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日本の現在の高齢化率(65歳以上の人が総人口に占める割合)は20%で急激に上昇、これまでいわれて続けている以上に国の最重要緊急課題である。特に認知症高齢者の増加は見過ごせない。現在、要介護者の2人に1人が何らかの支援、介護が必要な認知症であり2005年の統計で認知症者169万人が去年、還暦を迎えた団塊の世代が75歳の後期高齢者になる2030年には353万人と2倍に増えるのである。私達の周りには、家族に認知症を抱えて困惑しきっている家庭をごく普通に見るようになった。それでも表に現れた家庭は氷山の一角に過ぎない。認知症の家族を玄関裏に隠して人知れず悩んでいる家族も多いのである。衛生環境、健康管理の向上は長寿を達成したが高齢になればなるほど認知症になる確率は高まる。昔の日本は農業基軸に閉鎖系社会で祖先崇拝の信仰のもと他者との繋がりを大切にする社会であった。戦後の産業興隆による社会構造の変化は、以前のこの農村社会を封建的だとして葬り去り家族関係だけでなく地域コミュニィテーまでを壊した。日本古来の地域社会、家族関係を支える思想が破壊された。政治にまで無限に自己の欲望を追求し他人など見返らないアメリカ思想がはびこり足腰が弱まり生活力の無い高齢世代層にまで自己責任と自立を強いている。年を取り身体能力は兎も角、認知機能が低下してしまい人の支え無しでは生きられない高齢者が置き去りにされているのである。特に人間としての尊厳である心の安定を失った状態に対応するすべが無い。認知症は認知機能の低下状態の中核症状にそれらが絡み合って引き起こされる妄想、幻覚、攻撃的性格変化、不穏など多彩な周辺症状が見られる。この周辺症状は認知機能の軽重に関係なく生じる。家庭や社会環境などと共に人間関係に大きく左右される。都会では認知症の人の半数近くに現れるが、古い仕来りを守り、敬老意識の残る農村では同じ認知機能低下であっても殆ど起こらない。国としては高齢化対策として10年前に介護保険を作ったには作ったがADL対応に追われて、心の問題である認知症に対応し切れていない。介護保険は封建的かもしれないが破壊されている地域社会、家族関係の先祖がえりである。年を取っても人との繋がりの中で個々人が生きていける社会作りである。  (介護保険情報 2009.2)

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