「提言」 医師不足のために産科医療、小児医療、外科的な救急を含めて全国的に救急医療は危機的状況にあります。当県でも鹿屋、種子島などで問題として取り上げましたがこれは氷山の一角です。今日10月17日付け南日本新聞に厚生労働省は急性期医療再編の中で2008年に各県に一つ以上の一般疾病に対応するための高度急性期病院(仮称)を創設する計画であるとの記事がありました。これは都市部での一つの改善策ではあると思います。しかし地方では面積の割に人口が少なく、地域医療計画で病床カウントも限られ病院数は少ない。本来病院が受け持つべき夜間、日曜、祝日の二次救急医療対応としての病院群輪番制は中小病院と同じく有床診療所も担っています。市町村合併での医療圏域の分割や相次ぐ診療報酬マイナス改定で不採算になっての無床化、院長の高齢化や後継者不足などで有床診療所の数は大幅に減っています。負担の掛かり過ぎとして報道されている勤務医師より遥かに大変な状況が有床診療所医師には起きているのです。それでも自分の属する地域の医療を守るのは当たり前として使命感を持ち救急医療に携わっています。一人診療所医師の場合、昼間の通常の診療に続き夜間輪番を行い、翌日の通常診療と32時間もの勤務を余儀なくされます。これでは体力も限界となります。また医療制度改革により経営の苦しい中、輪番に備えた従業員の雇用維持は大きな負担となっています。これに対する補助はわずかでしかも年毎に減額されて来ています。経営悪化に療養病床再編のあおりを受けて地方の中小病院や有床診療所はベッド放棄か介護施設への転換などで今後、二次救急に対応出来る医療施設は少なくなってきます。今までは中小病院、有床診療所の院長は自分の後継として子弟を医師にする努力を続けて来ており、自ら進んで成ろうとしない田舎の医師の確保が出来て居たのも事実です。病院、有床診療所の存続が出来なければ後継者を作る努力もしなくなります。また今年一月からは特別な条件が無ければ新たな有床診療所の設立は出来なくなりました。田舎の地域医療に情熱を持った若い医師の参入を阻害することに成ります。これでは益々地方の医師不足の悪循環は進みます。これまで地域の医師会が開業医を中心に運営して来た救急医療業務は医師会内部だけで解決できる問題ではなくなっています。行政が現実をしっかり見据えて対応しなければならない状況にあります。そして都市部の事情に偏りがちな施策は改めるべきだと考えます。
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