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2008.07.19 17:26 |  診療  |  研究  |  生活 / くらし  |  その他(一般)  |  その他(医療関連)  |  でんさん  | 推薦数 : 1

自然の包容力

  
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くらきより/くらき道にぞ/入りぬべき
/はるかに照らせ /山の端の月 
                 (和泉式部)

39年前の7月20日にアポロ11号が月に到達した。アームストロング船長は感嘆の声をあげた時、私は北海道雌阿寒岳の山小屋にいてその月を眺めていた。あの日は三日月で山道は薄暗く懐中電灯を頼りに登山した。今年は満月。

はるか江戸時代に老中松平定信は朱子学の封建思想に基づき綱紀粛正を行い風俗を取締るとともに倹約令を布いた。この寛政の改革は財政を立て直したが庶民には厳しすぎて水、清ければ魚住まず煙たがられた。これに通じる話が医動物学の世界にもある。最近の日本の子供達の間でアレルギー疾患が多くなっている。何故だろうと考えた人がいる。50年ほど前までの日本は上下水道も普及しておらず汚物まみれで非衛生的であり、排泄物を農作物の肥料にも使っていた。細菌や寄生虫がうようよしている環境で生活していた。その代わり体を守る免疫機能が高められて、その役目を担う細胞は分化し増えた状態であつた。ところが衛生思想の拡がり綺麗な環境になり昔多かった寄生虫病など殆どなくなってしまっている。今の日本人は少しの汚れや不潔を嫌うようになって腐ってもいないのに賞味期限が1日でも過ぎると捨ててしまう程に神経質になってしまった。無菌でなければ罪悪と捉えるようになり余り悪さをしない正常細菌叢まで殺菌し、寄生虫も駆除した。その為にこれまで体の防衛役の免疫細胞が暇になつてしまい逆に生体に対し悪さをするようになった。それがアレルギーが多くなった原因の1つと考えた。東南アジアの子供達、特に水上生活者は昔の日本と同じ様な環境で生活している。そして体内には寄生虫を一杯持っている。その代わりにアレルギー疾患が殆ど無いのだと考えている。最近の話では蚊の駆除でかえつて重症のデング熱の発生が増えるとの研究結果が出た。絶えず蚊に刺されていると免疫が高い状態に保たれて感染が起こらないという訳である。最近の麻疹の流行でも同じ事が言える。自然の復元力に畏敬を払う必要もある。水清ければ魚住まず。しかし、その自然の復元力も温暖化、化学物質による環境汚染で危うくなってきた。

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京都大学の幹細胞創薬研究所と再生医科学研究所が人ES細胞から病気のモデル細胞を作ることに成功した。アルツハイマー病のモデル細胞もありこれがあれば病気の研究が一段と進むに違いない。薬の効果も調べられる。他の大学への提供も始まる。

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