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皆さん今日は、ここ2~3日は幾分、寒さも緩みホッと一息つけました。しかし、また強い冬将軍が日本列島を窺っている様です。お互い体調には気を付けたいと思います。今日は00介護支援専門員協議会の2回目の研修会です。忙しい中、御出席頂き有り難うございます。口腔ケアは「介護の鏡」といわれています。これは入所者の口の中をみれば、その施設の介護のレベルが分かると言う事でしょう。いまや口腔ケアは高齢者介護の現場のみならず医療施設でも誤嚥性肺炎の問題、QOL の向上のためには欠くべからざる技術とされています。介護保険制度の始まる前から歯科医師会の先生方の並々ならぬ努力のお陰で、平成21年の介護保険報酬改正では介護3施設に対して口腔機能維持管理加算が創設されました。算定要件にはなかなか難しい面もあります。本日の研修会では、OO市歯科医師会長のOOOO先生に実技を交えた「高齢者の口腔ケアについて」の講演をお願い致しました。ケアマネの知っておくべき専門的な事柄を含め、連携の仕方などお教え願うと共に、今後の歯科医師会と当協議会との密接な連携の切っ掛けになればと願っています。OO先生宜しくお願い致します。
超高齢化で日本はこれから多死時代を迎える。今、8割の人が病院で看取られる。しかし30年先は50万人の死に場所が無い。今のままでは医療費の高騰の果てに病院で死ぬ事は難しくなるのは確実。在宅や介護施設での看取りが推奨されている背景にはこのような理由がある。しかしマンパワーが不足している。
在宅での看取りが上手く行く要件。
① 治療方針に対する把握と納得。
本人の意思。治療・療養への納得。
本人による、治療方針の選択 信頼する医師の下、療養生活が続けられる事。安心な24時間対応の在宅医療ケアチームの存在。
家族の在宅での看取りに対する納得。
② つらい症状が緩和されている事。
つらい症状の緩和が上手く行っている。
安らかな最期。 疼痛、呼吸困難、だるさ、倦怠感。つらいと人は安らげないし穏やかにもなれない。
③ 尊厳が保たれている事。
人としての当たり前の思い。自尊心が尊重され最期を迎えられる事。
④ 多職種医療ケアチーム(在宅医、訪問看護、訪問介護、ケアマネージャー)内の意思統一がなされている事。
基本
終末期では病状変化やそれに伴う不安が強い。医療者は身近に居て何時でも相談出来る状態にする。人は必ず死ぬ。最後までの生き方を選択するために必要な教育を死の教育と言う。従って、全ての人を対象に、その人に最も相応しい形で行う必要がある。在宅での看取りが出来るかが問題。看取りを病院に委ねるのと違い、目前に迫った死から家族が目をそむける事は出来ない。家族が主たるケアの担い手になれるかが大切である。最も重要な事は病名を告知し、不治である事と余命についての告知を可能な限り積極的に行う。患者よりも看取る家族を対象にした教育が主になる。
教育は時間経過に沿って
1.開始期
2.安定期
3.終末・臨死期
4.死別期
に分けられる。
1.開始期
患者の希望を正確に把握し、家族が介護出来るかの客観的評価を行う。医療者と患者及び家族とのしっかり信頼関係を築く。足繁く訪問したり電話連絡を行う。そして在宅で看取る意義や具体的な事柄を何回も説明する。
2.安定期
患者、家族が、死を自然なものとして受け止め、残された時間の過ごし方の大切さを学び、それに相応しい過ごし方を援助する。死が間近に迫り、それが避けられない事を教えるの事は医療者の務めである。
3.終末期・臨死期
死が間近に迫って来たと判断した場合には、まずキーパンソンに伝える。親族への連絡、葬儀の手配、着せる服、遺影の準備の指導などは家族が患者の死を最終的に受け入れるのに必要な行為である。死が24時間以内に迫った臨死期では、死の具体的な過程と起こりえる変化と必要なケアの方法を詳しく教える。また医療者と何時でも連絡の取れる事を再度説明し、家族を安心させる。それは家族が水入らずで看取るのに不可欠な事柄である。看取りの場面では家族以外のものは決して出しゃばってはならない。
死の具体的説明の例
「死が近づくとまず苦痛から解放されます。決して苦痛の中で死ぬようなことは有りません。だから安心して下さい。しかし、この時、最も大切で気を付けなければならない事は、息を引き取る瞬間まで意識ははっきりしている事です。不用意な発言や行動は取らないでください。そして最後の瞬間まで家族が近くに控えている事が大切です。」
4.死別期・グリーフケア
死亡した後も遺族に対して行われるケア。
東京都の場合,1年間に救急車で搬送される数は65歳以上の人が10年間で倍増し、22万人となっている。高齢化率も12.3%から17.2%に上がっている。団塊の世代の高齢化に従い救急搬送される高齢者はますます増える。そうなると救急病院は入院後に行き場の無い高齢者で一杯になり本来の機能である急性期医療が出来なくなる。また現在の年間死亡者数は110万人。2040年には170万人となる。今の死亡場所の8割は病院である。このまま推移すると140万人が病院死であり、140万人の入院となるとベッドが不足し退院する受け皿がどうしても必要になる。
身の回りの事が自分で出来なくなり介護施設で生活していた人が臨終間際になって医療機関に運ばれ、そこで亡くなると言う事は、本人、家族にとっても大変な負担であり、国民全体で賄っている医療費にも無駄が生じる。病院の医療は逓減制で入院日数が長くなるにつれ一日当たりの報酬は少なくなるが、救急で運び込まれてから所定の期間は出来高で請求できる。必要と判断した医療は全て行える。臨終前の異常を病気と考え、命を助け少しでも延命させるためとして何歳であろうと適応を満たせば検査も出来るし、人工呼吸器を装着するなど高度医療が行える。医療と介護を分けた現在の制度は、終末期にも死を医療に委ねる、不要な医療をせざるを得ない構造になっている。逆に介護療養型医療施設で看取る場合はマルメで有るがゆえに必要の無い薬の投与や処置は制限され看取り期に延命のための過剰な医療はなされない。老いの死に対する医療は無力である。医療の対象にすべきはどこまでかを見極める必要がある。命が小さくなる老後の看取りも介護サービス。これまで具合が悪くなると年齢も考えずにひとくくりに病院に入院させるのが当たり前であり、これが社会的入院と膨大な寝たっリを作りだした。医療を受けさせないと見殺しにしたとの不信感が生じる雰囲気でさえあった。日本の終末期医療が大きい影響を与えて来たのも事実である。
Xカーブグラフ
MCIの境界域から初期
早期の正確な診断と早期の介入である。告知の問題もある。ケアプログラムとして地域包括支援センター、地域支援事業、介護予防通所サービスとの連携の脳活性化リハビリ、投薬等の脳の復元力へ向けた試みが有効である。判断力の有るこの時期に、将来を見据えた意志決定、事前指示を含め、成年後見制度利用も視野に入れて置く必要がある。
中期から後期
指示誘導、見守り無しでは家庭内での日常生活が出来ず本人、家族に多大な混乱が生じる時期である。情緒的安定と残存能力を生かし自立した日常生活を支援する為に種々の介護サービスを取り入れる。医療にはBPSDへの対応と身体合併症の診断・治療が求められる。BPSDは起こさない様な予防的ケアも必要であるがどうしても抗精神薬の投与も必要になる。特に幻覚、妄想、せん妄の中で、幻覚の際だっレビー小体認知症にはアリセプト、リバスチグミン、ガランタミン等が効果が有る。向精神薬の副作用に関するインフォームドコンセントが必要とな る。
身体合併症では認知症の人は言語表現が
乏しくなり自分の症状を訴えられず感染
症、脱水を生じ、自然の経過として心身
機能が落ちたようになり食べなくなる。
それを、あたかも終末期と捉えられ医療
介入が制限されてしまう恐れもあり注意
が必要で適切な身体的アセスメントが求
められる。現在、グループホームの訪問
看護ステーション、在宅総合訪問診療に
よる医療連携もみとめられている。積極
的関わりが必要である。認知症の人が住
み慣れた地域で生活を継続していくため
にはこの時期をいかに乗り越えられるか
に掛かっている。
認知症の終末期を定義する時、脳血管性認知症の場合、原因となる病変部毎に症状の進展が異なるため病期の判断は難しい。今のところ、根本治療の手立てが無く症状もほぼ同じ速度で進行するアルツハイマー型認知症は分かり易い。アルツハイマー型認知症の終末期は大脳皮質機能が広範に失われた失外套症候群のFAST分類でsatge7の時期と判断して良い。この時期には脳幹機能の嚥下反射は残っているが、嚥下障害が出だして経過と共に経口摂取が難しくなる。そのため誤嚥が増え頻回に嚥下性肺炎を起こす。これに対して抗生剤投与、酸素吸入や経管栄養、PEG,IVH等の延命の為の医療行為が加えられる。状態に応じた治療の選択の判断が必要となる。介護の良し悪しで数カ月から数年続き、確実な死期を予測できない。それ故に医療の有り方が問題となる。近い将来死に到る事に共感を寄せ、最後までその人らしく尊厳を保ち生きるための最善の利益やQOLを考え如何ににすべきかが課題となる。本人が早期にアルツハイマー型認知症と早期に診断され事前指定がなされて居れば良いが、それが無く、本人の意思決定能力が無い場合、家族のインフォムドコンセント上での合意が必要となる。
アルツハイマー型認知症のFAST病期分類
1.正 常:認知症なし。
2.年齢相応:時に物忘れあるが社会生活上問題ない。
3.境界状態:仕事や客の接待できない、買物や家事は可能。
4.軽症:家事などできないが、身の回りのことはできる。
5.中等度:身の回りのことに介助必要、家庭内で行動制限不要。
6.高度:常に身の回りの介助と居室内に行動制限が必要。
A:出生地・昔の仕事・家族の名前を言える。
B:上記について一部言える。
C:自分の名前しか言えず。
7.重度:自分が誰か分からない。
A:挨拶や呼名に良く返事し,相づちや表情 変化あり。発話するが言語崩壊 。
B:挨拶や呼名に"ハイ"など返事するが表情変化乏しい。
C:呼名にほとんど反応しない。経口摂取可能。 D:呼名に全く反応しない。経口摂取不能。
認知症医療介護の病期別関わり
初期 中期・後期 終末期
包括支援センターの関わり
外来診療 訪問診療 (在宅医療~
早期診断・治療 BPSD対応
身体合併症の治療 看取り 通所サービス
訪問介護
訪問看護
グループホーム
小規模多機能居宅介護
入所施設 病院、療養型医療施設、老健、特養
認知症の場合、在宅生活の中心は家庭であるが、生活の枠が通所サービスやショートステイにも広がり、生活が再編成されている。そのような状況での健康管理や合併症、BPSDの対応に関わる医療は狭義の意味での在宅医療ではない。認知症の終末期での看取り段階では癌のターミナルや寝たっきり等の終末期と同じ家庭で行う狭義の在宅医療となる。脳血管性認知症は病変部の違いにより進行程度のステージ分類は難しいがアルツハイマー型でのReisbergのFASTの境界状態、初期、中期、後期、終末期の分類は殆どの症例の実態を反映しており、良く使われる。