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認知症の人は日に何度も食餌を取ろうとする。これは食事をした事実を覚えられない前向性健忘の所為である。また家族の顔もわからないなどすでに覚えている事を忘れてしまう逆向性健忘もある。記憶には見聞きした事をメモ程度に覚える短期記憶とそれに関連した脳領域に保存された長期記憶がある。前向性健忘は海馬でメモ程度に保持されている短期記憶が長期記憶として大脳に刷り込まれる機能が障害された状態であり、逆向性健忘は器質的病変により脳細胞が壊れ、そこに保存されている記憶が失われる。記憶の種類には意味記憶、エピソード記憶、感情の記憶、手続き記憶がある。各記憶は夫々に登録、保存される脳の領域が違う。自転車に乗る、釘を打つ、小便するなど体の覚えている手続き記憶は小脳、学習して覚える意味記憶、一連の出来事を覚えるエピソード記憶などは大脳皮質、快、不快の感情の記憶は扁桃体と言う具合である。失われている記憶の種類を見極め残された機能を活用する事も認知症対応の選択肢である。頭が覚えていなければ体が覚えている。誘導することで機能を補える。童謡に歌を忘れたカナリヤの歌詞がある。カナリヤの啼く能力を司る脳は1年1年作り変えられるので前の年に獲得した手続き記憶は削除され次の年に旨く啼く為には最初から練習をやり直さなければ成らない。人の場合の様に、1回自転車のりを覚えれば一生乗れるのとは違いカナリヤは啼くのを忘れて仕舞うが再度チャレンジ出来る。決して認知症ではない。

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2007.09.30 10:54 |  研究  |  生活 / くらし  |  趣味  |  その他(一般)  |  その他(医療関連)  |  でんさん  | 推薦数 : 0

蜘蛛の糸の後日談。

去年の6月のブログに書いたコガネ蜘蛛の糸を19万本束ねぶら下がり蜘蛛の糸の強靭さを証明した奈良県立医大の大崎教授はあれからもますます夢の新素材実用化を目指して研究を進めている。獲物に飛びついたり逃げる時に出す命綱の牽引糸に注目。判った事は糸の強度でこれには伸び縮みの出来るぎりぎり一杯の弾性限界強度と伸び切って切れる時の破断強度がある。バネとしての弾性強度は蜘蛛自身の体重の2倍である。形態を電子顕微鏡で調べたところ2本の糸から構成されていた。また蜘蛛は紫外線を利用していた。糸に紫外線を当てると強度が増大する。徐々に低下し2日で元に戻った。女郎蜘蛛は1日に半分ずつ2日間かけて巣を張り替えるが張替周期と強度の周期と合っている事が分かった。蜘蛛の糸の応用としては手術用の縫合糸やストッキング、防弾チョッキが考えられている。今、化学工業や化粧品メーカー、大学の研究室が遺伝子工学を駆使して蜘蛛の糸の大量生産を試みている。夢の新素材として実用化されるのが楽しみと言う。教訓として蜘蛛の糸の命綱の牽引糸には危機管理のメカニズムが隠されていると感心している。(日経新聞 9・30付け)

誰もが幼き日、身につまされた芥川龍之介の短編小説くもの糸。1本の細い糸に為(な)り滴(したた)るやせ細った髭茫々の人の群れ。そんな神代のロマンに挑戦する御仁が現れた。黄金蜘蛛約100匹から3カ月掛けて糸を集め太さ4ミリ長さ10センチの1本のロープに編み上げた。それをハンモックの端にして体重65キロの自身みずからぶら下がった。数分間を持ちこたえ何とか切れなかった。計算上は600キロまで大丈夫としていた。ところが125キロの弟子が下がったところプッツリ切れた。地獄の底で生きている人はスリムだった。現代のくもの糸は勧善懲悪より体重の重さに弱点があった。なにやら当世風になってしまった。この御仁は高分子化学の教授で医療材料にならないか研究中だという。遊び心が福を呼ぶと良いが。

医局の机にリングをつないだ鉛筆立てがある。一番上のリングには糸が何本も結んであり纏のようになっている。2人の外科医が診療の手伝いにやってくる。その誰かが合間に糸結びの練習用にしているらしい。それを見るたびに昔を思い出す。私は今でこそ手術はしないがもともとは心臓外科医。外科の修業はまずは糸結びからだった。止血、胃腸の縫合など糸結びが悪いと、術後出血、縫合不全など合併症が出てくる。、特に心臓手術では魔術師的早業で糸結びをしなければ心臓を止めている時間が長引き術後に影響が残る。人工弁一つを縫い着けるのに500回から600回ほどの糸結びを必要とする。若い頃の一時期良く糸結びの練習をしていた。結び方にも色々あり場面、場面で使い分ける。糸の種類も沢山あり昔は絹糸とたんぱく質の吸収される羊の腸から作った糸が使われた。最近は化学合成糸が多い。糸には吸収されるものと非吸収糸がある。また撚り糸とそうでないテグス状のものがある。心臓血管の手術には殆ど非吸収糸が使われる。それは手術後すぐに機能しなければならない器官であり常に弾力のある力が懸かるのでしつかりと固定されていなければならない。一昔前に刑事コロンボと言うシリーズもののテレビドラマがあった。その中に「溶ける糸」と題する一章があった。確かあらすじは大学病院での心臓血管外科での話で助教授がその師である教授を亡き者とする為に、溶ける糸が使われた。それをコロンボが見破るサスペンスドラマで、ヒントは手術のときに使われる糸が鍵。教授の心臓弁が悪くなりそれを人工弁に取り替える手術が必要となった。術者は弟子の助教授、出世には教授が邪魔になる状況にあつた。チャンス到来。手術中に工作する方法を考えた。人工弁の縫着には溶けない合成糸を使わなければならない。しかし隠し持っていた溶ける糸を使ったのだ。溶ける糸を使うと手術後しばらくは持ちこたえる、しかしだんだん溶けていき数日後には人工弁は外れてしまい教授は死んでしまう。手術は完璧に行われた。外目には弟子には責任は無いわけである。完全犯罪を狙ったがそれをコロンボが見破る。もつとも手術は助手を務める医師、看護師、臨床工学士の協働作業なので多くの目がある。よっぽど周到に計画しなければ不可能なはなしではある。

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アラキドン酸は細胞膜を構成する成分で脳に多く含まれる。食べ物では肉、魚、卵に多く含まれこれらを多く食べる事で高齢者の記憶力を改善し乳幼児の精神発育に効果があるとされる。東北大研究チームはラットの記憶を司る海馬の神経細胞の数の変化を指標にして実際のアラキドン酸の効果を証明した。生まれたてのラットに4週間に渡りアラキドン酸を加えた餌群と通常の餌群にわけ飼育した後、夫々の群の脳を取り出し調べた。アラキドン酸を加えた群の海馬の脳細胞の数が普通の餌群より1.3倍多く増えていた。また別の実験で、魚に多く含まれ頭に働きに良いといわれるドコサヘキサエン酸を加えた群も脳細胞が1.1倍に増えていた。と言う事で今年は秋の味覚の秋刀魚の当たり年らしい。沢山食べて頭を良くしよう。

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