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介護労働者の不足。
たび重なる介護報酬の引き下げは事業所の経営を圧迫、その影響は介護従事者の待遇を悪くして離職者が増えると共に、求職者も集まらなくなった。介護の担い手の不足は深刻になった。そのような状況もあり2009年の介護報酬改定で3%の報酬アップが行われた。全体の底上げではなく加算による評価が主体で介護労働者の待遇改善にはとても行き渡っていない。到底、人材不足解消に繋がらなかった。そこで2009年の補正予算で介護労働者の待遇改善を図るべく介護職員処遇改善交付金4000億円が付いたが手続き上の問題や、職員のキャリアアップを図る等、条件が難しく申請を躊躇している事業所も多い。これも2.5年の短期的なものである。事業所特に零細な事業所の経営を困難にしているのが情報の公開制度である。医療機関情報は行政の負担でインターネットを通じて国民に公開している。介護事業所については各種事業および事業所毎に調査が行なわれ結果がインターネットに公表されるがそれに要する費用は事業所負担で、これが毎年繰り返されるのである。費用は都道府県によりばらばらで格差がある。この制度を無くすべきとの声は大きい。
認知症問題。
今でこそ、社会一般の認知症に対する理解は進んだが、介護保険制度の始った10年前まで認知症は家庭の玄関の内側に隠され当事者だけが悩み苦しみ、その存在は他人事であった。介護保険開始当初の介護認定審査でも認知症の人の介護度は低く、介護の手間は評価されなかった。そこで呆け老人を抱える家族の会など制度が出来る以前よりその大変さを分っていた人々の努力に加え制度の普及で従い認知症ケアの大変さが次第に浮き彫りになって認定審査基準の改訂やコンピュータ判定ソフトへの主治医意見書の認知機能のインプット等改善がなされた。特に認知症介護は家族だけで対応するのは難しい上に、先に述べた家族構成の変化は介護者が介護に不慣れな夫や息子であったりと、その負担から虐待などが生じやすい。認知症者の人権擁護なども大きな問題である。認知症の特性に合わせたサービスはグループホーム、小規模多機能居宅サービスなど地域密着の対応が必要であり、認知症は今後ますます増え続けるのは確実でその基盤整備もこれからの課題である。
今後の課題
医療保険ではその入り口で診断治療を希望する全ての人に専門家の医師が対応しその後の判断裁量が任されている。所が介護保険制度では介護を希望している対象者の必要で適正なサービスを行なうべき認定調査を必ずしも現場を知っているわけでも介護専門家でもない調査員が行なっている。その結果もコンピュータで機械的に処理している。審査会のメンバーも形だけの医療介護福祉の専門家の資格だけで、必ずしも現場を知っている委員だけではない。介護保険制度と介護サービス提供過程に精通するケアマネージャーが最初から関わるようにすべきである。
ケアマネの地位向上が必要。
制度の要であるケアマネージャーは保健・医療・福祉分野で5年以上実務経験を有し、資格試験に合格後実務研修を終了してやっと資格が取れる。平成18年度の法改正があり、5年毎の更新制となり、実務に付くには定められた義務研修を受けなければならない。