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新型インフルエンザの感染で幼児のインフルエンザ脳症の報告が相次いでいる。厚生労働省は、意識障害などの症状が出た場合には、大至急小児科を受診するよう注意を呼びかけている。
インフルエンザ脳症はインフルエンザウイルス感染による神経合併症の1つである。特に1歳から4歳までの幼児に多く、6時間から1日で急激に高熱から意識障害、突然の痙攣は8割に見られ進行は急速である。異常に暴れたり意味不明のことを言うなどの異常行動もある。インフルエンザ脳症は、急性壊死性脳症、ライ症候群、HSE症候群の種類がある。インフルエンザ脳症の発生メカニズムは解明されていない。ウイルスが中枢神経細胞に侵入して脳症が生じるのではなくウイルス血症から誘発されたサイトカインで血管透過性亢進が生じるためと考えられる。死亡率は15~30%と高い。脳性まひなどの後遺症が残りやすい。目下の治療法は、対症療法が中心となる。
インフルエンザ脳症には、急性壊死性脳症、ライ症候群、HSE症候群の種類がある。
①急性壊死性脳症
脳内深部の小血管の血管透過性が亢進し、血管周囲へ赤血球や血漿が漏出し、血管周囲の脳組織が浮腫に陥り、二次的に神経細胞やグリア細胞が壊死に陥る脳症です。
脳幹型 興奮症状や短い痙攣の後に意識障害をきたし、数時間で呼吸停止にいたる劇症型で頭部CT検査では脳幹や視床の低吸収と腫大が特徴。
病変限局型 両側の視床、大脳白質、小脳、脳幹に対称的に境界明瞭な病変を生じる。急性壊死性脳症は肝臓、腎臓などの臓器も障害される。
②ライ症候群
ライ症候群は、インフルエンザなど上気道炎や水痘で発熱して回復した後、長時間嘔吐し続けて急激に昏睡などの意識障害、痙攣を起こし場合によっては死亡する。血液検査で肝臓や筋肉由来の酵素が上昇し、高アンモニア血症や低プロトロンビン血症が見られる。ミトコンドリア障害でTCA回路、糖新生、尿素回路などの代謝機能が障害を受ける。ライ症候群は、その発症に解熱剤との関わりが指摘されており解熱剤使用には充分な注意が必要である。
HSE症候群は出血性ショック脳症症候群で発熱、ショック、意識障害、痙攣、出血、下痢などの症状が現われる。乳幼児に多く見られDIC(播種性血管内凝固症候群)のほか肝機能や腎機能も障害される。
インフルエンザ脳症には有効な特効薬は無い。インフルエンザウイルスに対する原因療法と サイトカインの異常産生、神経細胞のアポトーシスを抑制する治療を組み合わせて行う。
「タミフル」「リレンザ」の抗インフルエンザウイルス薬は、脳症への治療効果は報告されていないが発熱期間を短くする。全身の細胞から通常量をはるかに超える炎症性サイトカインが放出され、体内を嵐のように吹き荒れる「サイトカイン・ストーム」が、インフルエンザ脳症の発症に大きく関与していることから、「シクロスポリン療法」が効果を上げているという報告がある。一般的な痙攣や脳浮腫に対する対症治療として、抗痙攣薬、グリセリン、呼吸管理を含めた全身管理を行うことも必要である。発熱は40度を超えなければ一般的には身体への害はないので安易な解熱はすべきではない。一部の解熱剤がインフルエンザ脳症の引き金になっていると考えられアスピリン系の解熱剤は小児インフルエンザには禁忌となっている。
インフルエンザ感染に伴うウイルス肺炎、もしくは合併した細菌の二次感染による細菌性肺炎。
インフルエンザウイルスによる感染成立
ウイルスは活性化プロテアーゼでHA糖タンパクを開裂して細胞に吸着侵入する。:開裂の機序には、細菌性プロテアーゼによるものとプラスミン活性化を介するものとがある。今回の新型ウイルスはH5N1と同じ様に肺の細胞に親和性が高いとされている。
細菌による二次感染
インフルエンザウイルスによって線毛が障害されて脱落するために細菌による二次感染が続発しやすくなる。インフルエンザ感染で見られる肺炎は肺炎球菌やインフルエンザ菌などが起因。
*純粋型
ウイルス単独で生じる。発症から呼吸器症状が急激で、呼吸苦、呼吸速拍、チアノーゼを生じる。SPO2の計測が役立つ。room airde93%以下は危険。今回の新型インフルエンザでは特に小児では疑い段階の早期からの抗インフルエンザ剤の投与が勧められる。
*混合型
インフルエンザで肺に細菌感染が合併する。原因菌には肺炎球菌、インフルエンザ菌が多く、ブドウ球菌では重症化しやすい。 免疫低下の患者では肺炎桿菌や緑膿菌などのグラム陰性桿菌も起炎菌に加わる。肺炎球菌ワクチンが重症化や予防に有効。
《症状》
潜伏期間は1日。高熱・頭痛・筋肉痛等の全身症状が先行する。咳嗽、喀痰。
《治療》
ウイルス検査を行う。陰性でも経過中に複数回行い、抗インフルエンザ剤のタミフル、リレンザ吸入。近いうちに静脈注射用抗ウイルス剤が認可される予定。細菌による二次感染には抗生剤。状態で酸素投与、人工呼吸管理、人工心肺が使われる。
インフルエンザA(H1N1)は第2波が始まった。
終末にはH1N1ワクチン接種を求める長蛇の列が出来てた。州政府は、最終的には全ての州民が接種を受けられるから、現在はハイリスク者を優先して、健康な州民はワクチン接種を待つように伝えワクチン接種を待つ人々に対してナースがスクリーニングしていた。
アメリカの42週を下の図で示す。
日本国内の流行状況も冬期間の季節性インフルエンザで見られる流行水準に達している。
オーストラリア、ニュージーランドなど5月に入った南半球での感染者数は減少し例年のインフルエンザ患者数のレベルになっている。途上国でパンデミックに近い状態が起きそうである。ロシアのウクライナでは3週間に亘る社会的隔離対策が発表され薬局に市民が殺到し感冒薬とかマスクが売り切れた。
新型インフルエンザの流行予想には国内と海外の状況を見比べて行く必要がある。