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卒後研修を終えて麻酔科入局し暫く経った頃にアメリカ帰りのショックの研究をしていた教授の実験を手伝った。スーパーオキサイド・スカベンジャーの働きのある薬品の抗ショック効果を調べる実験でショック状態にしたラットの露出させた肝臓や筋肉組織に直接紫外線を当てると細胞内のNADHが蛍光を発する。反射して帰ってくる蛍光量は細胞内NADH量に比例する。ショックによる低酸素に置かれた細胞内は嫌気性代謝が盛んになり細胞内NADH量がふえる。蛍光量を測ることで酸化還元電位を推定する事が出来るのである。ショック進行とともに蛍光量が強くなる。途中薬品を投与してどのように変化するかを見るのである。アメリカの文献にラットを使ったドラムショックと言うショックモデルがありそれを応用した。ラットには申し訳ないが真ん中に軸を持つドラムの中にラットを入れ回転させる。ラットはドラムの壁に沿って走り頂上付近で下に落ちる、それを繰り返して行くとそのうちラットはショック状態となり動かなくなる。回転数に回す時間を一定にすれば同じショックレベルのラットを作れるという訳である。この時、なぜショックが起こるかの機序は深く考えなかった。最近、相撲部屋の若い力士が親方や兄弟子から何度も殴打されて外傷性ショックで死んだ。その原因は筋肉の挫滅で細胞内カリウムが血中に湧出してカリウム血中濃度が上昇したために心収縮力が弱り心不全に陥ったとニュースで報道された。ラット実験のショックモデルもこの機序によるものだろう。この方法はなかなか上手く行かず途中で断念してウサギを使った低血圧ショックモデルに切り替えた。

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