8月2日、私の軽営する開設8年になるグループホーム「笑顔」では88歳になった方の米寿祝いが開催された。参加者は9人の利用者、その中の2人の家族の4人、スタッフ全員の8名に隣人2人の合わせて23名。今日の主役の方は2年前、先に88歳になった人の祝いに参加している。自分の番が来るのを楽しみにして来た。昨日から美容院に行ったり、おめかししたりで落ち着かず、今日は朝早くからお孫さんがプレゼントを持って駆けつけてすっかり緊張し表情が硬かった。プレゼントを貰ったり演芸が進むに連れて徐々にほぐれてきた。スタッフの娘さんが作ってくれたピンクの花で縁取られた横断幕は可愛いく会場を華やかにしていた。アトラクションは81歳のお年寄り。いつも自分で育てた野菜を差し入れて呉れている。歌謡曲に合わせてマンボを踊ってくださった。途中からスタッフを誘い一緒に踊り皆を湧かせた。続いて八百屋の娘さんの日本舞踊。朝早く指宿名産のオグラ摘みを済ませ駆けつけて呉れた。化粧する暇も無かったらしい。溌剌とした踊りを披露した。若いという事は素晴らしい。利用者もうっとり。続くスタッフのコスプレの2人羽織りは一同、腹を抱えて笑った。まるで阿修羅像。肝心な時に4つの手が出て来た。それにしても芸が上手い。スタッフ全員による合唱も伴奏なしなのに結構うまい。私達夫婦に順番が回ってきた。妻はリコーダー、私のギター伴奏で瀬戸の花嫁を合奏した。続いて私がギターの弾き語りで恋の町札幌を唄った。最後は利用者全員による唱歌合唱。いつも唄っている歌なので慣れている。踊りながら唄う人も出て最高に盛り上がった。最後はスタッフが朝早くから準備したランチに舌鼓を打ちながら談笑。



固定リンク
21世紀になり地球環境問題、新興および再興感染症流行などグローバルな危機管理に対する公衆衛生の役割と責任は一段と増し、SARS、新型インフルエンザなどでの世界保健機関(WHO)の活動がその存在感を大きくしている。日本における2000年の健康日本21、その3年後の健康増進法の制定は国民の健康への意識を高めた。これまで私は一貫して個人水準の医療のみに関わり続けて来た。しかし、ここ数年は社会水準の健康も考えなければならない立場にあり、社会医学的領域の知識も学ばせて貰っている。現時点の公衆衛生の直面している問題に対する私見を述べる。 感染症危機管理 1998年アジア各地で高病原性鳥インフルエンザH5N1が発生した折、政府は国内流入を想定し新型インフルエンザ対策委員会を立ち上げて行動計画を策定した。今年の2月には最新の科学知見に諸外国の状況を加味し専門家会議で検討した結果を踏まえ新たにガイドラインを策定し直した。4月下旬、唐突にメキシコで新型豚インフルエンザAが発生した。政府は新しいガイドラインに従って空港・港湾でのウイルス侵入を食い止めるための防疫強化と国内発生を封じ込める体制を敷いた。新型インフルエンザの症状が軽度と分かってもこの体制を見直さないままに国内発生が確認され患者が多発し既定のガイドラインでは対応が出来ないとの自治体からの陳情を受け、初めて実情に合う様に緩和した。法律による措置を伴う公衆衛生政策は厳しくするのはたやすい。たとえ空振りに終わっても行政の責任は問われない。逆の場合には大変なことになる。しかし個人の行動を制限し経済活動を停滞させる政策は必要最小限にすべきである。当初の国の物々しい構えと患者数の集計に終止するのみで恐怖を煽るマスコミ報道が社会不安を大きくした事は誰の目にも明らかである。これは結果論かもしれない。兎も角、インフルエンザの国内侵入と国内発生を遅らせ患者の同時多発を抑える事が出来、医療サービスの破綻を何とか防げた。そして検査体制や医療体制を整備する時間稼ぎが出来た。この間の検証が今後の新型インフルエンザ対応に役立つ。所で流行は夏には治まると見られていたが、拡大を続けており、南半球では猛威を振るっている。ウイルスは月日の単位で変異を繰り返す事もあり、秋以降の大流行が心配される。国は公衆衛生のサーベランスを続行しながら薬剤耐性ウイルスの出現の監視と予防ワクチンの有効な普及を急ぐ必要がある。特に全ての医療機関が覚悟して治療と拡大防止に専念しなければならない。話は変わるが平成19年に10~20代の若者の間で流行した麻疹は、これまでの日本の予防接種政策の弱点を突いた。予防接種は費用対効果の優れた公衆衛生の介入手段である。予防接種で予防できる感染症はワクチンで防ぐ事は国際標準である。多くの国が国民の集団防衛の観点から義務化での接種を徹底している。日本は副作用に対する過剰な抵抗感があり、接種は徹底されず諸外国との間のワクチンギャップがある。最近の若い母親は麻疹が肺炎や脳炎などの重篤な合併症を起こす致命率の高い病気であるとの認識が薄い。予防接種の重要性の啓蒙とともに予防接種にアクセスしやすい環境作りも大切である。それに関連して乳幼児に対するHibワクチン、高齢者への肺炎球菌ワクチンの接種も積極的に進める必要がある。ところでウイルス肝炎は国内最大の感染症でインターフェロンでの治療が可能であり肝硬変、肝癌への移行を防ぐ事が出来る。国は全ての国民にウイルス検査を行い、陽性なら治療を受けさせてウイルス肝炎を撲滅する計画を立て、医療補助制度も設けている。しかしインターフェロン治療への抵抗感もあり国の思惑通りには進んでいない。各医療機関での個別の啓蒙も大切である。 タバコの健康問題について 1981年平山論文は受動喫煙と発癌の関連性を警告した。その後の世界各国の膨大な研究は、この事を科学的に証明している。2005年に世界保健機関(WHO)総会はタバコ規制枠組み条約を加盟国の全会一致の賛同で制定した。成立に大きく貢献した当時の事務総長ブルントラン女史は、後にノルウエーの首相にもなった人である。現在、多くの国は人々の集まる場所での喫煙が周囲のタバコを吸わない人やそこで働く人に重大な健康被害をもたらすとして、その様な場所での喫煙を禁止する受動喫煙防止法を制定してタバコ規制に大きな効果を挙げている。未だにタバコ事業法が残っている日本は税収をタバコに頼っている関係もあり諸外国に大きく遅れを取っている。その有様は若者の集まる盛り場やライブハウス、飲食街に少しでも身をおけば伺い知る事が出来る。またホテルやレストランでも禁煙席とは名ばかりで意味の無い分煙や換気装置で済まされている。まだまだ受動喫煙の害に対する意識の低さを痛感できる。全面禁煙にすると客の減少で経営面の事を危惧する場合も多い。むしろ欧米での調査によれば逆の報告が多い。日本の特定健診、特定保健指導の中では動脈硬化を促進し血管を傷つける高血圧、肥満、糖尿病、高脂血症などはメタボリック症候群として重要視されている。喫煙は趣味や嗜好ではなくニコチン依存症及びタバコ関連疾患である動脈硬化性血管閉塞症、肺がん、慢性閉塞性肺疾患の両者を合わせ持つ疾患と捉えるべきで、喫煙習慣があるにも拘わらず健診診断報告では健康状態とされる。いま全世界が人類生存に大きな影響を与える温室効果ガスの削減対策に取組んでいる。日本は、積極的に国民のタバコの健康問題にも目を向けるべきである。喫煙場所が狭くなればなるほど喫煙人口は減少しているのは明らかで、公共の場での禁煙は決して自主同意でなく法による規制しか無い。
固定リンク