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 今、人気沸騰 「篤姫の里」  指宿 島津氏居城の周辺 

脳梗塞で寝たっきりとなり,病院を転々とした挙句くに娘さんが自宅に引き取って看病を続けている居る80歳女性の患者さん。在宅医療を引き受けて3年あまりになる。その方が10日ほど前に急に状態が悪くなり外来でCT検査を行った。結果は脳幹を広く巻き込んだくも膜下出血である。手術しても助かりようもなさそうである。家族の希望でそのまま在宅で療養することになった。いま死戦期にある。去年の今頃にも脳梗塞の再発で嚥下障害が強く経口摂取が出来ないため止むを得ずクリニックの療養病床に入院させた。経管栄養を行ないながら嚥下訓練を続け3ヶ月でなんとか経口に戻せた。再び在宅に戻し訪問診療を続けて来た。娘さんはこの患者さんの介護に一人で終日付きっ切りで過ごしている。今回は一切の延命治療は行なわず終末期の看取りが主になることで合意している。それでも私一人では対応がむずかしいので担当ケアマネさんに相談して訪問看護に入ってもらった。訪問看護師さんと打ち合わせして往診の毎日が始まった。2~3日して呼吸が規則正しくなり意識はないものの刺激にたいする反応も良くなって来た。一纏の望みを持った。栄養管理をすれば少しでも良くなるのではと考え娘さんに話したところ是非お願いしたいとの事だった。心は揺れ動くものである。良くなる方には良いも悪いもない。まず持続点滴から始めた。そして1週間が過ぎ血圧、尿量、呼吸も安定し少し嚥下反応も出てきた。そこで水分ゼリーを使い少しずつ嚥下訓練を始めた。少量は摂れるがなかなか進まない。少し顔も浮腫んで来た。経管栄養の併用について話し合ったが在宅で急に始めても家族もなれていないしチューブ確認も出来ないので危険と言う事になった。嚥下が旨く行くまで何とか点滴でしのぐ事にした。上手く行くかと喜んだのもつかの間、次の日に往診して落胆した。全身が硬直し、口も開けず瞳孔の共同偏視が見られる。再出血したのだろうか顔のむくみも酷くなっていた。この様子では回復の見込みは状態は重篤になった。今後は治療はせず看取りになる。今まで通り最後まで訪問看護師と私が対応する事を話した。私は運悪く金曜日の夜から関節痛と共に高熱が出て早くから床に就いていた。土曜日の診療をやっとこなし、この患者さんについても訪問看護師さんからの報告を受けて指示する状態になった。日曜日まだ床に就いていると朝早く担当の訪問看護師さんから患者さんの血圧が測れず脈も途切れがちになったとの報告があった。ふらふらしながら駆けつけた。幸い唇はピンク色で呼吸は浅いが規則正しい。腕の硬直が強く血圧と脈が計り難かったと思われる。心音も微弱だとの事で聞いてみた。確かに看護師さんの聞いていた部位では聞こえにくい。少し下にずらすとしっかり聞こえる。慌てていた為だろう。すこし観察しながら、娘さんと患者さんの昔話になった。病気になる前は今居るところからは車で4時間以上も懸かる田舎で暮らしていた。そこは偶然にも私が卒業してまもなく大学から派遣されていた病院と同じ地域であった。患者さん自身高血圧でその病院に入院したこともあるとの話。もう30年も前の事で私は新婚ほやほやの時でもあった。しばらく患者さんについての話を続けた。死戦期には魂が先鋭化し感性が鋭くなると言う。そんな私達の声が聞こえたかどうかは分らない。せめてそうあってほしい。少し顔色が良くなった感じに見えた。もうだいぶ前になるがあるお年寄りが重篤で意識もなくなった状態が続いたある夜(次の日に眠るようになくなられたが)私一人で回診している夜、今まで目も開けなかったのに目を開け穏やかな顔を私に見せたのが忘れられない。あまり変化がなかったので様子が急変したら知らせてくれるようお願いして患家を後にした。その後もう1回呼ばれて往診したが変わらなかった。今、いつでも行ける様に待機している。在宅で患者さんを看取る時のタイミングは難しい。家族の心情を考えると患者さんの最後は看取りたいのは山々である。医師がその瞬間に立ち会う事は理想であるが病院でなければ難しい。法的には死亡前24時間以内に診察して居れば死亡確認だけで診断書は書ける。今後はまた昔のように在宅医療の時代にならざるを得なくなりそうだ。高齢化で年々死亡者数は増える。医師が死に際を看取るのはますますむずかしくなるだろう。往診医療が普通だった昔は人は死ぬのは当たり前で医療を必要としない、仕方の無い死に対しては、一度の診察後よほどの事がない限り家族に任せて、なくなられてから行くことが多かった。他の多くの患者さんにも平等に対応しなければならない身分でもあるからだ。今は訪問看護師さんが対応してくれるから安心である。

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