でんさん
More プロフィール

Search

Calendar

<< 2009/07 >>
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31

トップページ

Doctors Blog

新着コメント

新着トラックバック

< 前のページ

 要介護度の認定基準は3年ごとに行われる介護報酬改定に合わせて見直されて来た。今年44月に導入された新基準は施行前から旧基準よりも認定が軽度に出て介護現場に大きな混乱が生じると指摘されていた。蓋を開けてみて案の定、非該当が増え、これまでより全体的に軽度に認定される傾向が出てきており、批判を受けた形で、途中より更新申請者が希望すれば旧来の介護度を維持する経過措置が取られた。更新申請者の83.1%の人がそれに応じた。従来より軽くなった場合は元に戻すが60.2%、重度になっても軽度に成っても元に戻すも21.1%いた。新基準で審査した4月、5月の28万人の検証では、非該当の割合が2.4%と旧基準の時の0.9%を大きく上回った。また非該当から支援1、2、介護1までの軽度認定は53.6%と4.1%増加した。新規申請の場合は経過措置の対象外のあり新基準では実際より低く出て不平等に成ってしまっていると予想される。この経過措置が取られた事で認定審査員は非常なストレス状態にある。新基準で審査を行い介護度を決定した後に、あらためて申請者が前のままの介護度を希望している場合は、今、審査して決めたばかりの判定が覆される。これでは新基準での審査判定作業の意味が無い。昔のロシアでの一番重い刑罰が一度掘った穴を埋め戻させる事だったそうである。自分たちは何の為に仕事をしているのかとの士気が低下、徒労感も強い。厚生労働省は7月28日に大幅に新基準を修正する事を「要介護認定に関わる検証・検討会」に諮問し了承された。調査項目の74項目のうち、43項目を修正する。認定審査員テキスト修正では①調査員が訪問したときにたまたま出来た事は日頃の状況で判断②起き上がりに自分の体で支える場合は何かにつかまれば出来る③不適切な介助が行われている行為でも適切な介助を選択する④行為が行なわれていない場合は類似行為で評価する等の考え方に変更する。10月からこの修正した基準で認定は行われる。4月から9月までの新規申請者の認定結果が要支援1以上で、認定が自分の状態に合っていないと考える人は区分変更や不服申請で非該当の場合は再審査で対応する。

固定リンク

がんは誰でもなる可能性がある。生涯で日本人2人に1人はがんになり、3人に1人ががんで亡くなる。人間の体は60兆個の細胞で出来ている。毎日、その1%、6億個の細胞が死んでおり、それを補うため細胞の再生が行われる。この時、遺伝子コピーのミスが起こって5千個位のがん細胞が生まれる。しかし免疫細胞によって除去される。がん細胞は不死身である。1個でも退治されないで残ってしまうと10年以上かかってがんに成長する。年齢が進めば遺伝子のミスコピーが多くなり、免疫機能も衰えがんになり易くなる。成人君子でもこれは免れない。がんは早期がんか進行がんかによって別の病気かと思われる程に治癒率に差がある。日本は癌の検診率は20%と低い。諸外国では80%である。2007年にがん対策基本法が出来た。早期であればそれだけ治る可能性が増す。喫煙、飲酒などは遺伝子のミス・コピーを増やす。バランスの取れた食事や運動など規則正しい生活習慣は免疫機能を高める。生活習慣を見直して定期検診を受ける。これががん克服の早道である。特に乳がん、大腸がん、子宮頸がんは検診が有効である。

固定リンク

太陽光発電を普及させる為に経済産業省は今年の冬から家庭や企業で太陽光発電を使用し、余った電力を現在1キロワット当たり24円を2倍の48円で電力会社に買取らせる。省エネ発電機や燃料蓄電池を持つ場合39円。このコストを一般家庭や企業など全ての契約電気消費者の電気料金に転嫁する。

固定リンク

スマートグリッドとは賢い「電力網」のこと。オバマ米国大統領が経済復興支援策の目玉にして有名になった。全国レベルで送電線を網の目の様につなぎ環境保護の観点から自家発電も含め風力や太陽光などの地球にやさしい発電設備や蓄電池など電力源を多数確保する。太陽電池や風力発電など再生可能エネルギーの普及もスマートグリッドの狙いである。一方で電力消費をリアルタイム計測してITソフトを使い需要と供給バランスをセンター管理連携させ制御することで、安定した電力供給を実現出来る。「スマートメーター」と呼ばれる「次世代の賢い電力メーター」経由でエアコン等の機器と電力会社のサーバが接続される。家に設置したソーラーパネルで生産した電力を電力会社に売る。その設備費用を電力使用の全消費者に負担させる太陽光サーチャージ制度が始る。原油価格の高騰のあおりを受け航空各社が燃料サーチャージとして利用者に負担させた様な事になる。喜んでばかり居られない。

 

固定リンク

ある病院の理念ー私達の生活の基盤は健全な病院の経営から得られる収入である。経営が安定してこそ良い医療が出来る。そして患者さんにも優しく出来る。日本医師会の医の倫理綱領には6.医師は医業にあたって営利を目的としないと掲げている。正しいが、今は殊更に強調する事でもない。医療財政は最低の医療機能を維持するのも難しい。この営利と言う言葉は意味を失っている。違和感さえある。時代は変わった。

医師としてのプライド、使命感は大切である。しかし医療は医師の自己犠牲の上に成り立たせてはならない。いつかは崩壊する。医師個人の身の丈にあった範囲の医療を行い、従業員の全てに役割をシェアする取り組みが大切である。

固定リンク

最近、医療機関や介護施設で悪質なクレームや暴力事件が増えている。理由としてはマスコミが医師などの不祥事を殊更に大きく取り上げて医療機関への不信感を生じさせている。お客様は神様です的な消費者保護の社会的風潮のために自分は正しいと思い込み主張を通す権利意識の強い患者や利用者が増えている。一方、医療機関側はクレームに対し真摯に対応する姿勢が定着して来ており、これに乗じて悪質なクレーマーが横行し暴力事件、セクハラが増加している。問題行動を起こす患者への対応はどうすれば良いかを考える。「医療機関はいかなる状況でも診療拒否が出来ない」と思っている医療関係者が多い。これは誤りで「生命に切迫した危険が迫っている」場合であり、診療を受ける態度、行動が威圧的で診療側に損害を与え、2度と来て欲しくない患者で、拒否すべき正当な理由があれば診療は断って良い。殆どがクレームや言いがかりをつけようとしている場合が多い。診療拒否する理由を明確にしておくことが大切、特に暴力を振るうような患者に対しては「暴力行為で診療の前提である信頼関係が失われた」として拒否出来る。暴力行為に対しては警察を呼んで問題を大きくして以後の診療を拒否する。暴力行為の対策の基本はすぐ警察官を呼び警察沙汰で問題を大きくする。そして暴力行為で医療行為の前提となる信頼関係が構築できないとの理由により以後の診療を断る旨を文書と口頭で「施設内への立ち入り禁止」をそして無断立ち入りした場合は、不法侵入として警察を呼ぶと告知する。解決には弁護士を活用する。交渉窓口を弁護士に移管する。医師会には顧問弁護士がいるので早めに相談することである。

次は2008年5月のブログからの再掲です。

私のクリニックは19床の介護療養型医療施設を持ち外科標榜の有床診療所である。当地区には外科系医療機関が少なく救急の夜間輪番が短期日置きに回って来る。それ故、担当医療機関にとっては相当な負担を感じる。私の所は一般病床を持たないので夜間当番をする条件を欠き、引き受ける義務も無い。そして看護師数も少なく余裕も無いのだが、それでも地域のためと考えて1ヶ月に2~3回の当番を引き受けている。入院する程の患者が出たら高次救急病院の国立病院にお願いすると言う条件付である。そんな事情を知ってか知らずか、先日の当番日に憤慨やるかたない患者に遭遇した。今年の初め頃から酒に酔っては、若い頃、公務中に負傷して手術した所が痛んで疼くと言っては救急車を呼び、外科輪番医に搬送を強要し鎮痛剤の注射を要求する男がいる。そして中毒状態になって仕舞っており、注射を拒むと暴言を吐き最後には暴力を振るうらしい。この患者に対して地区の消防、警察そして医師会ので問題になっている。こと体に関する事であり診療を希望すれば無下に断るわけにも行かない。これといった解決策も無いままに、対応としては、差し迫った体の状況が無ければ消防署は当番医には救急搬送はしない。そして自分で選んだ医療機関に行くように指導とした。ところが今度はタクシーで当番医に押しかけるようになった。その後も全く変わらなかった。当番医としては医療以外のことで煩わされ本来の急患診療に支障が生じた上に暴力沙汰まで起こるのはたまったものではない。看護師はじめ事務員も怖がって輪番日の担当になりたくないと言い出している。医師会としても事態を憂慮し解決策を探った。しかしどうしようもない。そこで消防署、警察に協力を求めた。当面の解決策としては適切に対応しても暴言、暴行にエスカレートしたら警察に連絡するようにとの確約を貰い、医療機関側の不安を取り除いた。幸いかどうか私はこれまでその患者に遭遇していなかった。最近は、そんな話の情報も耳にしなくなっており解決したのか思っていた。ところがである。先日、私をその災難が襲った。輪番日を意識して、早めに夕食を済ませ待機していたところ救急隊から中年の男が手を負傷している。縫うほどではないが搬送してよいかの連絡が入った。負傷者の名前も言わない。それぐらいの怪我に救急車が出動するのもおかしいと一瞬感じたが、怪我なら診ない訳にいかないだろうと考え直して、連れてくるようにと返事をした。暫くして救急車が到着した。ストレッチャーの上には屈強そうな男がおとなしく声も出さずに寝ている。酒に酔っているらしい。診察したがバイタルもしっかりしている。手の傷はかすり傷である。他に外傷も無い。救急隊員のほうを振り返り事情を聞いたが返事が今一つはっきりしない。恐る恐る口ごもりながら事情を説明した。あらましは父親とけんかをして負傷した。連絡を受け警察が急行しその場の状況から救急車が呼ばれたというものだった。警察は後からくる。同居の女性も付いてきているので私達はこれで失礼するとそそくさと帰っていった。残された私と看護師はまじめに傷の手当てを行い対応した。患者はその時まではおとなしかった。ただ背中の痛みを盛んに訴えた。しかし背中を診ても何も変わったことは無い。そこでピンと来た。件の男である。酔っていることもあり、看護師に耳打ちしてそのまま寝かして様子を見ることにした。私達が取り合わないの不満なのか、そのうち私達に対し、何をしているのか背中の痛みを止めろとなじりだした。危険を感じた私は早速、取り決めた通り警察署に電話した。電話に出た当直係りは、その患者の事は承知しているらしく私の事情説明を聞くか聞かないうちに、その患者は現在暴れているのかと聞く。私はそう言うわけではないがこれから大変になりそうなので応援をお願いしていると言った。なにか暴れたりして危害を加えなければ出動するわけに行かないの一点張り。こちらも必死である。興奮して口も渇き言葉も震えたが食い下がった。電話の向うでは上司と連絡し合い、行く必要も無いのではないかとの確認を取っている声が聞こえている。以前にも夜中に似たような事があった。そのときも危害を加えられ人が怪我をするか物を壊され無い限り対応できないとの事で職員を全員招集し対応した。一応来ては呉れたが掴みかかられ負傷してやっと対応してもらった経験がある。今回の場合は他の医療機関でも大変なことがあったことを警察も知っているはずであるし、医師会としても何度か相談している。それにも拘らず現場まで連絡が行き渡っていないと見えた。結局、私の必死の訴えが通じパトカーが向かってくれることになったが来るまでの10分間の間にベッドから起き上がった患者は暴言を吐き、暴れだした。ついにはドアを蹴散らし、叩き破ったのである。到着した警官が外に連れ出してクリニックはやっと静かになった。患者のこぶしには来た時よりも大きな傷が出来ており血が流れていた。こちらはそれどころではない大きな心の傷が残った。昨今の救急医療体制が不足する中で、我々一人医療機関の医師会員が義務感、使命感をもち無理をして協力しているにも拘らず医療以外の事で煩わされる事は遺憾である。警察をはじめ消防署など行政・公的機関はそのことを理解し救急医療機関を守って欲しいと切に思ったことである。

次は2008年5月15日発信のブログです。

薬物依存の患者さん。

45歳の男性で元警察官。警察署在職に事件対応途中、背中に銃弾を受けて摘出手術を受けた既往がある。最近になり、夜中に頻回に、飲酒して酩酊状態で負傷した背中の瘢痕部が痛いので病院に救急搬送を消防署に依頼するようになった。救急隊も最初の頃は、電話での要請の都度、輪番病院に搬送していた。外観上も救急車で医療機関に搬送するほどの状態では無く、病院に収容された後、自分から疼痛部に局所麻酔剤のカルボカインを注射するように要求する。言われるままに注射してやると痛みも治まりおとなしく帰宅する。このような事が毎晩のように繰り返される様になり、消防署も業務にも支障を来たし兼ねないと堪り兼ねて本人と同居している女性に民生委員を交えて話し合い余程、状態がおかしくない限り救急車は呼ばないように取り決めた。ところが今度は飲酒した後、同居の女性に運転させて毎晩のように当番医に押しかけては注射を要求するようになった。対応する医療機関は飲酒後に来院し、外観上異常は認められないのに患者の言うままに局所麻酔剤を注射するのは躊躇される。また保険請求上も困って仕舞った。注射を拒否すると暴言を吐き手が付けられなくなる。警察にも相談したが、実際に暴力沙汰が起こらない限り手は出せないと言う返事であった。どうにも手の打ちようが無い。これが毎晩のように繰り返されている。言うがままに続けていたらますますエスカレートしそうである。被害にあった多くの医療機関はどうしようもないという事で地元医師会に相談した。こんな状態が続くようであれば輪番業務にも支障が出そうである。そこで、県医を通じて警察本部の暴力追放推進委員会に相談した。答えは、地元の警察署には事情を話してあり困った状態になったらすぐ110番するようにとのことであった。長年開業していれば酔っ払い、ペンタジン中毒など、これまでも似たようなことを数多く経験している。夫々に複雑な事情がありこれと言った対応方法がある訳でない。結局、最後は第3者機関の行政や警察に相談することになる。リセットして地域全体で事に当たるのが早道である。

 

固定リンク

2009.07.21 16:05 |  生活 / くらし  |  その他(一般)  |  でんさん  | 推薦数 : 0

カーボンフットプリント

経済産業省は今年から試験的に、一つ一つの商品に原料調達と製造、廃棄されるまでのCO2排出量をプリント表示する事で企業および消費者双方が地球温暖化防止を意識し、地球全体のCO2排出量を減らす取り組みを推進するカーボンフットプリント制度を普及させる。カーボンフットプリントは商品の温室効果ガスの排出量を二酸化炭素に換算して表示する。消費者はCO2排出量の少ない商品表示を見て選択し企業はより排出量の少ない商品製造に努力する。食品にカロリー栄養を表示して消費者が適正なカロリー摂取量を考えて商品を選ぶのと同じ考え方である。

 

 

固定リンク

グローバル・ヘルスと公衆衛生

21世紀に入り地球環境を含む公衆衛生の重要性が増した。SARSや今回の新型インフルエンザで発揮したグローバルな感染症危機管理での世界保健機関の機動力と成果は注目に値する。日本での2000年の健康日本21、その3年後に制定された健康増進法は国民の健康志向は高揚した。私は卒後一貫して個人の疾病のみに関わり続けて来たがここ数年は公衆衛生担当として社会水準の健康も考えなければならない立場にいる。お陰で社会医学的領域の知識も学ばせて頂いている。現時点の公衆衛生が直面している問題への私見を述べたい。

 

感染症危機管理 

 1998年にアジア各地でH5N1鳥インフルエンザが発生した時、政府は新型インフルエンザ対策委員会を立ち上げて毒性の強い鳥を起源にしたインフルエンザに対応可能な行動計画ガイドラインを策定していた。そして今年の2月に新しい知見や感染症法、国内事情を考慮して行動計画を改定した。ついに4月下旬に豚を起源にした新型インフルエンザA・メキシコが発生した。政府は新しい行動計画に従いまず水際での空港や海港からのウイルス侵入を防ぐための防疫と封じ込め作戦を取った。神戸で国内発生が確認され感染の広がった神戸の現場からは厳しすぎる行動計画は実情に合わずパンク寸前との訴えとウイルス毒性は低い事が明らかになり、やっと柔軟な対応に移行した。公衆衛生政策は厳しくするのは簡単である。しかし個人の行動制限、権利の抑制そして経済活動の停滞は必要最小限にするべきである。国の当初の物々しい対応とマスコミによるインフルエンザの恐怖を煽る報道が社会混乱を起こした。今回は国の認識と現場状況との間にずれが有った。国と地方自治体はコミィ二ケーションを密にし、情報を共有する必要がある。それは兎も角としてインフルエンザの国内侵入と国内発生を遅らせ、患者の同時多発を抑えることで医療サービスの破綻を防げた。その間にも全国レベルの検査体制や医療体制を整備するだけの時間稼ぎが出来た。この一連の対応の検証は新たな鳥インフルエンザ対策のモデルになる。これからの課題は再燃に対する予防ワクチンの接種と医療体制の強化であり各医療機関のこれまで国および医師会が中心になり推し進めてきた院内感染対策機能をフルに発揮して二次感染の防止に努める事にある。

平成19年の10~20代の若者の間に流行した麻疹はこれまでの日本の予防接種政策の弱点を突いた。予防接種は費用対効果に優れた公衆衛生の介入手段であり、予防接種で予防できる感染症はワクチンで防ぐ事が国際標準となっており、諸外国では厳しい義務化が行われている。ワクチンギャップと言われているが日本では副作用に対する過剰な抵抗感があり予防接種が徹底されていない。致死率の高い麻疹の怖さを知らない若い母親が増えており接種の重要性の啓蒙と接種にアクセスしやすい環境作りが必要である。新型インフルエンザに対するワクチンの製造は急がなければならないが、再燃に備えて国としても高齢者への肺炎ワクチン、乳幼児に対するHibワクチンの予防接種を積極的に進める必要がある。次に肝炎は国内最大の感染症でありインターフェロンで治療可能であり肝硬変、肝癌への移行を防ぐ事が出来る。国はインターフェロン医療補助制度を初め、ウイルス検査と治療体制に補助制度を設けている。インターフェロン治療への抵抗感もあり国の思惑通りには進んでいない。全ての人がウイルスチェックを受けて陽性ならば医療機関にアクセスすべきであろう

 

タバコの健康問題について

 

1981年に平山論文の受動喫煙と発癌の関係は、その後の世界中の膨大な研究によって確認されている。後年ノルウエー首相になったブルントラン女史が世界保健機関(WHO)の事務総長であった2005年総会で加盟国の全会一致の賛同を得てタバコ規制枠組み条約が制定された。それ以降、諸外国では多くの人が集まる場所での喫煙は周囲の非喫煙者及びそこで働く人々に重大な健康被害をもたらすとして、その様な場所での喫煙を禁止する受動喫煙防止法を導入している。しかし未だにタバコ事業法が残り、税収をタバコに頼っている日本は世界に大きい遅れを取っている。その有様は若者の集まる盛り場やライブハウス、飲食街に少しでも身をおけば伺い知る事が出来る。またホテルやレストランでも禁煙席とは名ばかりで意味の無い分煙で済まされている。特定健診、特定保健指導では動脈硬化症を進行させる高血圧、肥満、糖尿病、高脂血症のメタボリックシンドロームの危険因子のみに焦点を当て硬化の最大因子の喫煙習慣は禁煙支援など指導の対象となっていない。禁煙補助剤も保険収載されている。喫煙はニコチン依存症と確立された疾患としての対応が必要である。今、世界は人類の生存に大きな厄災をもたらしつつある温室効果ガス削減対策に取組んでいる。同じように日本はタバコの健康問題にも真剣に目を向けないと将来、大きな禍根を残す可能性がある。特に公共の場での禁煙については自主同意でなく法による規制しか無いと考えている。画像


画像

 

固定リンク

画像



国民の健康を守る為に清潔な水を確保するのと同じように、予防接種は有効で費用対効果に優れた公衆衛生上の介入手段である。ワクチンで予防可能な疾患を予防していく為には国民がワクチンの有用性を正しく認識している事が重要である。副作用に対する過剰な抵抗感の存在する日本に比べ先進国では感染症ばかりでなく、 がん予防、難病の治療などヘルスリフォム手段として、ワクチンを応用する研究が進められている。このワクチンギャップをなくするように予防接種を国際水準に近づける必要がある。

固定リンク

2009.07.12 06:15 |  診療  |  医療制度 / 行政  |  生活 / くらし  |  その他(医療関連)  |  でんさん  | 推薦数 : 0

水俣 また再び

水俣病はチッソ工場が排出する有機水銀が原因として公式に確認されて1956年から53年が経過した。かつてチッソは日本ではじめて塩化ビニールを生産するなど化学工業をリードしていた。水俣市は税収の半分をチッソに依存する企業城下町であり、今でも市民の3分の1がチッソと何らかの関係がある。7月8日、国の基準では水俣病と認定されない未認定患者を救済する特別措置法・水俣病救済法が成立した。1995年に村山内閣の時に一時金など財源を確保するチッソ分社化が政治決着した。今回は第二弾である。未認定患者は約3万人。その6割が対象となる。水俣病については私が中学生のころ新聞に水俣には体が震えて真っ直ぐ歩けず最後には寝たっ切りになる奇病があり風土病として罹った人は他の人に知れるのを恐れて隠している。どうも猫にも起こるらしいと知った。水俣の人には申し訳ないが、その事を知った後は、ずっと水俣に対してナチスドイツのアウシュビッツ収容所、広島、長崎など原爆投下、ハンセン病隔離の歴史などの何か捉えがたいまがまがしいグロテスクで怖いもののイメージを持ってきた。その一方では怖い物見たさの関心も持っていた。昭和48年の夏、大学病院在局時代に関連病院である鹿児島の北に位置する高尾野町の町立病院に出張した。出水と浜続きで八代海に面しており、北には水俣湾がある。その時は水俣病が公式確認されすでに18年が経っていた。そして出水の漁民からも多くの水俣病が認定されていたし、認定を巡って患者団体と県や国との対立問題が新聞をにぎわしていた。すでに水俣湾は湾の入り口が金網で仕切られ湾の中の魚は湾外に出られない様にしてあり、その囲われた湾の中の魚を漁師が捕獲し、コンクリートで固め処分していた。料理に出される魚は、湾以外で取れたもので大丈夫といくら言われてもどうしても身構えてしまう。病院の恒例行事の潮干狩りに行ったことがある。潮の引いた砂浜に小さな穴を見つけて塩を入れると何を間違えるのか四角な長い棒の形のマテ貝が頭を現す。そこを素早く捕まえる。これが面白くてたまらない。取れた貝をバター焼きするとものすごく美味しかった。しかしどうしても気持ちの上で多くは食べられなかった。そのような雰囲気の中で過ごしていたある日の午後診療を終えてから車で水俣工場を見学に行く事を思い立った。着く頃には日が沈み工場は巨大な灰色の怪物のように私の前に立ち塞がった。外は蒸し暑く化学工場の町の空気を嗅いだ。これまで報道で見た写真映像を思い出し人影のまばらな暗闇の中で想像してままの水俣に会ったような気になり、その中で翻弄された人たちの人生を思い、厳かな気持ちで立ち尽くし祈った。街灯が涙にかすんだ。

固定リンク