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季節性インフルエンザワクチン接種による新型インフルエンザウイルスに対する交差抗体応答―米国
CDCは、現行の季節性インフルエンザワクチンを接種した前後の抗体応答を調べる研究に使った保存血清を利用、新型インフルエンザウイルスA(H1N1)に対する交差反応を調べた。
*6カ月~9歳群(79名)の小児では、接種前では新型ウイルスに対する抗体活性は認められず、接種後は季節性インフルエンザワクチンウイルスに対しての抗体上昇はあったが新型ウイルスに対する抗体は検出されなかった。
*18~64歳群(134名)の19%、60歳以上(63名)の3%が、新型ウイルスに対する抗体が上昇していた(勿論、季節性ウイルスに対しては、それぞれ74%と54%)。新型ウイルスに対する抗体上昇の程度は季節性ウイルスの1/5 ~1/10であった。新型ウイルス抗体価が160以上であった者は、ワクチン接種前で18~64歳群の9%、60歳以上群の33%であり、接種後でそれぞれ25%と43%になった。60歳以上のワクチン接種前の新型ウイルスに対する抗体価は有意に高かった。その説明としては、この年齢群の人には今回の新型ウイルスに類似したウイルスに以前に感染していたのかもしれない。亀の甲より年の功。
この結果は60歳以上年齢では季節性インフルエンザワクチンを打つ事により新型にもある程度効果があることを示している。予防接種プログラムの見直しの時の参考にもなる。
来年には新型ウイルス株ワクチンも季節性インフルエンザワクチンとして混合される。つまり人類に飼いならされる訳である。歴史は繰り返される。
小児の死亡が注目される。アメリカでは86人の小児が春以来新型インフルエンザで死亡した。このうち43人は9月から10月の初めの1ヶ月あまりの短い期間に死亡している。この小児の死亡数は異常であるとCDCのアン・シュチャット博士は警告している。通常インフルエンザで死亡する小児の数は年間40~50人とされる。死亡した小児の半数はティーンエイジャーである。驚くべき事として就学前の小児が最も感染しやすいことである。8月末に”フェアー”で集まったブタからのサンプルでH1N1ウイルス感染が示唆された。さらに詳細検査を行っている。もし確認されたら米国で初のブタへのウイルス感染となる。子供達からウイルスが移された可能性がある。スタンフォード、ルシル・パッカード病院で16歳以下の病院訪問を不許可にした。家族が死亡したとき等以外は訪問は不許可に。他の病院も考慮中と。国内でも状況は同じで、小児年齢での短期間での増悪と死亡事例が増えている。増えているといっても、週に数十万人感染している状況であるから、重症化、および死亡する小児例の確率は極めて低いが早期発見、早期治療で救い得るのかは現在のところ明確になっていないことが、小児科専門医としては辛い状況だ。確かに大多数の小児は、通常の季節性インフルよりも軽症であると、多くの小児科医は語っているのは事実である。いずれにしても重症化が予想される感染児童、5歳以下の小児(ハイリスクに相当する)には感染初期から抗インフルエンザ薬を投与するのは鉄則とかんがえる。
A)不用不急の受診を控え医療機関への患者殺到を避け医療機関が機能不全にならないようにすると共に医療機関内での感染も防ぐ。
B)教育委員会が目を光らす学校など以外でも学習熟、音楽熟、ダンス、水泳などスポーツクラブ、学外競技会などでの感染予防を徹底する。
C)かかりつけ医を持つ人は、軽い上気道炎症状で症状が軽い程度でインフルエンザかなと心配のならかかりつけ医に電話診療で相談、医師の診断を受け、必要なら抗インフルエンザ薬のタミフルなどをファックスで処方し薬局から薬を届けてもらう。D)ワクチン接種も大切。
ワクチンの優先接種対象者
医師、看護師、准看護師、新型インフルエンザ患者の診療に従事する職種
(一部は国産ワクチンの治験も兼ねている)
*訪問看護師 :条件付対象(インフルエンザ患者の在宅療養従事)
*検診機関の従事者 :対象外
*企業内診療所 :対象
*歯科医師および医療従事者:基本的に対象外
*調剤薬局の薬剤師 :対象外
*保育士、介護士 :対象外
*保健所職員 :条件付対象 (インフルエンザ対策に従事 対象確認の方法は検討中)
*1歳未満養育乳児院職員、里親 :対象
*特別養護老人ホーム、介護老人保健施設の医師、看護師 :条件付対象
*1歳未満の乳児と同居家族(祖父母などを含む) :対象
第41週 (H.21.10.5~10.11)
日本各地の流行状況。
インフルエンザの定点当たり12.92、1週間の患者報告数61583人となり、前週の値6.40より大きく増加した。1週間に受診した患者数の推計は約64万人である。都道府県別では北海道(38.96)、愛知県(23.52)、福岡県(23.48)、神奈川県(21.63)、沖縄県(19.48)、東京都(18.98)、大阪府(16.96)、埼玉県(16.89)、兵庫県(16.54)、千葉県(15.79)の順になっている。北海道、首都圏、愛知県、大阪府、兵庫県、福岡県等の大都市圏を中心とした流行は更に拡大し、本格的な流行になってきており、第35週以降減少が続いていた沖縄県も増加に転じた。警報レベルを超えている保健所地域は47箇所(北海道14、埼玉県1、東京都2、神奈川県9、愛知県8、大阪府4、福岡県7、沖縄県2)、注意報レベルのみを超えている保健所地域は174箇所(29都道府県)と共に増加した。検出されているインフルエンザウイルスの殆どが新型インフルエンザウイルスAH1pdmである状態が続いており、最近の発生患者の殆どが新型インフルエンザに罹患しているものと推定される。