「心を一つに」このフレーズは早稲田大学の学生広告部が主催して「NHK歳末助け合い募金」用の広告ポスターを作るのにハートマークを2人でささえる絵の図案に合ったフレーズを考え発表するエベントがルー大柴の司会で行なわれた時に多くの参加者の中で一番を取った小学生の男の子の作品です。一見単純に感じます。しかし次の瞬間になるほどと感心します。助け合いは相手を理解し、気持ち共感が無ければ参加できません。まさに心を一つにしなければ成り立ちません。対人援助の介護、障害者支援などもそれをささえる家族を初め周囲の人が心を一つにして支援の輪を拡げなければ旨く行きません。これを作った小学生の心は童心です。この童心を持ち続ける大人は多くは有りません。75歳でサンテグジュぺリの星の王子様を翻訳した作家の佐藤濯は学童の頃、柳川で詩人の北原白秋と交流を持ち、常々白秋が大人に成っても童心を失わなかったと話していた。そして晩年は昭和女子大で教鞭を執った。その教え子達に決まって次のような話をした。ある子供が友達と田んぼで遊んで居て友達が大きな穴に落ちた、その子供は友達を助けようとして穴の中に入り泥んこになりながら必死に救い出した。その後家に帰った子供に母親がどうしたのか聞いた。友達が高い穴に入って仕舞い一緒に中に入って助けたので泥んこになったと話した。この子供の心は相手の心と同じ目の高さにあり、深い穴ではなく高い穴と表現した。このことを強調したそうである。大人に成って深い穴を高い穴と感じられる人は多くは無い。童心に戻れない。物は心で見なければ肝心な物の本質は見えない。


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BPSDの心理症状の被害妄想のなかで多いのが物取られ妄想である。お金や預金通帳、印鑑などが盗まれたと思い込む体験である。認知症初期の段階から出現して女性に多い。見当識や判断力障害は今居る場所がどこか分らない、周囲の人が誰なのか分らない為に家に帰ろうとする時に頼りになるのがお金である。この大切なお金が見つからないと不安は大きくなる。そしてこの不安感が物取られにつながって行くのである。仕舞った場所を忘れるだけでなく仕舞った全体体験を忘れて居るのである。懸命に探しても見つからなければ誰かが盗んだと考えるようになる。たいていが最初に疑われるのは、身近な妻か息子の嫁の場合が多い。毎日朝から晩まで介護に忙殺されている介護者にとって身に覚えのないことを疑われては身もフタもない。しかしこのような場合にむきになって否定するのは禁物である。そうしないと妄想を助長する事になる。認知症の人自身が一番困っているのだということを理解してあげることが大切で「一緒に探しましょう」など行動を起こす対応が良く。たいていどこかから出てきたりする。実際ありもしないものの場合もあるので「疲れたから一休みしましょう」など気持ちをそらせると探していたことを忘れる。日常の言葉、対応に気をつけたり部屋をいつも同じ環境に整頓しておく。

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BPSDの行動症状である徘徊は事故につながり危険を伴うので介護者を悩ませる行為でありアルツハイマー病の場合は最も長期間続く症状でもある。かつて徘徊は目的も無くうろうろ歩く行動と考えられていた。しかし今では徘徊の多くは何らかの目的がありそれに向かう行動だと受け止められている。私達でも目的ある行動を阻止されたら反発する。徘徊の目的でよく見られるのは「会社に行く」「子供を迎えにいく」という物である。自分が高齢者であるのにまだ会社員である、小さい子供を持つ母親であるとの年齢逆行の認知機能障害であり、会社に行く、子供を迎えに行くと言う行動自体は不可解なものではなく理にかなっており理解できるのである。これまでの遣り方のように徘徊する場面を見つけたら連れ戻すとか出て行かないように鍵をかけたり、部屋に閉じ込めるなど身体拘束になる理屈に合わない遣り方で不適切な対応である。逆に認知症の人からは訳の分からないことをする介護者だとなる。一緒に就いて歩くのは危険に合わない、行方がわからないよう見守る画一的で消極的な対応である。徘徊の元になっているその人なりの目的や原因に焦点を当て考える。目的に対してどのようにケアを組み立てる事が積極的対応と言える。「家に帰る」タイプの場合居心地の悪さ、自分の居場所が無いと感じている。ここに居ると安心出来る。ここに居ても大丈夫。と言う環境を整え介護者がなじみの人になれるよう努力する事が徘徊の予防にも繋がる。徘徊する可能性の人は予防と起こってからの対応を検討しておくことは勿論大切である。
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BPSDは介護上負担が大きい。しかし対応としての基本はどうすればケアが楽になるかではなくどうすれば認知症の人が苦痛を感じることなく安心して心地よく生活出来るかである。BPSDへの対応はまず薬物を用いないケアを優先する。しかし適切なケアで解決できない時は医師に相談し適切な薬物療法を併用すると症状を緩和できる。
BPSD(行動・心理症状)は行動症状と心理症状に分けられる。
代表的な行動症状に徘徊があり、心理症状に物取られ妄想がある。


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中核症状を背景に不安感、焦燥感、ストレスなど心理的要因が加わってBPSDは現れる。認知症の重症度が同じでも不安感やストレスの多いか少ないかによりBPSDの現れ方も変ってくる。徘徊、妄想など現象だけを捉えて対処するのではなくその原因の不安、焦燥、ストレスに目を向けて対処して行くべきである。BPSDは身体的、心理的要因のみで起こるわけではない。なじみの無い環境、居心地の悪い環境、介護者との関係でも現れる。つまり不適切な環境や不適切なケアはBPSDを誘発する。

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認知症の中核症状とは「記憶の障害」「見当識障害」判断力障害」「実行機能障害」などで殆ど100%に見られる必発の症状である。周辺症状とは「徘徊」「妄想」「攻撃的行動」「不潔行為」「異食」等に代表される症状ですべての認知症に共通して現れる訳ではなく約8割の人に見られる症状である。周辺症状は介護者を悩ませる行動としてこれまで問題行動や行動障害と呼んできました。しかし認知症の人は介護者を困らせようと不可解な行動を取っているわけではない。ただ介護者の視点からの言い方でその人の立場に立っていない。私達が色々な行動を起こす時はそれなりの原因や理由がある。認知症の人にも理由があるはずである。見当識、判断力など中核症状である認知機能が障害され、自分の置かれた状況が解らずに行動を起こしている。たとえば退職しているのに朝会社に行こうとする、行くという行動自体には障害は無い。会社に行くと言う理由、目的に判断が誤まっている。それ故に行動障害も適当な言葉ではない。
1996年国際老年精神医学会の「認知症の行動障害に関する国際会議」で検討がなされ「認知症の行動・心理症状Behavioral and Psychological Symptoms of Dementia BPSD と呼ぶことで合意されました。
わが国でも最近は行動として現れる行動症状、実際の会話の中で明らかになる心理症状を問題行動、行動障害の代りに「認知症の行動・心理症状」単に行動・心理症状と呼んでいる。

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