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昨年3月から飛び降りるなど異常行動がでるとの報告が相次ぎ10代患者への服用を原則中止していたタミフル。中止前には年間850万人が服用していた。厚生労働省研究班は疫学調査の結果から服用と異常行動との間に因果関係はない(正の関連はない)と結論付けた。調査は‘06~‘07年に全国700の医療機関でインフルエンザと診断された18歳未満の1万人を対象に医師および患者家族にアンケート調査してタミフル服用の有無と異常行動の発生率の関係を見た。服用しなかった群2228人のうち286人(12.8%)1に対し服用群7487人の中で889人(11.9%)0.9倍と発生に有意差は無く、服用と異常行動の間に因果関係は無い事が証明されたのである。タミフルに限らずインフルエンザウイルスに効果のあるリレンザを使用した患者の中にも異常行動が見られる患者もありインフルエンザの高熱が原因なのである。この証明により今年の流行が始まる前までには10代の患者へもタミフル処方が解禁される。インフルエンザ随伴症状としての異常行動はインフルエンザ症状の発熱が39.5度を超えると2.4倍の頻度で異常行動が出る事もわかった。飛び降りや急に走り出す異常行動を起こした30歳未満の患者が’7~’8年に77人居た。タミフルを31%がリレンザを14%が服用していた。タミフルの潔白が証明された。世界的な大流行が懸念される新型インフルエンザの封じ込めと流行拡大や重症化を防ぐ対策の柱として国が2500万人分のタミフルを備蓄している。これで10代にも処方出来る事になりタミフル備蓄の矛盾は解消される。

タミフルにとって疑われた事は大変な災難であったが、一つ良かった事はインフルエンザでは高熱による精神症状の異常行動は誰にでも起こり得ると言う事に注意を喚起したことである。特に10代の子供がインフルエンザに罹ったら、高熱の出る2~3日は目を離さないで看病する事が大切である。

 

(再掲)タミフルの潔白

今日の昼過ぎ、妻の携帯に横浜に住む義姉からメールが入った。彼女は川崎の高層マンションの2階に住んでいる。今日の早朝、自宅前の階段の踊り場で助けてと叫ぶ声があり、恐る恐る玄関を開けてびっくり、男の子が倒れていた。急いで近くに駆け寄って体を見回してた。幸い出血はない。ただ太ももが痛いと訴えていた。受け答えもしっかりしている。事の次第をたずねた。11階に住んでいる11歳の小学生で、昨日から熱発して学校を早退して休んでいたが朝になり自宅の玄関を出て階段を昇り2mの防護用フェンスを乗り越え飛び降りたらしい。本人はその事を何も覚えていないらしい。幸い2階に張ってあった鳩よけのワイヤーに引っかかって止まり地面には落ちなかったと思われる。義姉は急いでマンションの管理人に連絡し、救急車を呼んで貰い、救急車が来るまで近所の人たちと一緒に毛布を掛け体を暖めてあげた。少年の父親は出張中で母親と妹は義姉に起こされるまで、この大変な事態に気が付いて居なかった。少年はタミフルは飲んでいなかった。インフルエンザの経過中に窓から飛び降りる異常行動が度々報告されている。その原因として治療に服用したタミフルの所為なのか、それともインフルエンザ自体の高熱の為に起こるのかはまだはっきりした結論は出ていない。この事例はなんらタミフルとは関係なくインフルエンザ自体で異常行動が起こるとの一つのエビデンスになった。いずれにしろ助かってよかった。

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老齢の紳士が金冠の被せてあった奥歯が、朝起きたら無くなっている、飲み込んでしまったに違いない。これは大変な事になったと驚いて診察にやって来た。メモ紙にしっかりと取れてなくなった歯の形を書いてきた。唾は普通に飲み込めているようだし咳も出ない。気管や食道に引っかかっている訳でもなさそうなので心配はいらない。ひとまずどこまで行っているのか腹部レントゲンを取りましょうと安心させた。レントゲンで抜けた歯は既に小腸を過ぎて盲腸付近で便の中に鎮座しているのが分った。ここまでくれば後は簡単に肛門から出てくるので、便が出たらそれを濾して出たことを確認するように説明した。これまで誤まって硬貨を飲み込んだり、自殺目的で針や釘を飲んだりした患者さんを経験してきた。精神的におかしくなり5寸釘を束ねて1篇に飲んだ人もあった。大概は針でも尖った方を後ろにして肛門から出てくる。流石に釘を束にして飲んだ人は心配になり開腹して取り除いた。心のコントロールが旨く行かずに回復して退院後に又、飲んでしまう人だった。刺身のプラスチックの飾り物を知らずに食べてしまったお年寄りがいた。腹膜炎の症状で来院し、緊急手術になった。開腹手術をして初めてプラスチックが腸を突き破っていた事が分った。大概は自然排出する。しかし赤ちゃんが誤まって水銀電池を飲み込んでしまい慌てた事がある。水銀電池は胃腸の壁を腐食する恐れがあるということで取り出す必要があった。赤ちゃん用の胃カメラは無い。結局、開腹して取り出した。等等これまでの誤飲の治療経験を安心してもらう為に話したが、患者さんは逆に心配になったかもしれない。ところで表題の「誤飲色々」はかって同僚が症例検討会で誤飲の症例を発表した時に使った題名である。その頃、島倉千代子の人生いろいろが流行っていたのを思い出した。その後ずーっとあとに小泉首相の「会社もいろいろ」の発言が顰蹙を買った。

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