研究者らが慎重に推移を見守る一方、都道府県は国の対応に注目する。警戒態勢を解かずに第2波に備えるのか、いったん緊張を緩めて新たな体制づくりをするのか。政府の動きや研究者の発言をにらみながら、選択の道はさまざまだ。 国立感染症研究所の調査では新型インフルの流行による患者数は11月下旬にピークを迎えた後に減少。19日の調査結果では2週連続で流行水準を下回ったが、季節性インフルならまだ流行シーズンのはずで、新型の再燃への懸念も残っている。
しかし、地域で医療に携わる自治体にとって、住民にずっと警戒するよう呼びかけ続けるのは難しい。感染への注意を促すインフルエンザ警報は、発令した自治体の約6割にあたる約20自治体が解いたのに加え、知事をトップに据え、自治体や医療機関、企業や学校の連携を支える「インフルエンザ対策本部」を解散させる県が出てきた。
大分県は15日、滋賀県は17日、それぞれ県の対策本部を解散した。「『最高の危機管理体制を敷く必要はない』との合意に至った」(大分県健康増進課)、「県民の感染予防行動が行き届いていた」(滋賀県ウェブサイトでの嘉田由紀子知事のメッセージ)とし、今後は「通常の危機管理体制」で応じるが、新型インフルウイルスの変異や、これまでと異なる年齢層などで集団感染があれば、速やかに対策本部に戻すという。
残る45自治体は、対策本部を維持しているが、今後の政府の対応により、解散や規模見直しを考えている自治体が多い。流行の沈静化後、対策本部解散を検討したことがある北海道の山口亮・医療参事は、「ワクチンの在庫処理もあり、やはり国の動きを待たないと動きにくい」と話す。愛媛県の担当者は「感染症法上、新型でなくなるのは厚生労働大臣が宣言したときだ」と、判断を心待ちにする。 -朝日新聞
A/H1N1ウイルスの特性は、感染活動性として明確な気温依存性はないことである。今後も散発的に発生する可能性がある。手指衛生と咳エチケット、自己隔離(罹ったら外出を控える)、ワクチン接種が必要である。
インフルエンザワクチンについて
国内で製造されているワクチンは、培養したインフルエンザウイルスをエーテルで処理して感染性や病原性を失わせ、表面のタンパクを有効成分として使用する「スプリットタイプ」と呼ばれるもの。国内4社が新型インフルエンザ用ワクチンを製造しているが、これらは従来の季節性インフルエンザ用と製法が同じため、新たな治験や承認は必要ない。インフルエンザワクチンは重症化や死亡を防ぐことに一定の効果があるとされるが、感染防止や流行阻止について効果は保証されていない。また、まれではあるが、重い副作用が起こる可能性もある。
来シーズンの季節性インフルエンザワクチンには新型インフル、A香港型インフル、B型インフルの3種ウイルス抗原が含まれる。