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現在行なわれている市町村合併は財政的視点から推し進められているのが殆どである。合併した後から個々の住民にとって種々の不具合が生じる。医療の場合、市町村再編がなされ行政区域が代わっても住民とそこの医療機関が今あるところから他へ動くわけでもないので、これまで通りに動くと捉えられがちである。ところが行政区域が変われば住民は新しい市町村に組み込まれる。市町村は救急災害医療をはじめ住民検診、予防注射などの公衆衛生、学校保健、介護保険、地域支援事業などを地域医師会、消防組合など一体になり運営している。行政再編で地域割りがなされてもそれに従っての地域医師会や救急業務を行なう消防組合の再編は簡単ではない。特に地域医師会は自由開業制のもとで人口分布や地勢にあわせて参入した医療機関の院長の集まりでもある。各医師会員は必ずしも行政区域に従う必要はないのである。しかし他の問題がなければ行政の区域割りで動いた方が都合は良い。地域によっては地理的理由から一医師会の会員が複数市町村の医師からなる所もあり住民の利便性など地域にあった体制を長年月にわたり調整しながら作り上げている。特に連携の必要な救急医療は空間的に一体化が出来上がっている。都道府県の補助事業である夜間救急病院群輪番制では担当医療機関は広域の二次救急圏域内全体で組まれ問題は少ないが日曜、祝日昼間の在宅当番医は市町村の補助事業であるため個々の市町村内の医療機関の間でまわしている。従って同じ医師会内の一部地域がこれまで連携のなかった市町村と合併する場合に問題が生じる。そこに居住する医師会員が属していた医師会から離脱するとなるとそれまでの空間的に一体的に成されていた連携救急医療が動かなくなる。医師不足が社会問題化し医療機関の集約化、集積化いわゆるコンパクト化が考えられている中で、これまでの医療基盤が分断され各医師会員一人一人の負担が増える事になる。安心な住民生活を確保するための住民本位の再編が大切であり、合併後のきめの細かい制度の見直しも必要である。

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