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認知症は大変だとされている。何が大変なのだろうか。認知症の本人は物忘れのため今が朝か夜なのか分らない、また今どこにいてそばに居るのは誰なのか定かでない。テレビやクーラーのリモコン、炊飯器、掃除機の使い方や冷蔵庫の開け方までが分らなくなって仕舞っている。こうなると生活は愚か生きてさえいけなくなる。もしこれが動物なら食べ物を得る能力がなくなり死ぬしか無い。本能的に人間は集まる社会性を持っているので、仲間を見捨てずに手助けをする。ところが困った事には認知症は記憶が障害されているが感情は残る。これが厄介である。本人は物忘れでつじつまを合わせようとしている。一方、そばに居る者には相手が言う事、する事が何かおかしいと気付いていても、なぜそうなのかの理由が分らない。なんとかまともな状況にしようと必死になるがすれ違いが生じる。てっきりわざとしているのではないかと疑ったりする。そして人間関係がおかしくなって悪循環が生じるのである。認知症は物忘れと感情の残存から生じる対人関係のまずさが根本にある。そこから問題行動の周辺症状が出てくるのである。

以前、漫画「サザエさん」を書いた長谷川さんの作品に「意地悪婆さん」がある。アメリカでも翻訳されドラマ化された。今は亡き青島幸男がテレビで好演したが主人公のお婆さんの行動は決して意地悪ではなく、物忘れで理解および判断力が鈍り状況判断の誤りから、お婆さん自身は正しい事をしていると思っているが、周りは、てっきりお婆さんはおかしい認知症の症状とも思わずただ意地悪をしていると勘違しているのである。意地悪婆さんは認知症の方の対人関係性の障害を如実に描写していると思う。

 

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