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日本のTIAの定義は,1985年に厚生省研究班による「局所神経徴候は24時間以内、多くが1時間以内に完全に消失し,発作の起こり方は急速,症候は内頸動脈系・椎骨動脈系」が用いられている。画像診断の進歩により,1時間以内に消失する場合でも梗塞巣が確認され,臨床症状と時間軸による判定ではリスクを評価し切れないことが分ってきた。米国は従来の定義を見直し,TIAは「脳局所あるいは網膜の虚血による,典型的には1時間以内に消失する短時間の神経局所症状の発作であり,画像上に脳梗塞の病巣を認めない」と改められ、1時間に限定せず短時間と表現されている。TIA症例の脳梗塞発症リスクは,TIA未治療例では10%弱あり,その50%は48時間以内に発症することが報告され介入の必要性と,脳梗塞を発症するリスクが高い患者群の抽出が試みられて来ており近年、ABCD2スコアが活用されるようになった。ABCD2スコア3以上のTIAの場合,入院が推奨される。日本ではスコアの認知度は低く,また,TIA患者に対する治療指針は施設で異なる。ある施設での検討によると、画像上は梗塞所見がなかったTIA入院患者,連続160例による後ろ向き,積極的な入院治療が行われたにもかかわらず,全体の5%が脳梗塞を発症していた。この8例のABCD2スコアの中央値は5.5で,非発症群の中央値の4.0と比べて高値だった。この結果から今後TIAは軽症の良性疾患で,外来観察でフォローするといった概念は捨て,急性期脳梗塞に続く一連の“急性脳血管症候群”と考えて対応する事が必要としてTIAの定義や診断基準の見直しが予定されている。