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2010.03.20 17:46 |  診療  |  開業 / 病院経営  |  その他(一般)  |  その他(医療関連)  |  でんさん  | 推薦数 : 0

危機管理

危機管理には最悪の事態を想定するのは当然としても、生身の人間への理解を欠いた拘束や社会活動制限では単なる責任回避としかとられない。国民は規制は兎も角、度重なる警報に慣れ警戒心を無くしてしまう。発信者は狼少年と同じで信頼を失い批判される事になる。

 メキシコで初めて人のH1N1インフルエンザが報告されてから1年。世界中の公衆衛生当局はワクチン接種に焦点を合わせてきたが、そうした対策への疑問の声が高まっている。3月7日の時点で、世界で少なくともウイルスの確定された患者の16713人の死者がWHOに報告されている。それは報道に結果から多くの人々が恐れたよりも遥かに少ない。症状が軽度で多くの患者が診断されてないか診療も受けていない。H1N1の健康被害は小さかった。H1N1インフルエンザに対して過剰の警告がなされ最終的にワクチンや抗インフルエンザ薬メーカーのための金の卵を抱くガチョウになってしまった。ブタインフルエンザの流行はワクチンが製造される前に去ってしまい、結果的に大量のワクチンが不必要になった。大々的なワクチン接種啓発だけが起きた。理由は製薬企業、政治家、そしてメディアが、H1N1インフルエンザが1918年スペイン風邪のパンデミックインフルエンザに匹敵するかのごとき恐怖を煽ったからだ。

新型の豚インフルエンザは終息したのか――。

 研究者らが慎重に推移を見守る一方、都道府県は国の対応に注目する。警戒態勢を解かずに第2波に備えるのか、いったん緊張を緩めて新たな体制づくりをするのか。政府の動きや研究者の発言をにらみながら、選択の道はさまざまだ。

 国立感染症研究所の調査では新型インフルの流行による患者数は11月下旬にピークを迎えた後に減少。19日の調査結果では2週連続で流行水準を下回ったが、季節性インフルならまだ流行シーズンのはずで、新型の再燃への懸念も残っている。

 しかし、地域で医療に携わる自治体にとって、住民にずっと警戒するよう呼びかけ続けるのは難しい。感染への注意を促すインフルエンザ警報は、発令した自治体の約6割にあたる約20自治体が解いたのに加え、知事をトップに据え、自治体や医療機関、企業や学校の連携を支える「インフルエンザ対策本部」を解散させる県が出てきた。

 大分県は15日、滋賀県は17日、それぞれ県の対策本部を解散した。「『最高の危機管理体制を敷く必要はない』との合意に至った」(大分県健康増進課)、「県民の感染予防行動が行き届いていた」(滋賀県ウェブサイトでの嘉田由紀子知事のメッセージ)とし、今後は「通常の危機管理体制」で応じるが、新型インフルウイルスの変異や、これまでと異なる年齢層などで集団感染があれば、速やかに対策本部に戻すという。

 残る45自治体は、対策本部を維持しているが、今後の政府の対応により、解散や規模見直しを考えている自治体が多い。流行の沈静化後、対策本部解散を検討したことがある北海道の山口亮・医療参事は、「ワクチンの在庫処理もあり、やはり国の動きを待たないと動きにくい」と話す。愛媛県の担当者は「感染症法上、新型でなくなるのは厚生労働大臣が宣言したときだ」と、判断を心待ちにする。 -朝日新聞

A/H1N1ウイルスの特性は、感染活動性として明確な気温依存性はないことである。今後も散発的に発生する可能性がある。手指衛生と咳エチケット、自己隔離(罹ったら外出を控える)、ワクチン接種が必要である。

 

インフルエンザワクチンについて

国内で製造されているワクチンは、培養したインフルエンザウイルスをエーテルで処理して感染性や病原性を失わせ、表面のタンパクを有効成分として使用する「スプリットタイプ」と呼ばれるもの。国内4社が新型インフルエンザ用ワクチンを製造しているが、これらは従来の季節性インフルエンザ用と製法が同じため、新たな治験や承認は必要ない。インフルエンザワクチンは重症化や死亡を防ぐことに一定の効果があるとされるが、感染防止や流行阻止について効果は保証されていない。また、まれではあるが、重い副作用が起こる可能性もある。

来シーズンの季節性インフルエンザワクチンには新型インフル、A香港型インフル、B型インフルの3種ウイルス抗原が含まれる。

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介護保険制度がはじまって10年が過ぎ、この間の認知症の早期発見、治療薬の開発、ケアの進歩で認知症は治らない恐ろしい病気であるとの常識ががらりと変わりました。今、認知症の人は全国で170万人います。今後も高齢者人口が増えるに従い増加が予想されます。誰もが認知症に罹る可能性があるのです。認知症は脳に病変が起こり記憶を中心にして精神障害が生じます。種類には①アルツハイマー型認知症:脳が縮み血流も低下します。女性に多く認知症の半数を占めます。物忘れのほか時間や場所が分らず、判断・理解が障害されます。②.脳血管性認知症:脳梗塞が関係し20%を占めます。高血圧、糖尿病、高脂血症や喫煙などの生活習慣が関係し男性に多い。手足の麻痺や歩行障害に物忘れ、怒り易いなどの感情失禁を伴います。③レビー小体型認知症:認知障害は軽いが幻覚や妄想などから被害妄想・嫉妬妄想など精神症状が起こり介護を大変にします。20%を占めます。その他、頭を打った後の硬膜下血腫など治療で治る認知症も有りますのでCT,MRI検査で診断を受ける事も大切です。認知症の始まりには日常の家事の中での鍋焦がし、同じものを買い込むなどの兆候が見られます。それに早く気付く事が大切です。症状には大きく2つ①中核症状:脳の病変から生じる記憶、判断・理解力障害。②周辺症状:記憶障害がもとになり不安や戸惑いからの徘徊、暴言、暴行、妄想、せん妄で周りの対応や環境に影響されます。認知症の治療薬として中核症状の進行を遅らせるアリセプトがあり、早期からの服用で大きい効果が得られます。周辺症状に対してはその人を中心に置いた本人本位の適切なケアが基本です。時に医療の介入も必要な場合もあり、幻視、妄想などに対して漢方薬の抑肝散などの効果も注目されています。認知症の人は言葉に出せないがプライドなどの感情をしっかり持っているのです。この事を理解し介護に当たる必要があります。徘徊など周辺症状には必ず何らかの理由があるので本人の言葉に耳を傾け決して否定せずに一緒に考え行動するのが良いのです。認知症の人を家族だけで介護するのは非常に難しく、最後には疲れ果て虐待も生じがちです。独居の人は悪徳商法の被害に会う事も大きな問題となっており、成年後見など権利擁護制度を利用します。認知症かも知れないと感じたら迷わず懸かり付け医や市役所の地域包括支援センターに相談して下さい。医師会では地域の医師が早期に認知症に気付いて対応が出来るようかかりつけ医認知症対応力向上研修を実施しており、専門病院、地域包括支援センター、社会福祉協議会、介護事業所や居宅介護支援事業所等との連携を深めています。さらに行政は住民が認知症を理解して地域ぐるみで認知症の人とその家族を支援する運動を行なっています。家族だけで悩みを抱えずに主治医や、地域包括支援センター、居宅介護支援事業所のケアマネージャー等に相談して、医療・介護サービスや地域住民の支援を受ける事が大切です。最後に認知症予防としては①体を動かす②人と交流する③脳血管を傷つける高血圧、肥満、糖尿病、高脂血症や喫煙などの生活習慣病を治すなど守る健康とさらに創る健康に心掛ける事です。

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 予防は治療に勝る。医療費節減の面からも費用対効果は抜群である。ワクチンで予防できる病気はワクチンで防ぐ事は今や世界標準である。医学の進歩で人類が享受できる技術を国民が平等に受けられる。医療保険の利かない予防に公費をつぎ込みそれを平等に受ける権利が国民にはある。憲法が保障する基本的人権である。国民の命を経済的格差で区別すべきではない。

 

乳幼児の細菌性髄膜炎を予防するインフルエンザ菌b型(ヒブ)ワクチンや子宮がんを予防する子宮頸がんワクチンが相次いで発売された。しかし、接種費用が高額なため医師や患者団体から公費補助を求める声が上がっている。2月に乳幼児用に発売された肺炎球菌ワクチンと、2008年12月に発売されたインフルエンザ菌b型(ヒブ)のワクチンを接種すれば、8~9割の細菌性髄膜炎を防げる。細菌性髄膜炎は、年間推計で1000人近くが発症し、約5%が死亡、15~25%に脳機能障害などの後遺症が残る。一方、子宮がんの一種、子宮(けい)がんは年間約2500人が死亡し、20歳代の若い女性で増えている。子宮頸がんワクチンは、初めてのがん予防ワクチンで昨年12月に発売された。1回1万5000円~2万円程度で、3回の接種が必要。4万5000円以上になる。いずれも有料の任意接種で肺炎球菌ワクチンは1回9000円~1万円、ヒブワクチンは1回7000円~9000円程度かかる。子宮頸がんワクチンは、初めてのがん予防ワクチンで昨年12月に発売された。1回1万5000円~2万円程度で、3回の接種が必要。4万5000円以上になる。 海外では、細菌性髄膜炎について、ヒブは130以上の国、肺炎球菌は45か国、子宮頸がんワクチンは、アメリカ、イギリスなどで定期接種になっている。

 厚生労働省は、今国会に予防接種法の改正案を提出する予定だが、新型インフルエンザワクチンの接種に関する規定の変更のみにとどまり、これらのワクチンをどう位置づけるかは今後の検討課題としている。

  定期接種 予防接種法で規定される。はしか、ポリオなど集団感染の予防に重点を置き、接種努力義務がある一類と、個人の発病や重症化の防止を主な目的にする二類に分かれる。自治体の補助が出るため、無料または安価で接種を受けることができる。副作用が認定された場合、補償される。

 

19世紀末に始まった細菌学の急速な進歩、予防接種対応などで古典的感染症がコントロール出来る様になり、その後の薬剤の進歩、施設利用などで近代医学はもう成長限界かと錯覚する程に成熟している。そのため公衆衛生はむしろ停滞している印象のある現在、身体はさておき心を含めた健康が課題となって来ている。しかしグローバル化に関係した最近のBSE、サーズ、トリインフルエンザ、エイズ、アスベスト問題を含む感染症、公害、食品衛生など一般住民集団への健康被害に対する脅威は、国の保健医療政策と共に社会医学としての公衆衛生の重要性をクローズアップさせている。①禁煙対策活動、特に小・中学生への「たばこの健康被害」に関する教育②予防接種法改正の情報提供③予防接種のさらなる相互乗り入れの推進④感染症の予防危機管理対策⑤院内感染防止対策⑥医療廃棄物適正対応を挙げた。私の仕事はこの計画実行のために広報、啓蒙を中心に地域医療保健行政、医師会組織、住民等との連携と協働をコージネートする役割と考えている。人を説得するにはまず我が身から。医療従事者の禁煙対策に注意を向けたいと考えている。

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 H1N1変異と重症臨床症状の関係


 ノルウエーのオスロの公衆衛生学研究所のチームが、インフルエンザウイルスに生じる変異が重症化に関係していると発表した。これに対して、米国の専門家は、世界のデータは変異が重症な臨床症状をもたらすことの結論は得られていないとコメントしている。
 研究では61例の重症患者のうち11例でウイルス変異を確認し、205例の軽症患者では変異ウイルスは確認されなかった。重症患者から分離される変異ウイルスの確率は統計的に有意で、A/H1N1ウイルスが重症な症状をもたらす原因として変異ウイルスが関わっていることを示唆した。重症患者から分離したウイルスの変異は、D222Gのヘマグルティニン蛋白のHA1部分における222位置のアミノ酸が、グリシンからアスパラギン酸に変化しているものである。チームは61例の重症患者と205例の軽症患者から分離したウイルスの遺伝子配列を分析した。そしてD222G変異を重症例から見いだした。変異はヘマグルティニンのリセプター結合部分で起きており、研究者たちの仮説では、このことがウイルスがどの細胞に結合するか、さらにどの呼吸器組織に結合するのかに影響する。ウイルス変異が肺の細胞への結合能力を高め、重症肺炎を引き起こす可能性があり、可能性として、変異は早期にウイルスを駆逐できずに肺への感染を起こした患者で起きやすいとも推定している。報告によると、重症患者の多くは元々リスクを高めるような基礎疾患を保有しているが、中には何ら健康上問題ない人々が感染して、初期には軽症であっても後に重症化する例もあった。これに対する米国CDCの専門家の反論は世界的に見て、いくつかの国では軽症例からしかD222G変異を見いだしていない。またこの変異が重症例と結びついていることが統計的に有意であると報告している国もあるが、それらのデータでは、結果に影響する要因を取り除いていない。CDCでもD222G変異を8例の患者で見いだしたが、5例は死亡してなく、軽症例も存在したという。また動物実験ではD222G変異が重症感染症を起こすことは立証されていないという。実験でもH1N1ウイルスの野生株と、D222G変異遺伝子を組み込んだウイルスの病原性の違いを検討しているが病原性に差はなかったという。

 

N1H1の現在の流行の概略

 A/H1N1ウイルスは北半球の温帯地域で感染を続けているが程度は低い。殆どの地域では低下し続けている。感染し続けている地域は、タイ、ミャンマー、ロシア、ブルガリア、アルメニア、およびモルドバである。北米での活動は極めて低い。サハラの南西部地域でH1N1感染報告がある。 

 

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