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ある新聞の文化欄で現在の日本には昔ながらの風土としての死者を葬る文化は残っているが終末期を如何に過ごさせるかの文化が廃れてしまったと嘆く記事を見たことがある。もつとも私が医者になった頃はまだ都市部に於いてさえも在宅死が多く、昔からのしきたりと言うか一族郎党全員で看取る習慣が残っていた。そして10数年前になるが田舎に帰って在宅医療を初めた頃にもまだその雰囲気は残っていた。最近は状態が悪くなると介護力不足すなわち家族の介護困難を理由に入院をさせるケースが多い。そして隔離された病室でごく限られた家族に看取られながらさびしく無くなる。死に行く人の希望など無視されてしまっている。従って死は地域や家庭から遠ざけられ日常ではなくなり、子供達にとっては人が死ぬ経過を見ることも無くなった。生前にかかわりの有った多くのひとから隔絶され最も大切で荘厳な時期を殺風景な病院のベッドで過ごす。悲しい事である。

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