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2012.02.05 08:52 |  診療  |  生活 / くらし  |  その他(一般)  |  でんさん  | 推薦数 : 0

X カーブ

有名な看取り場所を表すのに使われるXカーブには社会経済、疾病構造、人口構成、家族構造、医療の進歩、社会保障制度など時代と共に移り変わる多くの影響が映し出されている。現在、多くの人が病院で死ぬのは当たり前と考えるほどに、医療機関で亡くなる人が80%を超え、自宅で亡くなる人が12%である。自宅での死亡は家庭に介護者がいる場合であって独居世帯、老夫婦世帯の場合は老人ホームなど自宅でない居宅サービス施設に入っている場合は含まれない。今でこそ老人ホームでの死亡は6割と増えきているが、介護保険が始まつて3年たった時点の平成15年ですら老人ホームでの死亡は35%であった。老人ホームは生活の場であって医療の関わる看取りの場ではなかった。そして利用者が重度化したり急変した場合は病院に入院して来た。調査が始まった昭和26年では在宅死が82.5%で病院や有床診療所でなくなる人は11.7%であった。日常生活の中に死があったのである。医療技術の発達もあり、何かあったら医療機関に入院する風潮と国民皆保険制度や老人福祉法での老人医療費無料化など社会保障政策が充実して来た1997年頃にはその割合が5割を超え1980年には医療機関死が57%、在宅死は38%と割合は逆転した。在宅死の多かった時代は戦後の混乱期でもあり疾病構造も現在とは違い、死亡する年齢も老小に関係なかった。現在の死亡者の殆どは高齢者である。何かあれば病院に入院し、回復しても自宅に帰れない高齢者が多くなって行った。社会的入院の増加である。解消しようと介護保険や医療提供体制改革による在院日数短縮、病床削減等の影響もあり受皿としての老人ホームなど自宅ではない住まいが必要になると共に、経年による重度化、看取りが問題となり平成18年、施設での重度化・看取り加算が創設された。今年の4月からは介護スタッフの痰吸引など医療行為の容認もあり介護施設での看取りも加速される。Xカーブにも変化が見えてくる。

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