医療が発展するためには患者、国民の医療への敬意が必要である。医療が安全・安心でより良いものである事は医療にかかわる全ての人の共通の願いである。一方、患者は安心・安全に加え医療が納得いくものである事も望んでいる。医療には素人の理解出来ない領域があり、絶対と言うことはない。そうであるにしても医療界はこれまで事故の隠蔽、患者に説明しない、謝らない傾向にあった事は否めない。そのような医療側と患者側の意識の乖離が両者の間に溝を作っている。医療事故で医師らが刑事訴追されるケースも増え、その影響でリスクの大きい外科医療、産科医療、救急医療の現場では従事医師が減少し、萎縮医療に傾き崩壊の寸前にある。医療事故には防ぎ得ないものもある。結果が悪いと患者側からは恨まれる。医療側にとって事故が起こるたびに非専門的で不合理な刑事介入は避けたい。何故なら刑事司法は被害者感情や再犯防止に個人に刑事罰を科するのが目的である。事故再発の予防には役立たない。医療側、患者側の納得のいく専門的視点での事故原因データの収集、提供、公開のできる第3者機関の設置が必要である。厚労省ではこの医療事故調の創設に向け検討が進んでいる。
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