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進歩した医療のお陰でかなりの心身の障害や疾病状態にあっても生き長らえるようになり現在の日本人の平均寿命は男78歳、女85歳である。だが元気に過ごせる健康寿命は男72歳、女78歳である。平均寿命から健康寿命を引いた6年ないし7年間は医療と共に介護を必要とする期間であり病気ではないが生活上の支援や介護が必要な介護年数はそれよりも長い10年以上と考えて良い。一定の確率で誰かが加齢と共に要介護状態になる。最近の調査で65歳以上の高齢者の要介護認定率は16.7%で内訳は74歳までの前期高齢者は16%であって75歳以上の後期高齢者では80%と高く介護保険受給者がこの高齢層に集中している。そして進歩した医療は要介護期間を長引かせる一方では核家族化による子供の同居率の低下で単身世帯や高齢夫婦のみの世帯が増えて家族の介護力は下がっている。今年還暦を迎えた60歳を中心にした700万人規模の団塊世代が高齢者の仲間入りをする2025年には高齢者人口が3500万人のピークに達し現在年間100万人の死亡者数も160万人に増えると予想されている。誰もがいつまでも住み慣れたわが家で過ごしそして死にたいと願っている。それにも拘わらず現在医療機関で死ぬ人の割合は80%に達しており病院で死ぬ事が当たり前のようになってしまった。70歳以上の高齢者一人当たりの年間医療費は40歳代の6倍近くである。また高齢化とともに問題なのが認知症である。現在170万人といわれる患者数は10年後には250万人を越すと言われている。このまま行くと医療・介護システムそれ自体が崩壊しかねない。そこで平成18年4月の介護保険法改正では運営費用を効率化し制度の存続維持が最大の課題となった。そして制度施行の5年間で蓄積されたデーターをもとにした費用対効果の検証では介護サービス利用の大部分は要支援や介護1の軽度者層であり、それにサービスを使うことで却って自立が阻害されている事が分った。そこで潜在能力を引き出し自立を支援したほうが効果的で費用もかからないとの結論で新予防給付が導入された。医療制度改革と連動した形で介護療養病床の廃止、医療療養病床の削減を決定の上、その受け皿としての在宅療養介護移行に舵を切った。また寝たっきりや認知症の介護の困難の実情から介護給付サービスの重心を重度者にシフトすると共に認知症のコミュニィティケアを視野に在宅、通所、入居の区分に加えて地域密着型サービスの小規模多機能型施設、認知症対応型デイサービスを創設した。サービス利用の総量を規制するために利用者の介護認定の厳格化を行い契約による給付で自己責任を重くした。またサービス事業者には質の向上と不正防止を徹底させている。

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