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疫学的に20歳以上の人々の新型インフルエンザによる入院患者で基礎疾患を持つ人は70%である。最も多いのは呼吸器疾患、二番目が糖尿病14%、慢性心疾患8.6%、慢性腎炎が7%である。新型は若い層に多く総数の9割が20歳以下である。全体でみると基礎疾患のない人が69%、そして呼吸器疾患以外は0である。トータルで見ると背景疾患、基礎疾患の比率が小さくなる。成人に限ると前述の7割になる。ハイリスクとしては糖尿病、腎疾患で、透析を受けている人、腎移植を受けていたり、IgA腎炎、ネフローゼで免疫抑制製剤を使っている人や糖尿病性腎症で維持透析患者さんも含まれる。今回のインフルエンザは呼吸器症状が特徴的で重症化パターンは肺炎で免疫低下状態がベースになっている。最終的には脳出血、多臓器不全、心不全と云う形をとる場合が多い。ワクチン投与はそのようなハイリスクな人に最優先される。特にeGFRで15~30ml/分/ 1.73平方メートルなど高度の腎機能障害者は合併症を勘案しながら接種する。2千万人を超え国民病といわれるほど多い糖尿病は程度がに差があるし合併症が多臓器、心臓、呼吸器、腎臓に生じている可能性も強い。インシュリン治療を要する人は罹患機関、重症度からハイリスクでありコントロール不足、未治療もハイリスク群に入る。これらの人に対する治療には、なるべく早期にタミフルを投与するのが原則である。キットでA陽性でなくても臨床症状からインフルエンザとして投与する。透析患者も同じであるがタミフルの投与量はタミフルを1日1カプセルを5日間使う。5日後も症状が続くようであればまた1カプセル追加する。前述したがクレアチニンクリアランス10~30では1日1カプセルに減量が必要である。30以上であれば2カプセルと考える。
高齢者は通常の季節性インフルエンザに罹りやすいし、罹患した場合は重症化し易い。今回の新型には罹り難くかったが一旦罹ると重症化や死亡する事も多い。新型は若年者に多く発生した。妊娠、肥満がリスクファクターとして挙げられているがメキシコにおいては妊婦の年齢は10代の13,14,15才の少女が多く、正式に結婚して妊娠しているわけではなく、貧困のため医療機関に掛からないなどの社会背景があるのに、その事を抜きにした実態が統計としてWHOに伝えられた。日本では一般の者や妊婦の重症化や死亡者数は外国に比し少なかった。現実的には抗生物質の予防的投与も行われていたので新型での重症化が2次感染からのものではない事は推定できる。また肺炎球菌ワクチンの接種が奨められているがそれが重症化や死亡に関係したかは分からない。今回は流行の第1波に対してワクチンの生産が追いつかなかった。それ故、日本では抗ウイルス剤の使用が重要視され医師たちが抗ウイルス剤を有効に使った。ウイルスの増殖を抑えるためには発症後2日以内に使うべきで、日本はこれまで鳥インフルエンザ用に備蓄していた抗インフルエンザ薬を有効に使えたのである。早期投与で重症化を防ぐ事が出来た。高齢者は慢性呼吸器疾患を持っている場合が多くインフルエンザに罹りやすいしその基礎疾患も憎悪する。従って基礎疾患のコントロールとインフルエンザの早期治療の両方が大切である。