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 H1N1変異と重症臨床症状の関係


 ノルウエーのオスロの公衆衛生学研究所のチームが、インフルエンザウイルスに生じる変異が重症化に関係していると発表した。これに対して、米国の専門家は、世界のデータは変異が重症な臨床症状をもたらすことの結論は得られていないとコメントしている。
 研究では61例の重症患者のうち11例でウイルス変異を確認し、205例の軽症患者では変異ウイルスは確認されなかった。重症患者から分離される変異ウイルスの確率は統計的に有意で、A/H1N1ウイルスが重症な症状をもたらす原因として変異ウイルスが関わっていることを示唆した。重症患者から分離したウイルスの変異は、D222Gのヘマグルティニン蛋白のHA1部分における222位置のアミノ酸が、グリシンからアスパラギン酸に変化しているものである。チームは61例の重症患者と205例の軽症患者から分離したウイルスの遺伝子配列を分析した。そしてD222G変異を重症例から見いだした。変異はヘマグルティニンのリセプター結合部分で起きており、研究者たちの仮説では、このことがウイルスがどの細胞に結合するか、さらにどの呼吸器組織に結合するのかに影響する。ウイルス変異が肺の細胞への結合能力を高め、重症肺炎を引き起こす可能性があり、可能性として、変異は早期にウイルスを駆逐できずに肺への感染を起こした患者で起きやすいとも推定している。報告によると、重症患者の多くは元々リスクを高めるような基礎疾患を保有しているが、中には何ら健康上問題ない人々が感染して、初期には軽症であっても後に重症化する例もあった。これに対する米国CDCの専門家の反論は世界的に見て、いくつかの国では軽症例からしかD222G変異を見いだしていない。またこの変異が重症例と結びついていることが統計的に有意であると報告している国もあるが、それらのデータでは、結果に影響する要因を取り除いていない。CDCでもD222G変異を8例の患者で見いだしたが、5例は死亡してなく、軽症例も存在したという。また動物実験ではD222G変異が重症感染症を起こすことは立証されていないという。実験でもH1N1ウイルスの野生株と、D222G変異遺伝子を組み込んだウイルスの病原性の違いを検討しているが病原性に差はなかったという。

 

N1H1の現在の流行の概略

 A/H1N1ウイルスは北半球の温帯地域で感染を続けているが程度は低い。殆どの地域では低下し続けている。感染し続けている地域は、タイ、ミャンマー、ロシア、ブルガリア、アルメニア、およびモルドバである。北米での活動は極めて低い。サハラの南西部地域でH1N1感染報告がある。 

 

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