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2009.06.30 06:02
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ケアマネと医療連携
ケアマネと医療連携
安全で適切な介護サービスのためにはケアプラン作成やモニタリング時には利用者の介護度にかかわらない主治医からの医療情報が必要である。それを確保するには主治医意見書および主治医との直接の連携は欠かせない。主治医意見書には介護を必要とするに至ったつまり生活障害の原因疾患についての情報が記してある。この医療情報は介護認定の資料としての役割の他にケアプラン作成での参考として重要な指南書である。一連の介護サービスは各職種がパート、パートばらばらに行うのではなくてチームを組んで情報を共有しながら行われる。サービス担当者会議ではケアマネを中心にしたチームの一員としてかかりつけ医は医学的指示とアドバイスを行う。そしてチームの全員がその情報を共有しなければならない。連携に当たっては、かかりつけ医も介護現場の状況を把握しそれに対する適切なアドバイスと処置を行う必要がある。各職種が時系列による変化について正確な情報交換行う必要がある。その為にケアマネは勿論、他の介護スタッフも医療に関する共通言語を知る必要がある。
加齢による生理機能の低下:身体機能、精神機能、生活機能。
*生理的老化:自然な経過、年齢相応。~遺伝も関係。
*病的老化:ライフスタイルの食習慣、運動習慣、酒・タバコなど嗜好品、環境要因、~個人差が大きい。作られた老化。
健康長寿:高齢者は
QOL
(生活の質)が大切~介護を必要とせずに健康を保ち長生きする。
疾患による機能低下:老化
+
疾患による機能低下。
*脳梗塞:運動機能低下(筋力低下、麻痺)。
*心臓弁膜症:心機能低下(心不全)。
*リュウマチ、関節疾患:筋・関節の運動制限(拘縮)。
廃用症候群:身体的、精神的、社会環境的な活動性低下による機能低下。
* 精神状態が身体機能に影響:鬱・閉じこもり。
* 生活状況が身体機能に影響:役割の喪失・非活動 呼び寄せ老人。
高齢者の身体疾患の特徴
(1) 複数の病気をもち多種類の薬を内服している:生活機能低下に関連した原因疾患を判断する。
(2) 症状は非定形的で若い時と反応が異なる。:心筋梗塞でも胸痛が軽い。肺炎でも熱が無い。全身の観察と基本的診察や検査を行い見逃さない。
(3) 身体疾患が原因して精神症状が現れやすい。:認知症、意識障害、せん妄。
(4) 難治であり慢性化し障害を残し易い。早期に把握して治療が大切。免疫能・心腎機能の低下など恒常性を保持する能力が低下している。
加齢による身体・精神機能の低下と疾患
。
①
循環器
安静時の心機能は変わらない。運動、労作に心機能が追いつけず心不全に陥る。運動時に動悸、息切れ、心室性期外収縮、洞不全症候、心房細動などの不整脈が出る。慢性的に心房細動など不整脈があると心内に血栓が形成され脳塞栓を起こす危険が多くなる。ワーファリンによる抗凝固療法が必要である。老化の根本は高血圧、高脂血症、糖尿病、喫煙、肥満など危険因子から促進された動脈硬化で冠動脈,脳動脈,下肢動脈などの閉塞から心筋梗塞,脳梗塞,下肢脱疽を起こす。
②
呼吸器
肺の弾力低下,胸郭運動低下は肺換気機能
障害を生じ血中酸素濃度が低くなる。運動時に息切れする。咳嗽反射の低下、気管支粘膜の線毛運動低下で喀痰排出が悪くなり気管支炎や肺炎になり易い。喫煙習慣は慢性閉塞性肺疾患から低酸素血症の経過から酸素療法を必要とする様になる。
SPO2
の計測で酸素吸入流量の調整。気管支拡張剤テープ剤、吸入剤の使用。肺がんの罹患も増える。上気道炎から重篤な肺炎で急性憎悪を来たし重篤になる。気管支喘息による発作性呼吸困難はピークフローで診断。気管支拡張剤、ステロイド吸入薬でコントロール。既往の肺結核の再燃が免疫能の低下で生じるケース増えている。胸部レントゲン、喀痰
PCR
検査、血液
QFT
検査などで診断。
③
消化器
胃・腸管の蠕動運動低下や胃酸・消化液分泌の減少は
食欲不振や便秘を来たす。栄養障害で貧血、血中アルブミン量低下が生じ浮腫や筋力低下、心不全に繋がる。消炎鎮痛剤使用では大きな胃潰瘍を生じ易い。症状を訴えない事も多いので定期的検査、症状観察が必要である。吐血、下血で気付くこともしばしばである。
H2
受容体遮断剤、プロトンポンプ阻害剤の内服を行う。便秘は高齢者介護現場ではありふれた症候であるが機能的な便秘か癌などの機械的狭窄かなど鑑別が大切である。下痢と便秘の繰り返しや急な便習慣の変化があれば大腸検査を依頼する。慢性肝炎、肝硬変は
B
型、
C
型肝炎ウイルスに起因、輸血歴などがある。高齢ではインターフェロン治療よりミノファーゲン靜注など肝庇護療法。肝硬変では肝不全の予防、肝癌の治療が主体。腹水、浮腫、食道静脈瘤、肝性昏睡の治療。感染対策として水平感染では針刺し事故を防ぐ、滅菌器具・ディスポ製品使用。
④泌尿器
腎血流が減少し糸球体ろ過機能が低下す る。水分摂取量の減少、嘔吐、下痢からすぐ脱水状態に陥り易い。腎排泄の薬物の血中濃度が上昇して薬の副作用が出やすい。
急性腎不全は脱水、心不全、薬剤(抗生剤、鎮痛剤、利尿剤)、両側尿路閉塞などが原因。体液の恒常性が保てず老廃物排泄が悪くなり高血圧、乏尿、浮腫、体重増加、悪心、嘔吐の症状。慢性腎不全には糖尿病性腎炎、慢性糸球体腎炎がある。治療として透析、食事療法、高血圧制御。
尿閉は前立腺肥大、癌で起こりやすい。癌は前立腺外側に出来るので症状が出難い。
PSA
検査が有用。風邪薬の抗ヒスタミン剤や検査に使うブスコパンで尿閉が起こりやすい。
⑤
内分泌・代謝
高齢者ではインスリン分泌が低下する。糖代謝機能を低下させ糖尿病になり易い。糖尿病にはインシュリンの絶対的不足の1型、インシュリン抵抗性が低下したⅡ型がある。口喝、多飲、多尿がある。血糖コントロールは食事、運動、薬物、インシュリン療法を組み合わせる。摂取カロリーは25
K
カロリー
/kg
。3大合併症。末梢神経・自律神経障害、網膜症、糖尿病性腎症。末梢動脈硬化で下肢壊疽が生じやすい。フットケアが大切。高脂血症は血中コレステロール、中性脂肪の増加。一次性は遺伝、二次性は食事、糖尿病、甲状腺機能低下、腎臓病が原因。動脈硬化症の危険因子。高齢者は甲状腺機能も低下する。粘液水腫を生じ認知症に関係することも有る。
⑥
水・電解質
全身水分量は少なくなり、すこしの脱水で臓器の循環障害で機能不全をまねく。高齢者の身体機能にとって脱水の影響は大きい。介護現場では脱水による発熱、譫妄は良く遭遇する症候なので念頭に置いて置くべきである。
⑦
免疫
細菌やウイルス侵入に対する免疫機能は低下しておりインフルエンザなどの感染症に罹り易くまた治癒し難くなる。
⑧
骨関節・筋肉
骨中カルシウムは減少して転倒などの少しの外力で骨折し易くなる。女性に多い。関節軟骨が摩滅して関節変形し変形性関節症の原因になる。膝に多い。四肢筋力も低下する。運動習慣、仕事の種類、日常生活状況の影響が大きく影響して個人差が顕著。
⑨
感覚器・精神機能
眼球の水晶体混濁が65才以上で85%、75才以上では90%を超える。視力の低下の最大原因となる。高い音の聴力が低下し、話しているのは解っても内容が聞き取り難くなる。
皮膚感覚が鈍り低温熱傷の原因になる。皮膚皮脂腺・萎縮による老人皮膚掻痒症。水痘ウイルス再燃による帯状疱疹と疱疹後神経痛に留意する。介護施設における疥癬にも知識と対策の必要がある。
高齢者の精神機能は家族・人間関係、喪失体験、転居など環境に左右され、抑うつが前面に出やすい。自殺念慮に注意が必要。意識変容から興奮、幻覚、妄想状態に陥る譫妄は脱水、発熱、不眠、入院などの場所の移動による見当識障害、不安などが切掛けに成る。身体的、環境的要因を考えて対応する。認知症は記憶障害、見当識障害を核として生活に支障。早期発見、早期治療に適切なケアが重要と成る。
⑩神経・
運動機能
歩行,階段の昇り降り、逃避行動,はねる,身体バランス、自転車・自動車運転などの運動機能は中枢・末梢神経,感覚器それに骨関節・筋肉の複合的な機能であえい加齢変化で低下する。瞬発力や機敏性は早い時期から鈍くなる。安定な姿勢での体位保持や重心の動揺も大きい。動作緩慢で不安定になり転倒しやすい。骨折等の外傷を招き易い。
脳血管障害は運動機能、感覚・知覚機能を傷害する。動脈硬化からの脳梗塞、脳出血、心房細動など心由来の血栓から脳塞栓、脳動脈瘤破裂のくも膜下出血、頭部外傷後の硬膜下血腫がある。動脈硬化の危険因子のコントロールが発生・再発予防に大切である。急性期における治療では頭蓋内圧亢進の軽減、血圧コントロール、呼吸循環管理、血栓融解療法などが慢性期にはリハビリテーションや介護が主体と成る。脳変性疾患のパーキンソン病は震顫、筋固縮、動作緩慢、姿勢歩行障害を主体とする神経疾患で薬物療法とリハビリが重要。
⑪口腔・歯
口腔粘膜は萎縮して唾液分泌減少し粘稠となり口が渇きやすい。歯の摩耗と変形,位置移動,歯数の減少が認められる。不適切な歯の管理や治療による場合も少なくない。
⑫その他
女性の場合、更年期の女性ホルモン分泌能低下による骨粗しょう症と骨関節変形と易骨折、高コレステロール血症にも注意。骨盤底支持組織脆弱からの子宮脱、帯下、尿閉、失禁も問題となる。
高齢者の日常生活動作(
ADL
)と身体機能。
1
.
視力
焦点調節機能の低下や白内障での視力低下が多い。緑内障による視野狭窄も少なくない。糖尿病性網膜変性での視力障害も多い。
2.聴力
聴神経の老化により高い音が聞こえ難くなる。発語は聞こえても内容理解が難しくなる。外耳道の垢で閉塞して聞こえが悪い事も多い。
3
.
発語
脳血管障害からの失語・構音障害は発語障害を来たす。歯や義歯の状態は発語を不明瞭にする。
4
.
咀嚼
経口摂取は咀嚼で始まり食べる楽しみでもある。歯や義歯が大きく関係する。
5.嚥下
嚥下には口腔筋、食道、胃の平滑筋、神経が関与し脳血管障害による嚥下障害が多く食道癌、食道裂孔ヘルニアの場合がある。嚥下機能を評価し残存機能に応じた食餌形態と摂食介助が欠かせない。食事場所、雰囲気等の環境も咀嚼に関係する。
6.
四肢の運動
歩行、移動、食事、排泄、更衣、入浴など
ADL
には四肢の運動が大きく関係する。四肢の運動は神経、筋肉、骨、関節などの状態で変わる。脳血管障害からの片麻痺が多い。変形性脊椎症による下肢筋力低下や運動麻痺も多く、不活発な生活からの廃用性筋力低下もある。大腿骨頸部骨折など四肢の骨折の後遺症によるものもある。変形性膝関節症などの関節可動域制限や疼痛による拘縮による運動制限も有る。知的活動、意欲なども関与して、うつ状態では運動活動低下、認知症の失行による運動機能低下もある。
7.排尿
中枢神経、膀胱、尿道括約筋が関与し大脳からの知的機能も関わる。
失禁は脳血管障害に多く、排尿をコントロールする神経の障害からの機能性失禁、脳血管性認知症の知的機能低下による場合も多い。
男性では前立腺肥大症の尿道狭窄による溢流性失禁、女性では膀胱括約筋機能低下の切迫性失禁が多い。
膀胱炎では頻尿がある。不安・鬱の精神症状として心因性頻尿も多い。
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