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認知症の家族を介護する人はねぎらわれる事が少ない。寝たっきりの介護では大変さが外目に分るので周囲から理解されやすい。しかし認知症でもADLが比較的自立している場合、普通に歩いて周囲に挨拶も出来たりする。このような場合、介護の大変さが周囲の人には理解してもらえない。介護に携わらないほかの家族にも理解されない事も多い。この状況に示されるように認知症は介護の手間を過小評価されすぎている。それゆえ介護の手間を時間のものさしで判断する今の介護保険制度下の介護度判定は認知機能低下の生活障害状況つまり介護の実情を反映していない。認知機能の低下があつても身体的に問題が無ければ要介護状態としては非該当ということになる。介護保険制度の施行当初でさえ認定調査項目をコンピュータ一・ソフトに入力して得られた一次判定は実際の認知症生活障害の介護状況と乖離しているとの指摘が出た。そのため3年目の第2期介護保険事業計画の見直しでは認知機能を主治医意見書のチェック項目からも入力し認知機能が一定の基準を超えて低ければ一階級あげ加えるに周辺症状の異常行動が6項目を超えて見られればさらに一階級上げる操作を行ない審査会に一次判定原案として提出される様にした。その理由には認定調査では初対面でしかも短時間に認知機能のアセスメントするのは不充分であり、一方、かかりつけ医は長年観察している患者さんの生活ぶりを最も良く把握しているとの判断があった。認知症に対する医療および介護の著しく発達した現在、振り返って考えると介護保険が始まった当初の認知症に対する認識と理解は専門医以外のかかりつけ医にしても認定調査員はなおさら未熟であったことは否めない。改訂によって認知症の評価も少しは実情に近づいて来ていた感が持てた。介護保険の普及定着につれて介護給付費が膨らみ財政が苦しくなって制度の持続が危うくなった為に5年目の制度改正では新予防給付が導入された。予防給付対象者は軽度の要支援および従来の介護1、現在では介護一相当の認知症自立度Ⅱ度以下の認定者の支援Ⅱの者となっている。介護Ⅰ相当の選択には調査員およびかかりつけ医両者が評価している高齢者認知症生活自立度を認定審査会委員が夫々勘案して合議で決めた自立度を使う。ここでは認知症の存在が判定に大きな影響を与える事になっており、おろそかに出来なくなった。それはそれとして認知症介護の現場では身体介護よりはるかに知識と経験および忍耐を強いられる。非常に長時間ストレスフルな状況におかれ疲れ切る。それにも拘らず認知症がよほど進行して失行、見当識障害などによるADL障害が生じない限り介護度の評価は低い。

 

 

 

 

 

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