日本の平均寿命は2年続けて過去最高を記録した。公衆衛生の充実と生活水準の向上も貢献している。そして3大死因である脳卒中、心臓病、癌の制圧が進んだ成果である。しかしQOLを考えた健康寿命の延伸に繋がっているかは疑問で医学の進歩で命をただ永らえている寝たっきりが増えたのではないかとむしろ気になる。寝たっきりの人の平均寿命と元気で過ごして長期臥せる事無く亡くなる人の平均寿命はあまり違わないとする調査がある。「生命というリスク」「分別される生命」の書物に次のような事が書いてあった。多産多死社会から少産少死社会への人口転換が欧米先進国での都市化と結びついて生じた。この人口転換が人命の価値観を高め健康が損なわれ人命が喪失される事への危機意識を増幅させている。これまで普通とされて来た夫婦と子供の家族形態は離婚や単身世帯の増加によって崩れだしている。人口転換によって生じた家族形態の変化での出産、育児、医療の現場で今、何が起きているかを考えて出産や医療戦略を考える必要がある。必ずしも人口増大は人類の幸福をもたらすものではない。むしろ生命の価値を低める。生まれたら少しでも長生きするのを是とする日本人の姿がそこには存在しないか。

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