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私は昭和45年に大学医学部を卒業した。先輩達が努力して劣悪なインターン制度が廃止されやっと2年目の制度の移行期になる。卒業と同時に医師国家試験を受け合格、医師資格をもらった。そのまま出身大学の付属病院に残り1年間を小児科、内科、外科、麻酔科の各科3ヶ月ずつローテートし研修を終えた。その後、学部3年生時に開講された麻酔科に入局した。新しく招聘された教授の講義に新鮮さを感じていたからである。私達の学生時代は先輩達のインターン闘争を見ながら過ごしてきた。クラスの何人かはその運動にも関わって居た。いよいよ卒業前になり自分達の進路が気になりだした。そしていつしかクラス全体で同じ行動を取るかどうかの問題に発展した。様々な意見が出た。多くの犠牲をはらい折角勝ち取った先輩達の努力を無駄にすべきではない。新しい登録医制度にはまだまだ不備がある。もっと良い卒後研修に成るよう闘争を続けるべきだとの意見や、国の方針に従い段階的に改善をしていけば良いなど様々な議論が重ねられた。結局、新しい登録医制度に乗り奨励金を貰いながら大学での研修を受けるグループと登録医を拒否し自主的に研修先を選んでアルバイトしながら研修するグループに分かれた。私は国の制度に従い段階的な改善を期待する方を選んだ。この卒業前の対立が6年間苦楽を共にしたクラスメイトの結びつきを気まずい物にした。今でも同窓会で集まると何と無く当時を思い出して暗い気持ちになる。私の研修医生活は大学から支給される研修奨励金と先輩達に斡旋してもらった民間病院の夜間当直のアルバイト料を合わせたお金で充分賄えた。それまでの学生の生活からすれば大変贅沢な気がしていた。当時は研修医も一人前の医師として扱って貰えたしそれなりの責任を持たされた。決してきついとは思わなかった。多くの医療の基礎を学べたと思っている。それは母校で学生時代から私達を後輩としてかわいがってくれた先輩が、今度は同窓先輩医師として親身になり医療を教えて呉れたお陰だと思っている。麻酔科修練後、外科教室に入局し直して先輩医師が私にしてくれた様に後輩医師を指導してきた。よき時代の環境に育ったと感謝している。



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