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第23回全国有床診療所連絡協議会総会講演より
平成22年7月31日、8月1日 岡山コンベンションセンター
大韓医師協会国際課 姜 ボギョン
韓国には日本の有床診療所に似た形態として有床院が有ります。有床院の名称も韓国の医療法上の正式な名称ではありません。ここでは便宜上、病床を保有する医院レベルの医療機関を有床院と表現します。病院が30床以上、総合病院は100床以上のベッドを持てますが有床院は29床迄です。韓国の全病床47万床の約2割の9万108床を2万4千ある有床院が持っています。有床院の約半数が9床以下の小規模施設であり20~29床の中小病院規模の有床院も37%を占めます。大韓医師協会の医療政策研究所が205カ所の医院を対象に調査した結果では、1日平均外来患者が63.6人で入院患者数は10.7人になっています。特に小児科、内科、整形外科での入院患者数は平均以上になっていました。医院の病床稼働率は50%未満です。有床院の病床保有での収益は低く、約3割が近いうちに入院施設の閉鎖または縮小を考えて居ると答えています。1989年に全国民健康保健制度が出来て医療ニーズの増大で病床の需要も増加しました。特に民間医療機関を中心に病床増加、拡充が行われ有床院の病床増加率は、全病床の増加率を上回っています。しかし政府や医療界には病床新設と運用に対する長期的なプランは無く、モニターリング体制も作られていません。病床増加には非効率な部分も多く、明確な機能分担もなされないまま、外来や入院部門で有床院と病院がともに競い合う形で病院は大規模化、先端化、高級化、救急化しています。有床院も対抗するためにこの様な流れに乗らざるを得ないと言う状態になっています。そこで医院によっては郷土会員を募り施設、装備を拡充し病院を上回る高い水準の医療機関も増えています。しかし、病院と競争しなければならない状況は、診療報酬の面で医院に非常に不利です。医院の初診料や再診料は病院に比べ低くまた入院料においても医療機関別制度が適用されて、同じ手術を行っても、医院は不利な立場におかれているからです。医療機関種別加算制度は総合病院、大型病院にとっては外来患者を出来るだけ多く集める動機を与え、軽い病気でも大病院に行く国民の大病院志向もあって医院の経営は日々厳しくなっています。もう1つ医院の経営が厳しくなった背景として2000年の医薬分業と保検産業統合によって発生した健康保険の大規模な赤字に対して健康保険財政安定化政策などがあげられます。診察料、処方料の統合、注射剤の処方・調剤料の廃止、差等報酬制度の導入や夜間加算時間の調整の強行は事実上の診療報酬の引き下げであり医院レベルの医療機関に大きなプレッシャーを与えました。健康保険財政が黒字になった今でも平均物価上昇にスライドしない低い診療報酬と財政安定化政策の中で人件費は上がり、多数の医院が倒産の危機に晒されています。また医院に限って適応されている医師ひとりの一日平均診察件数を基礎として診察料を削減する支払い規制でも年間約200億円の診療報酬が削減されており経営に大きな影響を与えています。今、政府と医療界は、医院は、予防と管理機能の外来中心、病院と総合病院は専門分野での治癒と入院中心、総合専門病院は高度な重傷治療と緊急治療、教育中心に機能分化すると機能分けによる医療提供体制の確立について議論しています。制度的な解決としては今、医院に限って適応されている差等報酬制度を軽い病気で大病院を受診する事を防ぐために、病院等へ導入したり診療報酬の調整、健康保険税の改善などを考えています。医療連携の確立についてはまだ具体的な案は確立されていません。医院が外来機能中心に大再編されると有床院の病床は段階的に縮小されるとの見方が強い一方では大部分の病床や医療機関がソウルなどの大都市に集中している韓国の現況は地方での医療アクセスとしての有床診院の役割は重要です。規模は縮小されるかもしれませんが、その機能は地域に密着したケアを提供する方向に向かう思います。医療提供体系の確立が具体的になる時期には韓国でも有床院の重要な役割を探すために、韓国の有床院連絡協議会の組織が出来るものと思われます。