今日、たそがれ時、2階自宅の玄関に続く階段の途中で外を眺めていて不思議な体験をした。私の周りから今まであった人工物の一切が消え去り夕焼けに染まった空と影絵になってかすむ低く重なって続く山並とその前の平原。私の周りには古代からの不変なものだけが現れた。父から受け継いだ私の中の遺伝子が今を消し去り、父が幼き日にみたそのままの風景にワープしたのだ。誰を責めようも無い大きい悲しみ。空しさ。国と言うより許しがたい人間の狂気の犠牲となつて、たまたま戦死した父の魂。その名代としてに遠く満州から父が生まれた故郷に帰還した私の中の父の遺伝子が地球誕生以来の不変以外のものを透視し、昔のままのこの世を見たのだ。そして生きる意味を改めて喚起したのだ。その後、暫くして家に入り何気なくテレビに目を遣るとNHKでアウシュビッツ収容所からの決死の脱走に成功、生き延び、最近になり収容所跡を訪れ、逃走途中にかくまい助けてくれた人と面会している映像が流れていた。狂気の時代に翻弄された魂が今、人々に訴える。
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