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第3講義 医療法人白髭内科医院院長・長崎市医師会理事 白髭 豊

「長崎在宅Dr.ネットの取り組について」 

在宅医療の定義は、病院の入院、診療所の外来に次ぐ生活の場での第3の医療提供といえる。そのポイントは患者さんの希望する家庭生活の一部分を支える後方支援医療である。厚労省の調査では一日に往診を受けた患者数は'60年代には15万人であったが'90年代には5万人に減少しこの間に在宅医療普及のための制度が打出された。それにも拘らず減少は続き'05年には2.5万人となっている。往診と同様に「在宅医療」も減少傾向にある。そのような状況の中で在宅死が'60年以降から減少し続け'77年には病院死が在宅死を超えた。'04年の在宅死の割合は全死亡の12.4%に過ぎない。この状況は高齢者の90%は自宅で死を迎えたいと希望している実態から大きくかけ離れている。在宅死の実現不可能な理由として往診してくれる医師が居ない、病状急変時に不安、介護する家族の負担が大きい等がある。医療側の問題点としてソロプラクティスの開業医には重症の患者を数多く在宅で診るのは心身ともに大きな負担であり、現状のままでは訪問診療を実施する診療所は少ないと考えられる。今後は医療政策としての療養病床削減、介護保険の普及、在宅死の希望の増加、がん対策基本法での在宅緩和ケアの推進などが続きこれらの受け皿として在宅医療は重要な位置を占めて来る。'03年長崎市近郊で医師の相互協力により長崎Drネットが発足した。自宅療養を希望する病院入院患者の主治医が見つからない場合に事務局が窓口となり在宅主治医・副主治医を紹介する。具体的にはメーリングリストを通じてメンバーに手上げして貰い在宅主治医・副主治医を決定する。そして退院前に病院側、在宅側スタッフで合同カンファレンスを行いスムーズに在宅に移行している。'07.6月現在で人口45万人の長崎市全域と近郊から108名の医師が参加している。Dr.ネットの特徴は一人の在宅患者に複数の担当医師があたり緊急時のバックアップ体制がとられ24時間の安心が確保出来る。病院医師も参加しているので異なる専門分野のカバーが出来る。なによりも在宅医療で重症を抱える際に避けがたい肉体的・精神的重圧の軽減になるなどの利点がある。病院から事務局を介しての主治医の決定は平均2日未満と迅速で、在宅療養での在宅死は37%でその在宅日数は平均58.7日であった。Dr.ネットでの在宅療養支援診療所の届け出数は65%と高い。自発的に始まりフットワークの良さが持ち味だが'06年9月には長崎市医師会の部会として活動している。そして県内にも波及し大村、諫早の各医師会主導で同様の活動が開始されている。秋田県でも試行されていると聞いている。在宅医療の普及、推進には顔の見える診療所同士や多職種との連携が重要で研修会、セミナー、症例検討会を定期的に行なっている。特に生活習慣病と食事との関係は大切でDr.ネットでは複数の診療所で管理栄養士をシェアする管理栄養士派遣システムを作った。新予防給付、特定健診に於いて重要な役割を果すと期待している。

シルバー新報より転載)在80%の人々が病院で死を迎えていますが、国の政策は病院を治療の場に特化しようとしており、病院では死ねない時代がそこまでやってきています。とはいえ、子どものいない人やシングルには在宅でのターミナルケアも現実的ではありません。人生の終末をどこで迎えるのか。病院でもなく、自宅でもない場所――介護施設や高齢者住宅などが第3の選択肢としてニーズが高まっています。自分だったらどういう場所で、どのように看取られたいかという視点から「ターミナルケア」を再考します。              

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