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季節性インフルエンザは、北半球と南半球で毎年冬に流行る通常のインフルエンザである。主にA香港型、Aソ連型及びB型である。1990年以降はA香港型が主流でAソ連型は数年置きに流行っている。B型の場合は1年毎に流行る。それもA香港型に続いて流行る。これらの季節性インフルエンザが発生するのはウイルスの遺伝子の一部が連続的に変異を繰り返して抗原に変化が生じるので感染宿主にそれに対する抗体がないためである。麻疹は一度罹ると生涯の免疫が出来るが変化するインフルエンザには基礎免疫は兎も角、特異的免疫は出来ない。ある年にインフルエンザに罹ってもそのウイルスに対する免疫は出来るが、翌年にはウイルス遺伝子の構造が変異するために前年獲得の免疫は効果がないのである。そのためインフルエンザの予防接種は毎年接種する必要がある。年毎のワクチン製造に用いるインフルエンザの型はWHOが南半球および北半球で秋から冬季の間に流行ったウイルスを調べ、反対の半球にどのインフルエンザが流行したかを経験的に判断予想し、そのインフルエンザの亜型をワクチンとするように推奨したものである。季節型インフルエンザには多くの人が暴露されており基礎免疫を持っている。シーズンにより増減はあるものの、毎年、人口の10~20%の患者の発生があり、感染して症状が出たとしても、発熱は数日間続くが大抵の人は回復する。他疾患で抵抗力の弱い人や高齢者以外は死ぬほどの高病原性は持たない。新型インフルエンザは、健康な若者を死に至らしめる。これはウイルス自体の病原性、あるいはサイトカインストームが考えられるが、今のところははっきりしていない。新型インフルエンザウイルスが出現し流行した場合は誰も基礎免疫を持っていない。ワクチンもウイルスが出現してから製造に入るので、使用できるまでに6ヶ月を要する。季節性のインフルエンザが流行して多くの人が感染して免疫を持つ人がどんどん増加していく一方、ウイルス側も、ヒトの免疫から逃れるために毎年少しずつ連続変異し流行を続けるので毎年その流行の様相は変化する事は前述した。狭い地域で流行っても広範囲に及ぶことはない。医療機関に患者が集中し需要が供給量を大きく超えて、医療が受けられなくなるというような事態にはならない。新型インフルエンザでは、膨大な数の患者が発生して、医療従事者も罹患することから、医療システムが破綻することが起こる。 季節性のインフルエンザでも、流行期には学校閉鎖が行われたり、罹患して仕事を休まなければならなかったりするような状況があるが、経済全体に大きな影響を及ぼすことはない。新型インフルエンザでは、その流行の規模が膨大なため、長期の学校閉鎖になったり、旅行の制限が行われたり、集会とか映画館などのたくさんヒトが集まる場所を閉鎖したりする可能性があり、企業の存続のみならず、世界的な経済への深刻な影響が懸念されている。世界で広がりを見せている新型インフルエンザA(H1N1)感染者数の立ち上がりがなだらかなほどワクチンの製造のための時間稼ぎが出来る。また爆発的患者発生による社会機能や医療機関機能の破綻が少なくなる。日本の水際作戦は効を奏して来ている。これまで出現したかっての新型も今や人類と共存し人もこれに適応している。ワクチンが出来るまではある程度厳格に拡大を防ぐ事が大切である。しかし、根絶は難しいであろうからその後は、緩やかな季節型への移行を図るべきである。

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