事である。若い女性、高齢者そして障害者にも働ける場を作り生産性に寄与させて成長する。これは北欧に近い発想です。スェーデン、デンマーク、あるいはノルウェー3つの国とも25%と言う高い消費税率でも医療、介護を中心にして消費を拡大させ一人あたりの国民所得はベスト10に入っています。かつて日本の国民所得は世界第2位でした。今や17位まで落ちています。どうにかしなければなりません。そこで3つ目として生産性のイノベーション、そこに有床診療所がクローズアップされてくるのです。今ここが医療に関わるものにとって一番重要なのです。厚生労働省の生活統括官、つまり政策の最高責任者の言った言葉ですが地方都市の現状は就職するには信用金庫、あるいは役場、学校ぐらいしかない。殆ど東京、大阪に行ってしまう。これを変えなければいけない。医療・介護・保育・健康関連分野はそれを可能にする数少ない事業であるとはっきり明言しています。地元で雇用される事で若者も高齢者も障害者も働ける。これは具体的なほんの一例です。医療関連の仕方として厚生労働省の文書に地域包括ケアを推進するとあります。目新しさは有りませんが中身はかなり新しい部分もあります。それのポイントだけ言いますと在宅医療と介護サービスの連携強化です。これも言葉だけでは抽象的すぎてわからないのですが、2012年の診療・介護報酬同時改定でのさらなる在宅医療と介護サービスの連携強化、急性期医療の機能のさらなる強化です。これについては今回の診療報酬改定でも実行されています。さらなる地域リハビリ、在宅医療の充実強化、川上から川下までのシームレスの医療、リハビリ、そして在宅の提供体制をきちんと構築する。これから9月に民主党代表選挙があって、誰が総理になるにしても民主党政権の政策として、しっかりこれを具体化していくことは間違い有りません。財源問題は少し不透明になりましたが医療・介護を中心にして地域に若者、高齢者、女性それに障害者も就業してシームレスな地域体制を作って行くという事です。要するにイノベーションでの人材の活用です。労働人口は減りますから、一人あたり1.2~できれば1.5働いてもらいたい。そういった意味で医療に関しては地域医療の推進、創薬、医療機器、介護機器の開発促進、4番目にメディカルツーリズム等が民主党の医療政策です。この政策の中で有床診が、どう云う役割を果たせるか、私は十分どころか十二分に役割を果たせると思います。有床診の存在は、きわめて重要であると思っています。さらに当面民主党政権の医療政策の実行と併行しながら2年後の介護報酬、医療報酬同時改定を議論する場合に、今村先生、江口先生のすばらしい研究の実績が役立ちます。事実、それは今度の診療報酬でも評価されています。医療課長も2年後をにらんだ場合、有床診が重要な役割を果たしていく事は確かだと明言しています。皆さんはこういった民主党の医療政策に迎合するのではなくて、地域における包括ケアの中で有床診がもっとどんな役割を果たせるか明確に位置づけ、そしてなにができるか、そのために何が必要か、診療報酬も必要になります。そのために行政がなにをすべきか、有床診は何をすべきなのかと言う事を強く訴えて頂きたい。私もまだ厚労省社会保障審議会委員ですので最近、厚生労働省課長から9月に審議会を久々に再会するとの連絡がありました。9月の代表戦、つまり新内閣の構成をまってからだと思いますが、いよいよ9月以降具体的な動き出すのかなと思っています。私自身も有床診の重要性を認識する人間として皆様からお知恵を借りて、医療機関の立場から何か発言して行きたいと思っています。