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外科の有床診療所を開業して15年になる。最初の頃こそ腰椎麻酔で行なえる範囲の手術は遣っていたが段々と世の風潮が小手術といえど出血が少しでも有るようなリスクのあることを外科医一人に任すほど寛容ではなくなった。現在は外傷など止むを得ないとき以外の外科処置はしていない。そのような雰囲気の中でも外科の診療所を続けてこれたのは高齢になり足腰がよわり閉じこもりがちのお年寄りが増えて来たからである。診療所の待合は早朝から消炎鎮痛治療を受ける患者さんで一杯になった。そして風邪とか腹痛で急ぎの診察の人を長く待たせることもしばしばで、これを何とかしなければと考えていた所、医療デイケアの仕組みのあることを知った。これだと確信した。事業計画を立て、早速診療所の改築に取り掛かった。鉄筋2階建をエレベーター付3階建に改築することにした。入院患者さんを抱えながらの工事、特に既存のコンクリートを壊すハツリ作業は大変な難作業となった。丁度その改築中に阪神大震災が起こり建築基準法が変わり設計変更を余儀なくされる場面もあった。予算にも狂いが生じるなど試練が続いた。それに平行して先進事業所に職員研修に行かせたり、施設人員基準の理学療法士さんや正看護師さん達の確保など田舎ならではの苦労もあった。やっと準備を整えオープンしてみると幸い多くの利用者があり救われた。続けて行くうちにそれまで外来に毎日のように体のあちこちの不調を訴え日参していた患者さんたちが見違えるように元気になった。そして最初にデイケアを考えた人の偉大さを思い知ったものである。今でこそ通所サービスは介護保険制度の標準となっているが私の奮闘したのは介護保険制度の始まる4~5年前、今から12~13年前の話である。

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