神社前の道路わきに車を停め、カラー・コーンを抱えた御婦人に挨拶し、境内に車を停めさせてもらえないか恐るおそるお願いした。意外にも笑顔でどうぞどうぞお留めになって下さいとごく普通に許可してくれた。てつきりお咎めをもらうと思っていたので飛び上がるほど嬉しかった。しかし、どうしてバリケード代わりのコーンを持っているのかと私が不思議がっていると見て取ったご婦人は続けた。境内は道路より高くなっていて鳥居をくぐる所に階段がある。車で入るときには鳥居横の車道を利用するが、帰りは境内側からは階段が見えず、うつかり鳥居を潜り抜け出ようとする。そこで階段にはまり動けなくなる。これまで何度もあり大変だった。それを防ぐ為に、車止めを置いて居るとのことだった。私も納得した。境内はこんもり何本もの大きな楠木に覆われて緑に染まり、その奥に鮮やかな朱色の社殿が構えていた。言葉にあまえ1本の楠の大木の下に停めさせてもらった。外の暑さとは対照的な境内の緑の爽やかな空気を胸一杯に吸い込んだ。さっそく神殿にお参りをしてた。先ほどまで駐車場を探しに苦労したあせった挙句、こっそり停めさせてもらおうと思いやって来たところに思いがけない親切に出会った。それだけに心豊かな気分になり足取りも軽く祭り会場に向かった。

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