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2008.06.20 17:09 |  診療  |  生活 / くらし  |  その他(一般)  |  でんさん  | 推薦数 : 1

足場を失う。

今日は定期の往診日である。厚い雲が垂れ込め時折、思い出したように大粒の雨が降る。昨日は晴れ間が覗き雨のときの涼しさが恋しく成るほどの蒸し暑さだった。人間は勝手である。街道沿いの紫陽花はまだ盛りで深紅に燃えるカンナがオリンピックトーチを掲げるように立ち並ぶ。初夏にふさわしい鬼ユリが土手の草叢で揺れている。靄の向こうに山々は黒く静かに沈んでいる。今日の往診先は大きな湖を遠巻きに外輪山が取り囲む盆地にあるお宅。起伏に飛んだ畑の中の1本道からは屏風状にそそり立つ岩山が目に入った。その時ふとテレビで見た山ごと崩れ落ちた岩手・宮城内陸地震の様子が目に浮かんだ。そして思った。動かざる事、山の如し。人は常に立っている地盤は決して動かないものとして過ごしている。しかし地球の歴史から言えば天変地異は当たり前であり動かないのが不思議なぐらいなのである。その繰り返しで今の形があり様々な景観が作り出されている。それに思いが及ばないから地盤が揺れると驚愕は最高に達する。宇宙のビッグバンでは周りのあらゆるものがブラックホールに吸い込まれてしまう事など到底信じられない様なものである。病気の一つの症状である眩暈は傍目には解らないが当人は命に関わる重大なものと受けとる。ましていわんや地震をやなのである。足場を失う事は生きていけない事を意味する。災害に会われた方にお見舞いを申し上げると共に迅速な復興をお祈りする。

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