山が笑い膨らむ季節。鹿児島の森は常緑樹の楠木が多い。桜花が散って入れ替わりに光の透ける緑葉が出る。それと呼応するように楠木も古い葉っぱを落とし新緑が芽吹く。楠木の下の地面は茶色の枯れ葉で埋まる。鹿児島の町の真中には西郷隆盛の終焉の地として名高い城山が横たわっている。登るのに低からず高からず、遠からず、近からず市民の格好のジョギングコースである。この山の頂上は平たく展望台になっている。錦江湾を隔てて雄大な櫻島が望める。眼下には鹿児島市街の全貌が見渡せる。春の日に輝く錦江弯には大小さまざまな船舶が浮かびその航跡が帯を成す。楠木のこんもり茂る高台の北側に西南の役の薩軍の大本営跡の石碑がある。西郷は最後の戦いでは桜島を望む城山の東側登山道をくだり負傷し麓の洞穴で自害した。
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