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昔は子どもがぐずると親は「医者どんに注射をしてもらうぞ」と脅したものだ。しかし今は注射針が細くて先端が鋭いので、あまり痛くない。脅しも昔ほどには効果がなくなった。私が小学生の頃の注射はものすごく痛かった。医院の窓際の台には決まって注射器や注射針を入れた煮沸器がガス台の上でぐらぐら湯気を立てていた。注射の必要な時は冷まして使う。針にしても注射筒にしても使う度に煮沸消毒して、何回も使った。今のようにディスポーザブルでは無かった。針は何回も使っているうちに先がちびて刺さり難くなる。それを鑢で砥いで使っていた。学校の予防接種がまた大変であった。生徒を並べて同じ注射器と針を使い次々に流れ作業で注射していく。最初の人は良いが何人目かになると針の先はちびて刺さり難くなる。刺さる時ザクザク音がするほど刺さりにくくなりその分、痛みも強かった。その頃血液汚染を介した感染症で解明されていたはせいぜい梅毒ぐらいであり、今のようにウイルス肝炎やエイズの危険も言われていなかった。今から考えるとなんと無謀な事をしていたことか。危険は血糖測定用のディスポーザブル微量採血器具の場合の比では無かったはずだ。国はこのことを充分考えて肝炎対策に取組まなければならない。不公平は許されない。

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