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  老化ー加齢による身体・精神機能の低下について。

①循環器

安静時の心臓機能は低下しない。労作に 応じた心臓の反応が鈍くなる。運動時に動悸、息切れがし易い。心室性期外収縮、洞不全症候、心房細動などの不整脈が多く出る。動脈硬化は老化のおおもとで冠動脈,脳動脈,下肢動脈などの動脈硬化が心筋梗塞,脳梗塞,閉塞性動脈硬化症を起こす。

②呼吸器

肺の弾力低下,胸郭運動の制限で肺換気機能  が低下する。血中酸素濃度は低下し運動時に息切れし易い。気管の線毛運動が低下し咳嗽反射の低下などで喀痰排出がしづらくなり気管支炎や肺炎になり易い。

③消化器

胃・腸の蠕動の低下や胃酸分泌・消化液の低下は 食欲低下や便秘を来たす。

  

④泌尿器

 

腎血流減少での排泄ろ過機能低下で、水分摂取減少、嘔吐、下痢から脱水状態に成り易い。腎から排泄される薬物の血中濃度が上昇し副作用が出やすい。

⑤内分泌

インスリン分泌の低下は糖代謝機能を低下させ糖尿病になり易い。甲状腺機能も低下する。影響は少ないが酷くなると粘液水腫など治療可能な認知症に関係する。

⑥水・電解質

もともと細胞内水分が少なく全身総水分量は減少しており脱水により細胞内水分量がさらに減少して臓器機能不全をまねき易い。高齢者身体機能に脱水状態の影響は大きい。

⑦免疫

細菌やウイルス侵入に対する免疫機能は低下しておりインフルエンザなどの感染症に罹り易くまた治癒しにくくなる。

⑧骨関節・筋肉 

骨中カルシウムは減少して転倒など少しの外力で骨折し易くなる。女性に多い。関節軟骨が摩滅して関節変形して変形性関節症の原因になる。膝に多い。四肢筋力も低下する。運動習慣、仕事の種類、日常生活状況の影響が大きく個人差が顕著。

⑨感覚器 

眼球の水晶体混濁が65才以上で85%、75才以上では90%を超える。視力の低下の最大原因となる。高い音の聴力が低下し話しているのは解っても内容が聞き取り難くなる。皮膚感覚が鈍り低温熱傷の原因になる。   

⑩運動機能 

歩行,階段の昇り降り、逃避行動,はねる,身体バランス、自転車・自動車運転などの運動機能は中枢・末梢神経,感覚器それに骨関節・筋肉の複合的な機能で加齢変化で低下する。瞬発力や機敏性は早い時期から鈍くなる。安定な姿勢での体位保持や重心の動揺も大きい。動作緩慢で不安定になり転倒しやすい。骨折等の外傷を招き易い。

⑪口腔・歯

口腔粘膜は萎縮して唾液分泌減少して粘稠となり口が渇きやすい。摩耗と変形,位置の移動,歯数の減少が認められる。不適切な歯の管理や治療による場合も少なくない。

 高齢者の日常生活動作(ADL)と身体機能。        

 1.視力

焦点調節機能の低下や白内障での視力低下が多い。緑内障による視野狭窄も少なくない。糖尿病性網膜変性での視力障害も多い。

2.  聴力

聴神経の老化により高い音が聞こえ難い。発語は聞こえても内容理解が難しくなる。外耳道の垢で閉塞して聞こえが悪い事も多い。

3.発

脳血管障害にからの失語・構音障害は発語障害を来たす。歯や義歯の状態は発語を不明瞭にする。

4. 咀嚼

経口摂取は咀嚼で始まるが食べる楽しみでもある。歯や義歯が大きく関係する。

5.    嚥下

嚥下には口腔の筋肉、食道、胃の平滑筋、や神経が関与し、脳血管障害からの嚥下障害が多い食道癌、食道ヘルニアの場合もある。嚥下機能を評価し残存機能に応じた食餌形態と摂食介助技術は欠かせない。食事場所、雰囲気等の環境も咀嚼に関係する。

6. 四肢の運動

歩行、移動、食事、排泄、更衣、入浴などADLに四肢の運動が大きく関係する。四肢の運動は神経、筋肉、骨、関節などの状態で変わる。脳血管障害での片側片麻痺は多い。変形性脊椎症による下肢筋力低下や運動麻痺が多く、不活発な生活からの廃用性筋力低下もある。大腿骨頸部骨折など四肢の骨折の後遺症によるものもある。変形性膝関節症などの関節の可動域制限や疼痛による運動制限も有る。知的活動、意欲なども関与して、うつ状態では運動活動低下、認知症の失行による運動機能低下もある。

7.排尿

中枢神経、膀胱、尿道括約筋が関与し大脳からの知的機能も関わる。失禁は脳血管障害に多く、排尿をコントロールする神経の障害、脳血管性認知症からの知的機能低下による場合も多い。男性では前立腺肥大症からの尿道狭窄、女性では膀胱括約筋の機能低下からの失禁が多い。膀胱炎では頻尿がある。不安・鬱の精神症状として心因性頻尿も多い。

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私が開業して15年が過ぎた。開業当初の医師に対する世間の見方は、医師数が増えるとそれだけ医療費はかさみ医療財政が持たない。その対策に医師養成削減をそれまで以上に進め、保険医療に携わる保険医に対して定年制を設け70歳を定年にするなどの議論があった。その後も医師養成削減は続けられたが、流石に良識有る学術関係団体や医師会の反対で保険医の定年制は実現しなかった。保険医の定年制が言われ出した時、私はわが耳を疑った。医学は心と経験の学問である。医師も人間として年を重ねれば患者さんを単に部品である臓器の集まりと考えがちな若い頃と違い、年齢と共に変わる体の変調を知ると共に、年寄りの気持ちが理解できる様になる。そのとき初めて患者さんを心を持つ生き物として扱えるようになるのである。その頃、私は国の行き先を憂えた司馬遼太郎が盛んに使った言葉「貧すれば鈍す」をかりて、所属会誌に意見を載せたものである。時代は変わり、今の状況はどうであろう。これまで大学病院に偏在していた若い医師の名義貸しに始まる医師数標欠問題は人員基準に満たない医療機関の存在を次々に明るみにし必要な医師の不足が明らかになった。これに卒後研修制度が追い討ちをかけて医療現場の医師不足が問題化した。これに対し、これからの人口減社会、療養病床の削減による必要医師数の減少等を考えないで短兵急な医師乱造を始めている。それよりも医療関係職種を活用した医師の業務内容の見直しが必要である。

「安心と希望の医療確保ビジョン」ー厚生労働省

現在大学医学部総定員7600人をピーク時の8300人に戻す。

定員削減 1982年行革大綱 

       1997年にも閣議決定 

 

 

 

 

 

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