耳の蝸牛のリンパ嚢内皮細胞に電気信号を増幅する生物電池の存在が証明された。難聴の治療に役立ちそうである。細胞の内部は電気的にマイナス、外部はプラスで電位差は70mVある。心筋細胞、神経細胞はこの電位差の変動で刺激を伝達する。この変動が活動電位である。電位差を作っているのが主にナトリウムイオンとカリウムイオンでそれぞれに出入りのチャンネルがある。細胞膜を隔てて細胞内はカリウムイオン、外はナトリウムイオンが多く存在しておりナトリウムイオンは受動的に細胞内に流入できる。流入したナトリウムイオンはナトリウム・カリウムポンプでエネルギーを消費して能動的に細胞外にくみ出され代わりにカリウムイオンが取り込まれて再分極が起こり恒常性が保たれている。細胞が刺激され膜電位の変化が起こり一定の閾値を超えると細胞全体が反応する活動電位が生じ細胞は脱分極する。そして反応が終わると再分極過程に移る。今でもこのメカニズムを覚えている。40年前に生理学のレポートで悩まされたテーマでこの出来、不出来により同級生の3分の1が留年した。幸い私は興味ある分野だったので合格した。沢山ある教科の中で1つでも落とすと進級できなかった。丁度その頃はワトソン・クリックによって遺伝子DNAの構造とたんぱく質合成のメカニズムが解明されて間も無い頃でもあり分子生物学の進歩のめざましい時期であった。
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