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2006年の初頃に行政から今年10月から障害者自立支援法が始まるので介護保険と同様医師に主治医意見書ならぬ医師意見書を書いてもらう事になるとのお知らせがあった。障害者を支援する生活サービスとしての介護の必要度を把握するための目安である障害度区分を決めなければならないと言う。これを決める審査では市町村の調査員による調査と医師の意見書が資料として使われる。この制度に無関心であった私は余りにも不案内で唐突な事に戸惑った。訳の分からないままにその後、短期間の間に医師意見書記載の研修会が行なわれて、そして制度施行の始まる10月に間に合うように認定審査会が駆け足で開催された。医師は平生の日常診療で意識することなく障害者医療を行い障害の種類に応じた公費負担申請のための診断書なり意見書を作成している。初は医師意見書の必要性がわからないまま市町村の審査会委員に指名された。そのための県の講習会を受けた後、医師意見書記載研修会の講師を仰せつかって初めてその主旨が分った程だ。平成15年に、それまで障害者福祉の措置制度のもとばらばらに行なわれていた身体、知的障害者の支援体系を契約のもとに障害者が一率一割負担とする支援費制度としてまとめた。ところが利用しやすいために希望者が増えて国や市町村の負担が増大、財政的に行き詰った。それに精神障害が加えられていなかったために平成17年11月精神を加え3障害対象の障害者自立支援法が成立した。医師はこれまで患者さんの病気の治療(キュア)だけで、その生活、特に病気や障害を支える介護(ケア)に目が向かなかった。孤独死が増えていることが示すように社会構造の変化での核家族化により家庭の介護力が下がり老齢や病気での生活障害に対応できなくなり病気治療どころではなく生存そのものが危機に直面して来ている。そこで介護を地域社会で見ようと2000年介護保険制度が始まった。現在、障害と縁が無い人には障害のある人とその家族の苦労は分らない。介護保険と同じ状況にある。これまで事あるたびに介護保険との統合の動きがある。医師は障害者の医療には深く関わっているにも拘らずその生活には疎かったと言える。障害者の医療と共にそれに関わる全生活を支えていくことがその人の真の主治医と言えるのである。ところで障害者自立支援法は2005年11月に成立した。しかし受益者負担が一割である事から障害者からの批判もあり当初より政治的に制度として不安定な状態にあり今年はこの制度に対する見直し議論が始まる。それでも法にそって2006年10月から介護給付は始まっている。知的、身体、精神を問わず障害を持つ人が今、どんな支援を必要としていて、その介護の必要度はどのくらいかを客観的に把握して必要かつ適切な介護を保障して行こうとするのが法の主旨である。調査員は調査票に従って106項目に渡る申請者の調査を行いその結果を国の定めたコンピューター判定ソフトに入力して一次判定する。しかし判定は必ずしも申請者の実態を反映しない事もある。そこでかねてよりその人を診察し良く分っている主治医の意見書が必要になる。介護保険と違い精神遅延や自閉症の人は医療機関を定期的に受診せずかかりつけ医を持たない人も多く意見書記載はなかなか難しい現実がある。何人も何時何時障害を持つ運命になるか分らない。特に医師は障害を持った人の困難と家族の犠牲に共感し、それに思いを馳せて対応する義務がある。

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